長田神社|岡山|蒜山高原は高天原?浄化のパワースポットで元気を頂こう。
長田神社は、岡山県真庭市蒜山下長田にある神社。
平安中期に制定された延喜式の神名帳に記載がある「美作国 長田神社」の比定社である。
蒜山三座の足元に広がる東西に長細い「蒜山高原」は、神話における天の国すなわち「高天原」の候補地となっている。
それもそのはず。蒜山三座を越えると、そこは因幡の白兎で有名な伯耆国。そしてその先には国譲りの舞台であるところの出雲国がある。事代主命が隠れたという美保崎もすぐそこだ。
蒜山や大山の山々から出雲国・伯耆国を見下ろし、時まさに今とばかりに武甕槌命・経津主命が率いる精鋭部隊が突撃していく。。。そんな様を想像するのは、私だけであろうか。。。
長田神社について
長田神社 概要
- 所在地 岡山県真庭市蒜山下長田1097
- 電話番号 0867-66-3524
- 主祭神 事代主命他
- 創建年 不詳
- 社格 郷社
- 公式HP なし
長田神社 アクセス
MAP
最寄り駅
- 姫新線「久世駅」→蒜山休暇村行バスに乗車→上在所下車
久世中央から上在所までの所要時間は1時間強。ただし、2時間~4時間に1本のため現実的ではない。
駐車場
- なし (神社前の道路幅が著しく広いため路駐OK)
米子自動車道の蒜山ICから15分。湯原ICからでも20分程度。
長田神社の創建
創建年代は定かではない。
延喜式神名帳に「美作國大庭郡 長田神」と記載されているということから、その編纂期である900年~920年ごろには存在していたということになる。
それ以前の記録としては、、、
三代実録に、「貞観6年(864年)8月15日に長田神に従五位上が授けられた」との記録がある。
美作百十二社記(江戸期?)にも、「従五位上の長田神社が大庭郡布施郷下長田村に座し、今は牛頭天王社という」とある。
牛頭天王を祀っていた証は、境内にも残されていた。
明治42年に、上長田・下長田の九つの神社を合祀。当神社の祭神が多いのはそのためだ。
長田神社の祭神
主祭神は事代主命、素盞鳴命。
中世は牛頭天王が祀られていたが、神仏分離でもとの祭神に戻されたということになろうか。
そして、明治42年に上長田と下長田にあった神社の合祀が行われ、沢山の神々が祭神に加わった。
加わった神々と合祀元は次の通り。(元々の祭神と被る神社もあり)
- 大御食津神(飯守神社)>>>おおみけつのかみと読む「食物の神」
- 仲哀天皇、神功皇后、品陀別命(八幡神社)
- 田心姫命、湍津姫命、市杵島姫命(宗像神社)
- 品陀別命、武内宿禰、息長帯姫命(八幡神社)
- 火之迦具土命(愛宕神社)
- 高龗神、闇龗神(龗神社)>>>たかおかみ・くらおかみと読む「水の神」
- 大己貴神(国作神社)
- 素盞嗚命 猿田彦命(荒魂神社)
- 事代主命 天照大神 素盞嗚命(荒魂神社)
長田神社のご利益
このように多くの神々が祀れているのだから、ありとあらゆるご利益が得られると思うのだが、あえて挙げるとするならば、、、
五穀豊穣、家運隆盛・子孫繁栄、勝運、そして疫病退散であろう。
さらに、これは当地に赴かないとわからないのだが、ここは浄化のパワースポットであると断じたい。
長田神社 参拝記録
国道303号線を湯原温泉から旭川沿いに北上する。なかなか流れの早い川だ。
古事記に登場する高天原を流れる川「天安川」は「あまのやすのかわ」と読み、これは「天の八瀬の川」であるという。多くの浅瀬がある川という意味だ。
この旭川も、あさひかわ=浅い川と言えないだろうか?
想像は膨らむのである。
旭川の堤防や山麓にはたくさんの桜の木が植えられている。今は3月上旬。まだ蕾すらない。満開になるのは4月上旬だろうか。かなり綺麗な桜並木なのだろう。
そうこうするうちに、下長田の集落に入る。
右手にローソン、左手にカンコー学生服の工場がある交差点がある。
実は、ここまでくると行きすなのだが、ここでトイレ休憩をとるのがよかろうと思う。
少し南へ引き返そう。
300mほど南下すると、田んぼの中に鳥居が立っているのが見えるだろう。
一の鳥居
国道からも良く見える鳥居。両部鳥居だ。傍らに「地神」が祀られている。
鳥居の先の正面にある森が長田神社の森。生駒郡平群の平群坐紀氏神社と似た雰囲気があると思った。
随神門
少しだけ高台に鎮座し、集落の田園を見守っているようである。
拝殿
3月上旬にしては暖かい日であったが、本来ならまだまだ寒い季節なのだろうか。拝殿には風よけのビニールシートが。少しく興ざめなのだが、、、
巨大注連縄
出雲大社風の太い注連縄に感動である。このあたりの神社の注連縄はこれがスタンダードなのだろうか。今日は時間がないので、またの機会にでも確認しよう。
拝殿の内部は絵馬殿も兼ねているようで、古い絵馬が掲げられていた。
二拝二拍手一拝。
本殿
なかなかデカい。玉垣などで近づけない神社が多いのだが、こちらは手で触れることもできるくらい。
間近で見上げると迫力感が凄いのである。
本殿脇の段差から水が流れ出ている。何箇所か。湧き水のように。雪解け水だろうか。
水が沸く場所だから神社が祭祀が行われたのだろうか。
境内社
御崎神社
本殿の真裏に鎮座するのが「御崎神社」。「童女神」が祀られているという。
童女神とは?巫女?
御崎=三前と巫女から連想するに「宗像三女神」?
いや、ミサキ信仰的な祟り神の一種?
本殿の真裏に鎮座しているところが、なんとも怪しげである。興味が絶えない。
若宮神社と若姫神社
二つ仲良く並ぶのが、若宮社神社と若姫神社。
若姫神社には、伊邪那美命が祀られ、若宮神社には伊邪那岐命が祀られているという。
さらに若宮神社には、素戔嗚命・猿田彦命・倉稲魂命・経津主命・武甕槌命・大山祇命・迦具槌命・菅原神・大歳神も合わせ祀られているらしい。
神話の神々の中にあって「菅原神」はかなり異質。と感じるのは私だけではないだろう。
真名井神社
磐座信仰の形態を今に伝える、「長田神社の元の元は真名井神社」であるという説がある。
祭神は、天忍穂耳命・天菩卑能命・天津日子根命・活津日子根命・熊野久須毘命・市杵島姫命・田心比賣命・多岐都姫命。
すなわち、「天安川」を挟んで行われた天照大神と素戔嗚尊の誓約で、それぞれの持ち物を「天の真名井」の清水ですすぎ、かみ砕いて吹き出した霧から生まれた「五男三女」の神である。
蒜山三座
参拝を終え、石段を降りると目に飛び込むのがこの絶景である。このさらに左奥に大山がある。
この山脈を越えると、そこはもう伯耆国だ。
最後に
この日は、殊の外に暖かい日であった。
ところが、石段を上り随神門をくぐった瞬間、冷たい清らかな空気に変わった。
その空気を吸い込んで胸に満たし、そして全身の血管を巡らせる。何度も何度も。すると、心も体も軽くなるのがわかるだろう。
おいしい牛乳もある。温泉もある。絶景も。ちょっと遠いが、訪れる価値は十分にあると思う蒜山の長田神社であった。
最後までお読み頂き、ありがとうございました!
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