伏見稲荷大社 商売繁盛・産業振興だけじゃない!神秘の神奈備「稲荷山」

2016年7月15日

fushimi

京都市は伏見区。全国3万社以上もある稲荷神社の総本宮である伏見稲荷大社。

式内社の「名神大社」で、「二十二社」に選定された、古くから「その霊験絶大なり」といわれた神社である。いわば、国家が認めたパワースポットである。

現在でも、初詣参拝者数で関西No1であり、全国でも5本の指に入る。また、「外国人観光客が訪れたい日本の観光スポット」でも1位を獲得するなど、文句無しの超人気スポットである。

「人の集まるところ、すなわちパワースポットである」という持論を持つ私としては、うなずける結果なのである。

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伏見稲荷来社について

伏見稲荷大社の祭神とご利益

現在の本殿には、以下の5柱が祀られている。

主祭神は、宇迦之御魂大神(うかの みたまの おおかみ)。配神として佐田彦大神(さたひこの おおかみ)と大宮能売大神(おおみやのめの おおかみ)。

明応8年、応仁の乱で焼失した社殿を再建した際に、摂社であった田中大神(たなかのおおかみ)と四大神(しのおおかみ)を合祀。

宇迦之御魂大神は須佐之男命の御子神で、穀物・食物を司る女神されている。

よって、ご利益は「五穀豊穣」「商売繁盛」「産業振興」など、食べるに困らない状況を求めるのである。

伏見稲荷大社の起源と、聖なる山:稲荷山

秦の伊侶具は、稲の束を高く積み上げるほど裕福であった。ある日、大きな餅を的にして矢で射たら、餅は白鳥になって飛びさってしまった。食べ物を粗末にしたことを反省して飛び去った山に向かうと白鳥が稲になっていた。そこを「稲成り」=「イネナリ」と呼んだ。

山城風土記より

これは、東山三十六峰の最南に位置する稲荷山についての伝承である。

稲荷山には3つの高見がある。一ノ峰・二ノ峰・三ノ峰と呼び、それぞれに社を構えて祀っており、応仁の乱で焼失する前の社殿があった場所とされている。「神蹟」という。

  • 一ノ峰(上之社神蹟) – 末広大神
  • 二ノ峰(中之社神蹟) – 青木大神
  • 三ノ峰(下之社神蹟) – 白菊大神

稲荷山

もともと、これらの峰は古墳(円墳)であったらしい。古墳時代から聖なる山とされていたということであろう。

そこに秦氏の伊侶具「稲の神」を祀った。その後、稲の神つながりで、穀物・食物全般を司る「宇迦之御魂大神」を祀るようになったのが伏見稲荷大社の歴史的流れであろうと思われる。

この3つの神蹟以外にも、4つの「神蹟」がある。

  • 荒神峰(田中社神蹟) – 権太夫大神
  • 間ノ峰(荷田社神蹟) – 伊勢大神
  • 御膳谷遙拝所
  • 釼石(長者社神蹟) – 加茂玉依姫

これら7つの神蹟が設定されたのは明治に入ってから。意外に新しいのである。

伏見稲荷大社と狐

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伏見稲荷大社の神様のお使いは「狐」。何故、狐なのか。

諸説ある。

  • 宇迦之御魂神=御饌津神(ミケツ神) ⇒ 三ケツ神 ⇒ 三ケツネ神⇒三狐神という5段活用説。関西の年配の人は、”きつね”うどんを、”けつね”うどんと呼ぶ。
  • 稲を荒らすネズミを、狐が捕食してくれるため、稲の守り神として狐を神とした説。
  • 伏見の地には秦氏が入ってくる以前に狩猟の民が山の神を信仰しており、その象徴が当初「狼」であったのが、いつか「狐」に変化して、後からやってきた農耕の民たちの神と習合したとする梅原猛説。

などなど。

伏見稲荷大社と「お塚信仰」

もう一つの特徴は「お塚信仰」だろう。伏見稲荷の独特な雰囲気はこれによるところが大きい。

稲荷山に足を踏み入れると、至る所に石鳥居や朱色の鳥居に囲まれた「石碑」を目にする。初めて訪れる人には異様にも写るであろう。

これが「お塚」と言われるもので、全て一般庶民や企業によって設営された「私的な信仰施設」すなわち「私のお稲荷さん」なのである。

財力のある者は大きなお塚を、そうでない者は小ぶりなお塚。おのおの「自分で考えた神名」を彫り込んでいる。

弘法大師や不動明王の文字を彫り込んだ石仏もある。般若心経を唱える者もいる。まさしく神仏習合の形が庶民レベルで残っていることが窺えるのである。

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伏見稲荷大社のパワースポット

伏見稲荷大社とは、稲荷山そのものである。稲荷山全体が稲荷大神。山そのものが神社であり、ご神体である。と感じるのは私だけであろうか。

紹介しきれないほどに凝縮された神域であるによって、特にお伝えしたいスポットのみご紹介していきたいと思う。

心願成就のパワースポット「千本鳥居」

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伏見稲荷大社と言えば、なんといっても「千本鳥居」であろう。

これから祈願をする(願いを通す)人や、祈願が成就した(願いが通った)人が奉納する朱の鳥居。ここを通るだけで「願いが通る」と言われている、パワースポットである。

朱色には、魔除けの効果があるとされている。

鳥居が並ぶ中は、光と影のコントラストが神秘的な異空間が広がる。おそらくは稲荷山山頂から流れる「気」の通り道となっているのであろう。言いようのない気分、で言うとすれば気持ちが高揚し、元気になれるのである。

さて、鳥居の朱の原料は「水銀」。つまりは「丹生」である。花札の「朱丹」「青丹」の「朱丹」である。

丹生は、木材の防腐剤として使われたり、金メッキを施す際にも利用されるもの。古代人は丹生に対して、神秘的な霊力を感じていたことであろう。鉄や翡翠と並んぶ大変重要な鉱物であったはずである

また、丹生の主産地としては、伊勢・大和・阿波・伊予などが挙げられるが、これらは中央構造線上に位置しており、やはり断層には大きなパワーが存在することの証しであろう。

しかし、これだけの鳥居が並んでおり、防腐剤として有機水銀化合物が使用されているとすると、それはそれで怖いものがある。おそらくは、有機水銀ではない防腐剤を使用していると思うのだが。。。

奥社奉拝所

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千本鳥居を通り抜けると、奥社奉拝所(通称:奥の院)である。山頂の一ノ峰を遥拝する場所ということである。つまりは、ここから先は徐々に険しい行程になるというわけで、ご高齢の方など足腰の弱った方々は、ここから「稲荷山」を拝することができるのだ。

おもかる石

スクリーンショット (8)

この奥の院の片隅にある「おもかる石」

灯篭の最上部の丸い石が独立していて持ちあがるようになっている。見た目で判断した重さよりも軽く感じたら願いが叶うといわれているが。。。アトラクションとしては面白い。

一つだけご忠告申し上げたい。屋根のヒサシで後頭部を痛打する人が多い。行例ができているので、恥ずかしい思いをすることになる。かくいう私がそうであった。

しかも、前の人がぶつけているのを見ていたのに!である。気をつけたい。

勝負時のパワースポット 熊鷹社

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奥の院から鳥居の道を進むと、三ツ辻の手前に新池(通称:こだまケ池)を背景にして鎮座する「熊鷹社」がある。

このあたりの「神気」が全身を包み込む。すこし怖さを感じるかもしれない。そして神聖なる山に足を踏み入れたことを実感するのだ。

そしてまさしくここが、稲荷山で一番のパワースポット!との呼び声高い場所でなのである。ロウソクが揺らめく神秘的な空間である。

山頂の一ノ峰から二ノ峰、三ノ峰を通って流れる来る神気が、一時的に溜まる場所。そんな場所であるがゆえに威圧感にも似たパワーを感じるのではないだろうか。お塚も多く設置されているのはそのせいだろう。

一発勝負を掛けるときに訪れたいパワースポットと言われる。例えば、新規事業の立ち上げや独立開業を目論んでいる方は、是非とも参拝いただきたいスポットである。

ちなみに、祭神の熊鷹大神とは、朝廷に従わなかったため神功皇后によって討伐されたとされる九州の豪族「羽白熊鷲」の神格であろうとされている。「鷲」が「鷹」として伝わったとのこと。縄文人だったのかもしれない。

駆逐された縄文時代の王が、なぜ「神」として秦氏ゆかりの神社に祀られているのか、興味深い。

こだま池

熊鷹社の後方の池がこだまケ池(新池)である。

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この池のほとりで手を打つ。こだまが返ってくる方向に行方不明者の手がかりがあるとか。

また同じように熊鷹社で拍手を打つ。こだまが返ってくる速度によって、願いが叶うスピードがわかる。などと言われている。

私は、おもかる石にしてもそうだが、このような都市伝説のような趣向は好まないのであるが、ついつい試してしまうのである。ミーハーと言われる由縁である。

さあ、まだまだ先は長い。ここから山頂までの間に、どんなスポットが待ち受けているのか期待は膨らむ。

思わぬ出来事

さあ、まさに古代古墳「三ノ峰」へ向かおうとした時のことである。

娘が突然、「足が震えて、力が出ない」と言い出したのである。アンパンマンのような言い方である。いったい何が彼女の身に起こったのだろう。もしかして。。。

よく言われることだが、眷属さんの狐が悪さをすることがあるとか。まさか。うちの娘に限って。。。

緊急下山を余儀なくされた。

楼門を出て参道まで戻ったころ、娘が「お腹空いた」と、のたまったのである。「んっ?」
とりあえず、小洒落た和食喫茶で遅い昼ご飯を食べることに。

やはり、娘は見事に回復。その後もご機嫌さん。ホッとしたやら腹立つやら。。。

というわけで、稲荷山参拝は、次回に持ち越しとなった次第である。

注釈:後日調べたところによると、伏見稲荷大社の眷属さんが悪さをすることはないとのこと。失礼しました。

伏見稲荷大社 概要

  • 所在地   京都府京都市伏見区深草藪之内町68
  • 電話番号  075-641-7331
  • 祭神   宇迦之御魂大神、佐田彦大神、大宮能売大神
  • 創建年      不明
  • 社格   名神大社、二十二社、官幣大社
  • 公式HP    http://inari.jp/

伏見稲荷大社 アクセス

MAP

〒612-0882 京都府京都市伏見区深草藪之内町68

最寄り駅

  • JR奈良線 「稲荷駅」徒歩3分
  • 京阪本線 「伏見稲荷駅」徒歩5分

駐車場

  • あり。

土日はまずもって満車であろう。

周辺道路の道幅狭く、人多し。コインパーキング少なく、あっても小規模。

となれば、一駅離れた場所に駐車して、電車で行かれることをお勧めする。