伏見稲荷大社|京都|商売繁盛・産業振興、神秘の神奈備「稲荷山」

2016年7月15日

この絵図は、1925年に吉田初三郎さんが描いた伏見稲荷全境内名所図絵である。山の尾根にはおびただしい数の鳥居が立ち並び、山全体に多くの社・お塚が造営されていることが見て取れる。

このように、伏見稲荷大社とは稲荷山そのもの。稲荷山全体が神であるとされる由縁だ。

紹介しきれないほどに凝縮された神域であるによって、七神蹟を中心に、特にお伝えしたいスポットのみご紹介していきたいと思う。

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本殿から、奥宮まで

参道を進み鳥居をくぐると、大きな楼門が見える。

楼門

神社の楼門としては大きな楼門。天正17年(1589年)に豊臣秀吉によって再建されたもの。

母である大政所の病気平癒を祈願して寄進したという。重要文化財に指定されている。

本殿

これが伏見稲荷大社の本殿。内部が五つに仕切られていて五柱の神々が祀られている。

明応8年(1499年)に再建されたものだそうだ。五間社流造の様式で、随所に寺院的な様式が取り込まれているところから「稲荷造」ともいわれている。

下の絵図は、江戸時代中期の都名所図会に見える本殿である。

江戸時代の本殿は、向拝に唐破風が取り付けられていた。

この唐破風はどうなったかというと、、、

昭和36年、本殿の前面に内拝殿が増築され、その内拝殿に唐破風が移設されたので、今も見ることができる。

この絢爛豪華な唐破風が、江戸時代には本殿の屋根に直接くっついていたということだ。

では、本殿の左を抜けて裏側に回ろう。

江戸時代中期に宮廷守護として当神社から勧請されたが、東京遷都によって戻ってきたという「玉山稲荷社」を通り過ぎて上段へ上がると、、、

白狐社

上段の角に「白狐社びゃっこしゃ」が鎮座。伏見稲荷大社の末社の中で眷属「狐」の神霊を祀る社はここだけである。その狐の神霊は「命婦専女みょうぶとうめ神」という神名を持つ。

ここから先のお山の中では、たくさんの狐に出会うことになるからして、まずは白狐社に参拝しておかれることをお勧めする。

奥宮

白狐社の隣に鎮座するのが奥宮。三間社流造の社殿は、五間社流造の本殿とほぼ同じ仕様。創建年代は定かではないが、下社が峰上から麓に降りてきたと同時ぐらいだろうと推測されている。

祭神は稲荷大神。中が3つに区切られていることから、かつての上・中・下社の祭神が祀られていると思われる。がゆえに、本社と同等クラスの格として祭祀されているそうだ。

さて、右手の大鳥居をくぐると、いよいよお待ちかねの千本鳥居だ。

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千本鳥居から、おもかる石まで

心願成就のパワースポット「千本鳥居」

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伏見稲荷大社と言えば、なんといっても「千本鳥居」であろう。

初めは大きめの鳥居が並び、途中から小さ目の鳥居の列が2本となる。行き帰りの一方通行となっているからご注意いただきたい。

これから祈願をする(願いを通す)人、祈願が成就した(願いが通った)人が奉納する朱の鳥居で、ここを通るだけで「願いが通る」と言われているパワースポットである。

朱色には、魔除けの効果があるとされているし。

千本鳥居の中に入ると、朱色と黒、光と影、という2つのコントラストが絶妙で、神秘的な異空間に身を置いたような感覚になる。

おそらくは稲荷山山頂から流れる「気」の通り道となっているのであろう。言いようのない気分だ。

言いようがないと言いながらも言うとするならば、気持ちが高揚し元気になれる気分と言おうか。

ちなみに、古代において朱の原料は「丹生」。つまりは「水銀」である。

丹生は、木材の防腐剤として使われたり、金メッキを施す際にも利用されるもの。古代人は丹生に対して、神秘的な霊力を感じていた。鉄や翡翠と並んぶ大変重要な鉱物であったといわれている。

丹生の主産地としては、伊勢・大和・阿波・伊予などが挙げられるが、これらは中央構造線上に位置しており、やはり断層には大きなパワーが存在することの証しであろう。

しかし、これだけの鳥居が並んでおり、防腐剤として有機水銀化合物が使用されているとすると、それはそれで怖いものがある。おそらくは、有機水銀ではない防腐剤を使用していると思うのだが。。。

奥社奉拝所

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千本鳥居を通り抜けると、奥社奉拝所(通称:奥の院)である。山頂の一ノ峰を遥拝する場所ということである。

つまりは、ここから先は徐々に険しい行程になるというわけで、ご高齢の方など足腰の辛い方々は、ここから「稲荷山」を拝することができるのだ。

おもかる石

スクリーンショット (8)

この奥の院の片隅にある「おもかる石」

灯篭の最上部の丸い石が独立していて持ちあがるようになっている。見た目で判断した重さよりも軽く感じたら願いが叶うといわれている。

アトラクションとしては面白い。面白いのだが、一つだけご忠告申し上げておきたい。

屋根のヒサシで後頭部を痛打する人が多い。後ろには行例ができているので、恥ずかしいことこの上ない。

かくいう私がそうであった。しかも、前の人がぶつけているのを見ていたのに!である。気をつけたい。

さあ、ここから山中へと入っていくこととなる。

鳥居のトンネルを、熊鷹社に向かって進もう。

勝負時のパワースポット 熊鷹社

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奥の院から鳥居の道を進むと、甘味処「竹屋」の入り口のド真ん前。新池(通称:こだまケ池)を背にして鎮座する「熊鷹社」がある。

「神気」が全身を包み込む。すこしく怖さを感じるかもしれない。そして聖なる山に足を踏み入れたことを実感するのだ。

そしてまさしくここが、稲荷山で一番のパワースポット!との呼び声高い場所でなのである。

ロウソクが揺らめく神秘的な空間である。山頂の一ノ峰から二ノ峰、三ノ峰を通って流れる来る神気が、一時的に溜まる場所。そんな場所であるがゆえに威圧感にも似たパワーを感じるのではないだろうか。

お塚も多く設置されているのはそのせいだろう。一発勝負を掛けるときに訪れたいパワースポットと言われている。例えば、新規事業の立ち上げや独立開業を目論んでいる方は、是非とも参拝いただきたいスポットである。

ちなみに、祭神の熊鷹大神とは、朝廷に従わなかったため神功皇后によって討伐されたとされる北九州の豪族「羽白熊鷲」の神格であろうとされている。「鷲」が「鷹」として伝わったとのこと。

駆逐された北九州の王が、なぜ「神」として秦氏ゆかりの神社に祀られているのか、興味深い。

こだま池

熊鷹社の後方の池がこだまケ池(新池)である。

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この池のほとりで手を打つ。こだまが返ってくる方向に行方不明者の手がかりがある
熊鷹社で拍手を打つ。こだまが返ってくる速度によって、願いが叶うスピードがわかる

などと言われている。

私は、おもかる石にしてもそうだが、このような都市伝説のような趣向は好まないと思いつつも、ついつい試してしまうのである。これは好んでいるということに他ならないのだが、、、

さあ、まだまだ先は長い。ここから山頂までの間に、どんなスポットが待ち受けているのか期待は膨らむ。

三ツ辻

熊鷹社から昇り昇って上り詰めると「三ツ辻」に出る。ここを右に行くと四ツ辻、左に行くと山を降りることができる。

ここから四ツ辻までは、結構な登坂。70mほどの高低差である。甘味処が4つほどあるので、無理せず休憩を取りながら登って頂きたい。夏場なら水分補給は必須であろう。

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