菖蒲池(あやめ池)神社|奈良|日本最古のダム湖の守護神

2020年7月10日

菖蒲池神社は、奈良市あやめ池南にある蛙股池の、突き出た半島の先端に鎮座する。

綾女橋が架かるその姿は、まるで浮島のように美しい光景である。

工事中の白シートが目障りではあるが、、、

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菖蒲池神社について

菖蒲池神社の創建

『日本書紀』巻第二十二推古天皇15年(607年)の条に、

「是の歳の冬に、倭国に高市池・藤原池・肩岡池・菅原池を作る」

とある。

その菅原池が現在の蛙股池で、その守護神として弁財天が祀られたのが創祇という。

菖蒲池神社の祭神

市杵嶋姫命(弁財天)、野見宿禰命、菅原道真公を祀る。

市杵嶋姫命

そもそもは仏教の神である弁財天が祀られていたが、明治の神仏分離の影響で市杵嶋姫命に神名変更したもの。

市杵嶋姫命は、本来は航海安全の神として玄界灘や瀬戸内海に祀られる海の神であるが、本地垂迹説により弁財天と習合した。

当社はもともと弁財天が祀られる弁天社だったが、幕末から明治にかけての神仏分離・廃仏毀釈の影響で、弁財天から市杵嶋姫命に神名を変えたということになろう。

弁財天は、弁才の神、音楽の神、財福の神、知恵の神、延寿の神というご神徳を持つという。口八丁手八丁でお金持ちになれるということか。。。

野見宿禰命

菅原氏の遠祖。11代垂仁天皇の御代に、天皇などの崩御に際して殉死する慣習をやめて、そのかわりにに埴輪を埋めることを提案した人。

その功績により土師氏という姓を賜り、古墳造営や葬儀一切を取り仕切る氏族となった。古墳時代には、河内の土師ノ里を本拠とし、百舌鳥・古市の古墳を造営した。

奈良時代になると、土師氏は奈良市菅原町あたりに本拠を移した。古墳時代の終焉を迎えた土師氏は、道真公の曾祖父である土師古人が改姓を願い出て菅原氏に改姓したという。

菅原道真公

全国の天満宮に祀られる、平安時代の政治家。右近衛大将と右大臣を務めた。

このように、当時の政界ナンバー2まで上り詰めたわけだが、当然のことながら周囲の貴族たちには嫉妬や嫉みがあっただろう。

左大臣だった藤原時平の讒言によって、道真公は太宰権帥(太宰府の副長官)に左遷される。そして、そのわずか2年後、太宰府にて死去。

死去の直前、天拝山で無実の罪を天に訴えたところ「天満大自在天神」と書かれたお札が降ってきたという。(これが天満宮の由来。)

道真公死去のあと様々な厄災が宮中に起こった。

清涼殿への落雷で多くの死傷者が出たり、左遷を決めた醍醐天皇が病死したり、道真公の後任の右近衛大将が謎の死を遂げたり、讒言した時平が急死したり、道真公の後任の従二位の源光が鷹狩中に行方不明になったり、、、

これらの厄災は道真公の祟りであろう判断した朝廷は、祟り鎮めのために道真公を神として祀ることにした、それが天満宮であり天神信仰の始まりなのである。

奈良市菅原町に菅原天満宮がある。道真公の母親が出産の為に、平安京から当地に帰って道真公を生んだと伝わる。

菖蒲池神社は、その菅原天満宮の境外摂社となっていることも付け加えておこう。

菖蒲池神社のご利益

繰り返しになるが、弁財天のご神徳により、弁才上達、芸能上達、金運向上、学力向上、延命長寿のご利益を頂ける。

野見宿禰命からは、スポーツ向上のご利益を頂こうではないか。というのも、野見宿禰は相撲が強かったのだ。

道真公からは、言うまでも無かろうが学力向上・合格成就のご利益を頂かなければならない。付け加えて、こちらもスポーツ向上のご利益が期待できる。実は道真公は弓矢の名手だったのだ。

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菖蒲池神社 参拝記録

阪奈道路の奈良側の終点である宝来から北へ、すなわち、あやめ池方面へと進む。

途中、三輪神社のある三叉路を左へ進もう。

しばらくすると、目の前に大きな土手の壁が現れる。

この土手の向こうに池があるとは誰も思わないだろう。

この土手が推古天皇の御代に築かれた堤防で、これで水をせき止めて菅原池を造ったものと想像する。

菅原池の現在の名称は「蛙股池」。池の形が蛙股に似ているため。

蛙股池

黄色で囲った部分が、先ほどの土手(堤防)。ここを塞いでダム池を造ったようで、これが日本史上初のダム湖となる。

ちなみに、蛙股とは、、、

神社やお寺でよく見かけるやつだ。似ていると言えば似ている。

これが、神社から土手方面を見た画像だ。

堤防の向こうに山の頂上部だけが見える。それほど高い堤防だということが言えよう。

さてと、

この堤防を通って、神社前まで車で行くこともできるが、2020年6月6日現在、神社まであと50mという所で工事をしているため通行止めとなっていたのでご注意いただきたい。

路駐が出来るような道幅ではないし、幼稚園があるため、路駐は憚られる。やむなく引き返し、あやめ池駅周辺のパーキングに停めることとなった。

綾女新橋

しかし、いいこともある。

あやめ池駅方面からだと、この綾女新橋を通ることになるからだ。

池にはゴミなど一切浮かんでない。とてもきれいな池だ。

気持ちの良い風に吹かれながら橋を渡るのも悪くはないのである。

ちなみに、昭和4年から昭和23年まで「あやめ池温泉場」が綾女新橋を渡る手前にあったという。大きな大きな洋館だったとのこと。

今のライオンズマンションあやめ池南やローレルハイツあやめ池などのマンションが建っている場所だ。

境内全景

こんな感じ。コンパクトにまとまったいい感じの境内である。

一の鳥居

池に向けて建てられた鳥居と神殿。

拝殿

簡素ながらも綺麗な拝殿。

床もピカピカ。

二拝二拍手一拝。

本殿

塗り替え工事が終わったばっかりか。目が覚めるような朱色。千木と枕木がない。

ご神木

床からニョキっと出たご神木。

福寿弁財天

祭神を市杵嶋姫に変更したからなのかどうかわからないが、弁財天を祀るための石が安置されていた。

御真言:オン・ソラソバテイエイ・ソワカを唱えると、金運が上がるとか。

光の道

神社の右横から池沿いに道がある。こんな感じだ。少し奥へ歩いて行ったが、延々と続くようなので引き返した。

気持ちの良い路なので、時間があれば歩いてみたいと思う。

駐車スペース?

前述の工事が終われば、神社前まで車で来ることができる。その時は、このあたりに停めるといいかもしれない。

菖蒲池神社 概要

  • 所在地  奈良県奈良市あやめ池南9丁目
  • 電話番号  
  • 主祭神  市杵嶋姫命(弁財天)、野見宿禰命、菅原道真公
  • 創建年    不詳
  • 社格   
  • 公式HP   なし

菖蒲池神社のアクセス

MAP

最寄り駅

  • 近鉄奈良線「あやめ池駅」徒歩6分

駐車場

  • なし