日前神宮・國懸神宮|和歌山|伊勢と並び称される日前宮。ご利益は『良縁・結婚』。

2016年4月20日

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日前宮は、和歌山市秋月にある神社。延喜式神名帳に記載される式内社の名神大社に列する霊験あらたかな古社である。その後も二十二社に列し、紀ノ國一之宮でもある。近代においては官幣大社、現在は別表神社に名を連ねるという、国内屈指の大社である。

ここは、非常に珍しい神社で、一つの境内に二つの本宮が同列で配置されている。それが、日前神宮(ひのくま)・國懸神宮(くにかかす)の二社だ。そして、この二社を総称して日前宮(にちぜんぐう)と称されるのである。

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日前宮について

日前宮 概要

  • 所在地  和歌山県和歌山市秋月365
  • 電話番号  073-473-3730
  • 主祭神  日前大神 国懸大神
  • 創建年  神武天皇7年(伝)
  • 社格   式内社(名神大社)二十二社 紀ノ國一之宮 旧官幣大社
  • ご利益  縁結び 学業向上 病気平癒
  • 公式HP   http://hinokuma-jingu.com/

日前宮アクセス

MAP

最寄り駅

  • 和歌山電鉄 貴志川線 日前宮駅 下車徒歩1分

駐車場

  • あり。無料。

日前神宮の祭神

日前神宮の主祭神は「日前大神」。相殿に「思兼命」と「石凝姥命」を祀る。

日前大神(ひのくまのおおかみ)

天の岩戸隠れの神話で「八咫鏡」を作る際に、それに先だって作られた鏡「日像鏡」をご神体とする神。

元々は穀倉地帯に祀られた「水の神」もしくは「農耕の神」であったものが、紀の川河口(大和から見て西の玄関)という立地により朝廷を守護する神としての役割が与えられたため、「農耕の神」から皇祖神「天照大神の前霊」という性格に変更されたのではないかという説がある。

いずれにしても、今となっては天照大神の別名と考えてよかろうと思う。

思兼命(おもいかねのみこと)

高御産巣日神の御子神。

天の岩戸隠れの解決策を考えたり、国譲りの作戦を考えたり。高天原一の知恵者である。八咫鏡を作らせたのも、この思兼命である。

このようなことから、天照大御神の信頼厚く、何か事があると必ず思兼命に相談するのである。

さらに天孫降臨の際には「五伴緒」とは別に、瓊瓊杵尊に随伴する命を賜った三柱の神の内の一柱で、政治を主宰することを任された神である。

石凝姥命(いしごりどめのみこと)

天の岩戸隠れで使用した八咫鏡を造った神。もちろん、当宮の「日像鏡」を作ったのも石凝姥命だろう。

天孫瓊瓊杵尊の降臨の際には「五伴緒」の一柱として選出された神である。

国懸神宮の祭神

一方、國懸神宮の主祭神は「國懸大神」。相殿神として、「玉祖命」「明立天御影命」「鈿女命」を祀る。

國懸大神(くにかかすのおおかみ)

國懸大神は、日前大神よりももっと謎の神。

こちらも八咫鏡に先駆けて作られた鏡であるところの、「日矛鏡」(ひぼこのかがみ)を神体とする神なのだが、、、

おそらく元々は、紀国の土地の神だったと思われる。紀国の大国魂神のイメージだ。となれば、、、五十猛命となろうか。最も自然な発想ではある。

玉祖命(たまのおやのみこと)

玉祖命は、岩戸隠れの際に八尺瓊勾玉を作った神。後に三種の神器の一つとなる勾玉だ。

天孫瓊瓊杵尊の降臨の際に「五伴緒」の一柱として選出された神である。

明立天御影命(あきたつあめのみかげのみこと)

明立天御影命は、天目一箇神の亦の名である。さらには天津麻羅とも同一神だという。

石凝姥命とともに八咫鏡を鋳造した「鍛冶の神」

鈿女命(うずめのみこと)

鈿女命は、一般的には「天鈿女命」「天宇受賣命」と表記される。

岩戸隠れの神話によると、、、

神懸りした「天鈿女命」が、伏せて置かれた桶を舞台として、陰部を見せんばかりに裸で踊ったため、神々が大爆笑。何だろうと思った天照大御神が岩戸を開けて顔を出した瞬間に引っ張り出された。

と描かれている。

このように物怖じしない性格の女神であることから、強い=「おず」で「おずめ」。これが訛って「うずめ」になったとか。

こちらも、天孫瓊瓊杵尊の降臨の際には「五伴緒」の一柱として選出された神である。

日前神宮・国懸神宮の創建

社伝によると、

神武天皇2年(西暦BC659年)、紀氏の祖神である天道根命(あめのみちねのみこと)が、天皇より日像鏡・日矛鏡を賜り、日像鏡を日前宮のご神体として、日矛鏡を國懸宮の神体として、名草郡毛見の地に、それぞれを祀ったのが始まり。垂仁天皇16年(西暦BC14年)に、現社地(秋月)に遷座した。

と伝えられる。

毛見とは紀三井寺から海南へ抜けるトンネルのあたり。旧鎮座地は濱宮はまのみやとして残っている。

ちなみに、日前宮が遷座してくるまで当地(秋月)には、須佐之男尊の御子で紀ノ國紀氏の始祖とも言われる五十猛命いたけるのみことを祀る伊太祈曽神社いたきそじんじゃがあったのだが、奥地へ遷座させられたという。

日前宮のご利益

ご神徳は、

  • 人々に活力を与え、
  • 良縁を結び、
  • 結婚の徳を授け、
  • 家内安全を約束していただける、

とのことだ。

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