正鹿山津見|まさかやまつみ|加具土命の死体から化成した山の神
正鹿山津見は、日本神話に登場する山の神。山のどこを司る神とするか、意見が分かれるところだ。
正鹿山津見の概略
正鹿山津見の神名
- 正鹿山津見(まさかやまつみ)>>>古事記
- 正勝山祗(まさかやまつみ)>>>日本書紀
正鹿山津見の産まれた部位
- 古事記>>>殺された加具土命の「頭」に成った。
- 日本書紀>>>殺された加具土命の「腰」に成った。
逆に見てみると、、、
- 頭に成った神>>>正鹿山津見>>>古事記
- 頭に成った神>>>大山祇>>>日本書紀
- 腰に成った神>>>記述なし>>>古事記
- 腰に成った神>>>正勝山祇>>>日本書紀
ややこしいこと、この上ない。よって考えないことにしよう。
産まれた部位と神名から推察する神格
このようなことから、さまざまな神格が推察されるわけだ。
- 頭に成ったということからして、険しい山頂部を司る神とする説。
- 「正鹿(まさか)」は「正に」と考え、正真正銘の山の神という意味とする説。
- 「正鹿(まさか)」を「真坂」と考え、山の坂になった部分を司る山の神とする説。
日本書紀五段一書の「頭に大山祇が成った」という記述と符合するのは、「正真正銘の山の神説」ということになる。
また、正勝山祇の「正勝」は「正勝吾勝勝速日天之忍穗耳命」の神名にも使われている。この神は、天照大神と須佐之男命の誓約で誕生し、4代後に初代神武天皇を輩出する、すなわち「皇統の正統」を意味する。
やはり「正真正銘の山の神説」が最も似つかわしい説であると思う。
同時に生まれた山の神
古事記に登場する、斬り殺された加具土命から生まれた山の神8柱は下記の通り。
- 正鹿山津見神(まさかやまつみ)★
- 淤縢山津見(おどやまつみ)
- 奥山津見(おくやまつみ)
- 闇山津見(くらやまつみ)
- 志藝山津見(しぎやまつみ)
- 羽山津見(はやまつみ)
- 原山津見(はらやまつみ)
- 戸山津見(とやまつみ)
参考記事
古事記における、これらの8柱の神が化成する場面、すなわち加具土命が斬り殺される場面は、こちらの記事をご覧頂きたい。
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