長田神社|岡山|蒜山高原は高天原?浄化のパワースポットで元気を頂こう。

2019年3月11日

長田神社は、岡山県真庭市蒜山下長田にある神社。

平安中期に制定された延喜式の神名帳に記載がある「美作国 長田神社」の比定社である。

蒜山三座の足元に広がる東西に長細い「蒜山高原」は、神話における天の国すなわち「高天原」の候補地となっている。

それもそのはず。蒜山三座を越えると、そこは因幡の白兎で有名な伯耆国。そしてその先には国譲りの舞台であるところの出雲国がある。事代主命が隠れたという美保崎もすぐそこだ。

蒜山や大山の山々から出雲国・伯耆国を見下ろし、時まさに今とばかりに武甕槌命・経津主命が率いる精鋭部隊が突撃していく。。。そんな様を想像するのは、私だけであろうか。。。

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長田神社について

長田神社 概要

  • 所在地   岡山県真庭市蒜山下長田1097
  • 電話番号  0867-66-3524
  • 主祭神  事代主命他
  • 創建年      不詳
  • 社格   郷社
  • 公式HP     なし

長田神社 アクセス

MAP

最寄り駅

  • 姫新線「久世駅」→蒜山休暇村行バスに乗車→上在所下車

久世中央から上在所までの所要時間は1時間強。ただし、2時間~4時間に1本のため現実的ではない。

駐車場

  • なし (神社前の道路幅が著しく広いため路駐OK)

米子自動車道の蒜山ICから15分。湯原ICからでも20分程度。

長田神社の創建

創建年代は定かではない。

延喜式神名帳に「美作國大庭郡 長田神」と記載されているということから、その編纂期である900年~920年ごろには存在していたということになる。

それ以前の記録としては、、、

三代実録に、「貞観6年(864年)8月15日に長田神に従五位上が授けられた」との記録がある。

美作百十二社記(江戸期?)にも、「従五位上の長田神社が大庭郡布施郷下長田村に座し、今は牛頭天王社という」とある。

牛頭天王を祀っていた証は、境内にも残されていた。

明治42年に、上長田・下長田の九つの神社を合祀。当神社の祭神が多いのはそのためだ。

長田神社の祭神

主祭神は事代主命、素盞鳴命。

中世は牛頭天王が祀られていたが、神仏分離でもとの祭神に戻されたということになろうか。

そして、明治42年に上長田と下長田にあった神社の合祀が行われ、沢山の神々が祭神に加わった。

加わった神々と合祀元は次の通り。(元々の祭神と被る神社もあり)

  • 大御食津神(飯守神社)>>>おおみけつのかみと読む「食物の神」
  • 仲哀天皇、神功皇后、品陀別命(八幡神社)
  • 田心姫命、湍津姫命、市杵島姫命(宗像神社)
  • 品陀別命、武内宿禰、息長帯姫命(八幡神社)
  • 火之迦具土命(愛宕神社)
  • 高龗神、闇龗神(龗神社)>>>たかおかみ・くらおかみと読む「水の神」
  • 大己貴神(国作神社)
  • 素盞嗚命 猿田彦命(荒魂神社)
  • 事代主命 天照大神 素盞嗚命(荒魂神社)

長田神社のご利益

このように多くの神々が祀れているのだから、ありとあらゆるご利益が得られると思うのだが、あえて挙げるとするならば、、、

五穀豊穣、家運隆盛・子孫繁栄、勝運、そして疫病退散であろう。

さらに、これは当地に赴かないとわからないのだが、ここは浄化のパワースポットであると断じたい。

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長田神社 参拝記録

国道303号線を湯原温泉から旭川沿いに北上する。なかなか流れの早い川だ。

古事記に登場する高天原を流れる川「天安川」は「あまのやすのかわ」と読み、これは「天の八瀬の川」であるという。多くの浅瀬がある川という意味だ。

この旭川も、あさひかわ=浅い川と言えないだろうか?

想像は膨らむのである。

旭川の堤防や山麓にはたくさんの桜の木が植えられている。今は3月上旬。まだ蕾すらない。満開になるのは4月上旬だろうか。かなり綺麗な桜並木なのだろう。

そうこうするうちに、下長田の集落に入る。

右手にローソン、左手にカンコー学生服の工場がある交差点がある。

実は、ここまでくると行きすなのだが、ここでトイレ休憩をとるのがよかろうと思う。

少し南へ引き返そう。

300mほど南下すると、田んぼの中に鳥居が立っているのが見えるだろう。

一の鳥居

国道からも良く見える鳥居。両部鳥居だ。傍らに「地神」が祀られている。

鳥居の先の正面にある森が長田神社の森。生駒郡平群の平群坐紀氏神社と似た雰囲気があると思った。

随神門

少しだけ高台に鎮座し、集落の田園を見守っているようである。

拝殿

3月上旬にしては暖かい日であったが、本来ならまだまだ寒い季節なのだろうか。拝殿には風よけのビニールシートが。少しく興ざめなのだが、、、

巨大注連縄

出雲大社風の太い注連縄に感動である。このあたりの神社の注連縄はこれがスタンダードなのだろうか。今日は時間がないので、またの機会にでも確認しよう。

拝殿の内部は絵馬殿も兼ねているようで、古い絵馬が掲げられていた。

二拝二拍手一拝。

本殿

なかなかデカい。玉垣などで近づけない神社が多いのだが、こちらは手で触れることもできるくらい。

間近で見上げると迫力感が凄いのである。

本殿脇の段差から水が流れ出ている。何箇所か。湧き水のように。雪解け水だろうか。

水が沸く場所だから神社が祭祀が行われたのだろうか。

境内社

御崎神社

本殿の真裏に鎮座するのが「御崎神社」。「童女神」が祀られているという。

童女神とは?巫女?

御崎=三前と巫女から連想するに「宗像三女神」?

いや、ミサキ信仰的な祟り神の一種?

本殿の真裏に鎮座しているところが、なんとも怪しげである。興味が絶えない。

若宮神社と若姫神社

二つ仲良く並ぶのが、若宮社神社と若姫神社。

若姫神社には、伊邪那美命が祀られ、若宮神社には伊邪那岐命が祀られているという。

さらに若宮神社には、素戔嗚命・猿田彦命・倉稲魂命・経津主命・武甕槌命・大山祇命・迦具槌命・菅原神・大歳神も合わせ祀られているらしい。

神話の神々の中にあって「菅原神」はかなり異質。と感じるのは私だけではないだろう。

真名井神社

磐座信仰の形態を今に伝える、「長田神社の元の元は真名井神社」であるという説がある。

祭神は、天忍穂耳命・天菩卑能命・天津日子根命・活津日子根命・熊野久須毘命・市杵島姫命・田心比賣命・多岐都姫命

すなわち、「天安川」を挟んで行われた天照大神と素戔嗚尊の誓約で、それぞれの持ち物を「天の真名井」の清水ですすぎ、かみ砕いて吹き出した霧から生まれた「五男三女」の神である。

蒜山三座

参拝を終え、石段を降りると目に飛び込むのがこの絶景である。このさらに左奥に大山がある。

この山脈を越えると、そこはもう伯耆国だ。

最後に

この日は、殊の外に暖かい日であった。

ところが、石段を上り随神門をくぐった瞬間、冷たい清らかな空気に変わった。

その空気を吸い込んで胸に満たし、そして全身の血管を巡らせる。何度も何度も。すると、心も体も軽くなるのがわかるだろう。

おいしい牛乳もある。温泉もある。絶景も。ちょっと遠いが、訪れる価値は十分にあると思う蒜山の長田神社であった。

最後までお読み頂き、ありがとうございました!

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