淤縢山津見|おどやまつみ|加具土命の死体から化成した山の神
淤縢山津見(おどやまつみ)は、日本神話に登場する山の神である。
古事記にのみ登場し日本書紀には現れない。
「伊邪那岐命」に斬り殺された、火の神「加具土命」の死体から現れた山の神。火と山で「火山」が連想される。
淤縢山津見の概略
淤縢山津見の神名
淤縢山津見(おどやまつみ)>>>古事記
日本書紀には登場しない。
淤縢山津見の神格
諸説あるが、どれも想像の域を出ない。
成った場所から導かれる説
加具土命の頭に成った正鹿山津見神を山頂部を司る山の神としたとき、淤縢山津見は胸から成った神であることから、山腹を司る神とする説が一般的。
文字から推察する説
同じく山腹を司る神ではあるが、神名に使われている文字から解を求めた説もある。
「淤」は「泥」とか「濁った」という意味で、この場合、ドロッとした粘性の高い溶岩ではないだろうか。
「縢」は「かがる」と読み、裁ち目がほつれないようにする裁縫手法「かがり縫い」の「かがり」である。ボタンの穴の周囲をかがる。マスコット人形の周囲をかがる。などなど。。。
よって、「止める」あるいは「固める」という意味があろう。
「山津見」は、「山の神霊」という意味であるからして、山頂から噴き出したドロッとした溶岩が山肌をゆっくりと流れてきて、その流れが止まった場所の神。すなわち山腹の神。というイメージだ。
それを発展させた説
昭和新山のような、超高粘度の溶岩は流れずに上へ上へと盛り上がって固まる。そんな山を指すのかもしれない。
そうなると、盛り上がった筋骨隆々の「胸」のような山が容易に想像できる。まさに、「胸に成った神」の神名にふさわしい。
この大きな胸筋が、次に生まれる「志藝山津見」「羽山津見」へとつながるように思えてならない。
同時に生まれた山の神
古事記に登場する、斬り殺された加具土命から生まれた山の神8柱は下記の通り。
- 正鹿山津見神(まさかやまつみ)
- 淤縢山津見(おどやまつみ)★
- 奥山津見(おくやまつみ)
- 闇山津見(くらやまつみ)
- 志藝山津見(しぎやまつみ)
- 羽山津見(はやまつみ)
- 原山津見(はらやまつみ)
- 戸山津見(とやまつみ)
参考記事
古事記における、これらの8柱の神が化成する場面、すなわち加具土命が斬り殺される場面は、こちらの記事をご覧頂きたい。
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