石拆(いわさく)・根拆(ねさく)・磐筒男(いわつつのお)・磐筒女(いわつつのめ)

2018年5月1日

スポンサーリンク

石拆神(イワサク)と根拆神(ネサク)、石筒之男神(イワツツノオ)は、日本神話に登場する神で、古事記には、斬り殺された加具土神(カグツチのカミ)の血が、その刀の先から岩群に飛び散ったところから現れたと記述されている。

火の神を神剣によって斬り殺したことであわられた神々であることから、火をコントロールし利用することが可能となった人間が、農耕や戦闘に有利な鉄製品を作り出したことを象徴する神々であると推察する。

イワサク神の神名

  • 石拆神>>>古事記
  • 磐裂神>>>日本書紀

イワサク神の神格

以下、3つの捉え方ができる。

  • 岩をも切り裂くほど威力のある刀剣の神格化
  • 岩をも切り裂くほど威力のある雷神
  • 石を取り除くための農耕器具の神格化

ネサク神の神名

  • 根拆神>>>古事記
  • 根裂神>>>日本書紀

ネサク神の神格

おなじく、3つの捉え方がある。

  • 根を断ち切るほどの威力を持つ刀剣が神格化
  • 根を断ち切るほどの威力を持つ雷神
  • 根を取り除くための農耕器具が神格化

イワツツノオ神・イワツツノメ神の神名

  • 石筒之男神>>>古事記
  • 磐筒男神>>>日本書記
  • 磐筒女神>>>日本書記にしか登場しない

神名の解釈は以下の説がある。

  • いわ・つつ・お(め)= 岩・の神霊・男(女)= 岩の男神(女神)
  • いわ・つち・お(め)= 岩・鎚・男(女)= 石鎚の男神(女神)
  • いわ・つち・お(め)= 岩・土・男(女)= 石を砕いて土に変える男神(女神)

イワツツノオ・イワツツノメの神格

神名の解釈の通りだが、、、

  • 岩の神
  • 土の神
  • 鉄器製造としての石鎚の神
  • 農機具としての石鎚の神

鉄を採取するために、鉄を含有する岩を石鎚で砕く工程があるらしい。

イワサク神・ネサク神・イワツツノオ神・イワツツノメ神のご利益

  • 「農業守護」。特に「開墾」に神力を発揮する。新規で農園を始める人の力になってくれるはずだ。
  • 生命のシンボルともいえる血液、しかも「火の神」の血液から現れた神々であるからして、「生命力」「情熱」を満々と湛えた神であるはず。ここに期待せずしてなんとしようか。
  • 刀剣の神とするならば、「剣術上達」のご利益もいただけないはずがない。
  • 鉄器製造に係る神々であることから、「鉱業守護」の側面を持つだろう。
  • そして、この2組の対をなる神々は夫婦神。よって「縁結び」のご利益もいただけるのだ。

イワサク神・ネサク神・イワツツノオ神・イワツツノメ神の系譜

イワサク・ネサクを中心に描くと、このような系譜となろう。

  • 父(?)>>>加具土命の血液
  • 母(?)>>>十握剣
  • 夫妻>>>石拆神・根拆神
  • 子神夫婦>>>磐筒男神・磐筒女神
  • 孫>>>経津主神

父と母はなんとも決め難いのだが、加具土命が男神なので父とした。

石拆神・根拆神が夫婦であることと、磐筒男神・磐筒女神が夫婦であることは、日本書紀・第五段一書・七、および第九段本文による。

スポンサーリンク

石拆神・根拆神が登場する神話

古事記より

▼古事記に登場するシーンは、こちらをご覧いただきたいのだが、、、

抜粋すると、、、

伊邪那美命を葬り終えるやいなや、伊邪那岐命は佩いていた十拳の剣を抜いて、迦具土神の首を切り落とした。

その刀の前の方から湯津石村に飛び散った血から現れた神々の名が、石拆(いわさく)の神、次に根拆(ねさく)の神、そして石筒之男(いわつつのお)の神の三柱の神です。

ところが日本書記では、次のような記述となっている。

第五段一書 <七>

別の書物によると……

伊弉諾尊は刀を抜いて、軻遇突智を三段に斬りました。その1段は雷神になり、次の1段は大山祇神、最後の1段で高龗が成りました。

そして、軻遇突智を斬った血が、激しく飛び散って、天八十河(あまのやそがわ)にある500個の磐石を染めて、そこに神が成りました。

  • その神の名は磐裂神 (イワサク)
  • 次に生まれたのが根裂神(ネサク)
  • その子が磐筒男神 (イワツツオ)
  • 次に生まれたのが磐筒女神 (イワツツメ)
  • その子が経津主神(フツヌシ)といいます。

古事記には登場しない磐筒女神が、ここに登場する。

そして、剣の先から飛び散った血の系譜に経津主神がいることに注目である。

なぜなら、とかく経津主神と対の立ち位置にいる武甕槌神は、剣の根元から飛び散った血の系譜にいるからである。

第九段本文「葦原中国平定」

葦原中国平定(国譲り)で、最終手段として「経津主神・武甕槌神」を派遣する場面

高皇産霊尊は諸神を集めて、葦原中国に遣わす者を選ぶことにしました。

皆が言うには、「磐裂・根裂神の子である磐筒男・磐筒女に生まれた経津主神がいいでしょう。」ということでした。

ここで、磐裂と根裂が夫婦であること、磐筒男と磐筒女が夫婦であることが、発表されるのだ。

イワサク・ネサクが祀られる神社

当ブログには、この両神が祀られる神社はない。申し訳ない。下記にイワサクもしくはネサクを祀る神社を列記しておく。

  • 加蘇山神社(栃木県鹿沼市)
  • 赤星神社(愛知県江南市)
  • 御逗子神社(奈良県橿原市)
  • 磐坂神社(島根県松江市)
  • 佐久神社(山梨県笛吹市)

スポンサーリンク