穴太神社|聖徳太子の生母に由来する神社は、水運・交通の要所に鎮座する謎の神社だ。

2019年6月21日

穴太神社(あのう)は、近鉄八尾駅から徒歩15分程度、八尾市宮町1丁目に鎮座する。

ここには、安康天皇(穴穂皇子)のために設定された「穴穂部」の集落があり、聖徳太子の生母であるところの間人穴穂部皇后が成人した場所でもあるとされているが、一説には天理市の石上穴穂宮で育てられたとも。

普通に考えれば石上穴穂宮だろうと思うのだが、その考察は控えておこう。

さてここは、旧大和川の本流であった長瀬川と支流の楠根川にはさまれた立地である。従って両河川の水上交通を使うことができたであろう。上流に行くとすぐに物部宗家があり、その先には大和の石上の物部本拠へと続き、川下に行けば河内湖から九州、さらには大陸へと、自由に往来できた好立地なのだ。

まさしく、物部ワールドを構成する神社の一つである。

スポンサーリンク

穴太神社について

穴太神社の創建

創建年代は不詳であるが、穴穂部が設置されたのが用明天皇の頃であるため、少なくとも飛鳥時代まで遡ることになろう。用明天皇在位中であれば没年が587年とされていることから、それ以前ということになろうか。

長瀬川、楠根川に挟まれた地域という環境下にあることから、おそらく洪水被害が頻発したであろう。もしかしたら、若江鏡神社と同じように、穴太神社創建よりずっと前から「水神様」が祀られていた可能性が高いと考えるのである。

穴太神社の祭神

現在の祭神は、天照皇大御神、住吉四座大神、春日四座大神。

天照皇大御神

伊邪那岐命の「禊祓」で最後に生まれた三貴神の一柱。伊勢の内宮に祀られる、皇室の祖神である。日神・太陽神で、女神とされている。

住吉四座大神

住吉四坐とは、底筒男命、中筒男命、表筒男命に、神功皇后を加えた4柱の神の総称である。

底筒男命、中筒男命、表筒男命

伊邪那岐命の「禊祓」で海面・中ほど・海底のそれぞれであらわれた三神。総称して住吉三神あるいは住吉大神という。海の神・航行安全の神・武運の神・和歌の神として信仰を集めている。住吉大社をはじめ全国の住吉神社の祭神である。

神功皇后

住吉三神の神託によって新羅征伐を行った皇后。住吉三神とともに祀られることが多い。あるいは神功皇后も含めて住吉四神や住吉大神と呼ばれることもある。こちらはそのパターンだ。

新羅征伐を行ったとき、神功皇后は妊娠中であった。帰還後、無事に応神天皇を出産した逸話は有名である。

春日四座大神

春日四座とは、春日大社に祀られる4柱の神を指す。すなわち、、、

健御賀豆智命

建御雷命・武甕槌のこと。鹿島神宮の主祭神で、藤原氏の守護神である。

出雲の国譲り神話において、大国主命に国を譲るよう迫った神であり、それを拒否した建御名方命(大国主の息子)を諏訪の地まで追い詰めた、めっぽう強い神である。

伊波比主命

経津主命のこと。香取神宮の主祭神で、藤原氏の守護神である。前述の建御雷命をともに、日本書紀の国譲り神話に登場する。

もともとは物部氏の守護神であったが藤原氏に乗っ取られたと聞く。この神、日本書紀には登場するのだが古事記には登場しない。このあたりに物部氏系氏族への遠慮がうかがえると思うのだが。。。

天子八根命

天児屋根命のこと。枚岡神社の祭神で、藤原氏の祖神とされている。天岩戸の神話において、岩戸前で祝詞を奏上した神である。

天孫・瓊瓊杵尊の高千穂降臨の際には隋神の一柱として登場する。旧事本紀では、天孫・饒速日尊の河内降臨の際の隋神としても登場する。

いずれにしても大和建国に関して中心的な位置で活躍した神なのだろう。

比売神

天児屋根命の妃のことを指す。

しかし、由緒書には、「聖徳太子の生母、間人穴太部皇后の生地であり、成人された地であって、産土神として奉斎せられ来たと伝えられる。」とある。現在の祭神に、産土神(氏神)と思われる神は見当たらない。

これら九柱の神々を産土神としたのだろうか。。。

穴太神社のご利益

祭神別に見ていこう。

  • 天照皇大御神・・・万物育成の源
  • 住吉三神・・・海上平安、農耕の神、和歌の神
  • 神功皇后・・・安産、子育ての神
  • 健御賀豆智命、伊波比主命・・・武運、勝負運の神
  • 天子八根命・・・学問、知恵の神
  • 比売神・・・安産、子育ての神
  • 宇迦之御霊大神(摂社)・・・商売繁盛、五穀豊穣の神
スポンサーリンク

穴太神社 参拝記録

府道21号線「枚方八尾線」と言えばお分かりいただけるであろうか。この枚方八尾線の「穴太」交差点のすぐそばに穴太神社は鎮座する。

穴太神社に駐車場は無い。しかし、近隣にはマクドナルドやジョリーパスタ、ホームセンターなどもあるので、ここら辺を利用したいところだ。

この交差点からすでに鳥居が見えているはずだ。

この鳥居は住宅地の出口に建てられている。ここから50mぐらい直進すると神域だ。

注連縄柱がある。こちらは裏口になるのだろう。正面にまわろうではないか。

やはり正面玄関は明るい南がいい。一礼して神域に入る。

神宮遥拝所

伊勢の神宮を遥拝する場所だ。二基の灯篭の後ろに台座があり、1本の柱が立っている。その先端に榊の枝が1本、括り付けられている。古代の神籬とはこういう趣きだったのだろうか。そんなことを思わせてくれる素朴な遥拝所である。神聖な場所だ。

遥拝所の向かい側に、磐座?がある。

何かわからない。

拝殿

鉄筋コンクリート造のようである。二礼二拍手一礼。

しかし、こちらの祭神はどうも解せない。どの祭神も穴穂部の祖神・産土神とは思えないのである。時代の流れの中で春日系や八幡系、もちろん神宮系の神々が勧請されることはよくあることだ。その場合でも、もともと祀られていた神も合祀されていたり、摂社に祀られていることが多いのだが。

しかし、どうもこちらには、その形跡がないのである。調査したい。

半九郎稲荷大明神

この朱の鳥居のトンネルは美しい。幻想的である。伏見稲荷大社の千本鳥居も素晴らしいのだが、いかんせん人が多い。こちらは、誰もいない。独り占めである。

白狐さんに守られるように鎮座する稲荷神社である。欄干の狐の彫り物にご注目いただきたい。

かわいい狐さんであるが、目が怖い。右目はこちらを向いているが左目が外を向いている。斜視なのである。実は、私もまったく同じで、左目が斜視だ。だから怖いのである。

最後に

参拝を終えて、考える。前述の通り、穴穂部の氏神である形跡がない。天照大神、住吉大神、春日大神が穴太部の祖神であるはずがない。

饒速日尊か宇摩志麻遅命、もしくは龍神様あたりであって欲しいのだが。。。

なかなか、謎めいた神社であった。

穴太神社 概要

  • 所在地   〒581-0815 大阪府八尾市宮町1丁目10−15
  • 電話番号  072-996-8667
  • 主祭神  天照皇大御神、住吉四座大神、春日四座大神
  • 創建年      不明
  • 社格   
  • 公式HP     

穴太神社 アクセス

MAP

〒581-0815 大阪府八尾市宮町1丁目10−15

最寄り駅

  • 近鉄大阪線「近鉄八尾駅」徒歩10分
  • 近鉄大阪線「久宝寺口」徒歩6分

久宝寺口からの方が若干近いが各駅停車しかとまらない。八尾駅は準急の停車駅だ。

駐車場

  • なし