橿原神宮|奈良|日本建国の神武天皇を祀る。癒しパワーが積極的かつ楽観的にしてくれる!
奈良県橿原市。奈良盆地の最南に聳える畝傍山の麓に鎮座する「橿原神宮」。創建時から旧官幣大社を冠する大社で、奈良県の初詣客動員数は北の春日大社に次いで2位である。
大和三山のひとつである「畝傍山」を背景とし、広大な敷地に贅沢に配置された拝殿や本殿などの建造物と相まって、ゆったりとした時が流れる、まさに異空間となっている。
境内の北には神武天皇陵がある。合わせて参拝したいところだ。
橿原神宮について
橿原神宮の創建
もともとこの地は、神武天皇の宮(畝傍橿原宮)があったとされる。万世一系の日本にとって初の王宮の地ということにあろう。
明治維新以降の王政復古政策の一環ともとれるが、、、神武天皇を祀る神社の創建を求めた民間有志の請願に感銘を受けた明治天皇により、1890年(明治23年)4月2日に官幣大社として創建された。
近代に創建された「神宮」としては、ほかに「平安神宮」や「明治神宮」がある。
平安神宮は、平安京を創設した「桓武天皇」と最後の天皇「孝明天皇」を祀っており、明治神宮は大正の創建で、祭神はもちろん「明治天皇」と「皇后」である。
橿原神宮の祭神
祭神は、大和朝廷「初代の天皇」とされている「神武天皇」。
そして、その皇后である「媛蹈韛五十鈴媛命」。大物主大神の娘である。
神武天皇
神武天皇、古事記では「神倭伊波礼毘古命」。諱は「彦火火出見」。幼名は「狭野尊」。
正式名称は「神日本磐余彦火火出見天皇」となる。
他にも様々な史書の中で、様々な呼び名で登場するが、ここでは割愛する。
神武の系譜
曾祖父:瓊瓊杵尊・・・天照大御神の孫。
曾祖母:木花咲耶姫命・・・山の神「大山積神」の娘。
祖父:火遠理命・・・上記の子
祖母:豊玉姫・・・海の神「大綿津見神」の娘
父:鸕鶿草葺不合命・・・火遠理命(山幸彦)と豊玉姫の子
母:玉依姫命・・・豊玉姫の妹。すなわち海の神「大綿津見神」の娘。
天照大神の血統に、山の神の血統と、海の神の血統が合わさったわけだ。有力氏族が他の有力氏族と姻戚関係を結ぶことで勢力の拡大を図った様子を表しているように見える。
神武東征 概略
少し長くなるが、橿原神宮を参拝するにあたり、「神武東征」については知っておいて頂きたいと思う。しかし、めんどくさいと思う方、あるいは、既に知っているという方がほとんどだろう。すっ飛ばして頂いて一向にかまわない。
▼読んでやってもいいと思われる方は、コチラから!
神武は実在していたかったのでは?真の建国者は饒速日尊なのでは?饒速日尊はその時すでに死んでいて「宇摩志麻遅命」の代だったのでは?などという愚問は、橿原神宮では言いっこなしなのである。
そんなこたあ、誰にもわからないことなのだから。。。
橿原神宮のご利益
先の神話をまとめると、、、
日向国の王子が、一大決心をして行動に移る。周囲の特に祖神の助けをもらいながら、幾多の困難を乗り越えて、最後には勝利し、日本の頂点に立つ。
おのずと、ご利益が見えてくるではないか。
決断力や行動力の向上、厄除け、勝負運、出世運、縁結び。
橿原神宮 参拝記録
2つの最寄り駅
橿原神宮の最寄り駅は2駅ある。いずれも近鉄線の駅なのだが、
近鉄南大阪線の橿原神宮西口駅
橿原神宮の境内に最も近く、そして境内の見どころを効率的に訪れるには最適なルートである。但し、住宅地にある小さな駅であるから、商業施設は何もない。
西鳥居から神域へ入り、「神饌田」「深田池」を右に見ながら西参道を進む。「長山稲荷社」に参拝してから、「南手水舎」地点で表参道に合流する。
駅のホームから西鳥居まで100m。南神門まで550m。
近鉄橿原線・南大阪線の橿原神宮駅。
橿原神宮へは、こちらの駅を利用するのがポピュラーであろう。駅前には賑やかさはないが飲食店などもある。
駅のホームから第一鳥居まで600m。南神門まで900m。
第一鳥居
これが表参道の第一鳥居である。この鳥居を境にして気が変わる。一歩入ると、全身の血管が膨張する感覚に襲われるのである。高圧電線の真下に立った感じである。しばらくすると、それは治まるのだが。
神橋
第二鳥居の手前に架かる橋「神橋」である。この下を宮川が流れているのだが、この川はいただけない。流れが無く淀んでいる。
第二鳥居
正月には、この表参道の両側に露店が出る。
一昨年の元日、ちょうどこの辺りにあった「手相占い」で占ってもらった。会社を辞めて独立するかしないかと悩んでいた時である。占いの結果は「独立は、やめておきなさい」であった。
それから半年後に、ヘッドハンティング的な転職話が舞い込んできた。結構ないい条件である。
しかし、心のどこかに占いの結果が残っていたのだろう。私はお断り申し上げた。
その3ヶ月後に、その会社は倒産。危機一髪で助かったのである。。。
というようなことを思い出しながら、第二鳥居をくぐる。
またここで、気の変化を感じる。明るく元気な気である。心がひとりでに盛り上がってくるような、底抜けに明るい気。
南手水舎
水口のない手水舎である。
ここで、一般参拝者は身を清めるのである。
浄化のパワースポット 祓戸
表参道のドン突きに「祓戸」がある。神事に臨む神職さんたちが心身を祓い清める場所である。
中央の奥に植えられている神木は「樫」である。神社によって、杉であったり楠であったりするらしい。
と、ここの左手に大きな池が見える。
深田池エリア
癒しのパワースポット 深田池
境内の南端になろうか。非常に明るく風通しのよい池である。美しい水面には、たくさんの水鳥が浮かんでいる。
桜の季節には少し早いが、この桜の木だけは満開に近い。この桜は、長山稲荷社へと続く参道の入り口に植えられており、他の桜よりも大きく成長し、いかにも元気がよさそうだ。これはイヤシロチの特徴である。
畝傍山から長山稲荷社を通って、この元気な桜にパワーが到達しているように感じた。
長山稲荷社
さあ、元気な桜の前にある朱の鳥居である。ここから、何十本かの鳥居をくぐり参道を登ったところに「長山稲荷社」が、ひっそりと鎮座しているのだ。
参道横の苔むした山肌が悠久の刻の流れを感じさせてくれる。
明治創建時に新たに造られた神宮エリアとは違い、こちら側は畝傍山の長く伸びた山裾らしく、古代の雰囲気を味わうことが出来る。
長山稲荷の社殿
こちらが長山稲荷社である。朱色の社が美しい。宇迦能御魂神、豊宇気神、大宮能売神を祀っている。
- 宇迦能御魂神・・・五穀豊穣の神。伏見稲荷大社をはじめ、全国の稲荷神社の主祭神である。
- 豊宇気神・・・食物を司る神。伊勢の外宮「豊受皇大神」と同一神であろう。
- 大宮能売神・・・調和の神。転じて接客業の守護神として信仰されている。宇迦能御魂神の配神として祀られることが多い。
なんとも表現しにくいが、
神前に立つと感じるのが冷気。そして自然と背筋が伸びる。
二礼二拍手。柏手を打つと、思ったよりも大きく響き渡る。
天津祝詞奏上。右手より風が吹く。体が前後に大きく揺れる。
さあ、この感じ。何と表現するべきか。
橿原神宮がこの地に創建される以前から、地主神として祀られていた祠とされるが、往時の祭神は、この三柱の神ではないような気がする。根拠はないが。。。
長山稲荷社の参拝を終え、祓戸まで戻る。いよいよ、本殿へ向かうことにする。
本殿エリア
外拝殿前の広場
重厚な神門をくぐると、この景色が広がる。画像左手に見えるのが外拝殿(げはいでん)。その背景に見えるのが畝傍山である。
外拝殿前の広い広い空間を歩くと、実に気持ちがいい。リラックスできる。嫌なことも忘れさせてくれる。癒されるのである。
▲この景色が、ことあるごとに思いだされる。頭にスパンと入り込んでくるような。現在、私のスマホの壁紙となっている画像である。これを見ていると、なんとなく、力が湧いてくるのである。
内拝殿・本殿
外拝殿から奥に見えるのが「内拝殿」である。この内拝殿のさらに奥に「弊殿」があり、さらに奥に「本殿」がある。
内拝殿の屋根の向こうにちらっと見える千木は、弊殿の千木である。橿原神宮に限っては、「弊殿」が千木や鰹木が設置された神殿造りなっており、「本殿」は神殿造りではなく御殿造りなのである。
弊殿の屋根 千木と鰹木
平素は内拝殿まで進むことはできないが、正月は進むことが出来る。
かつて、元日の午前0時に参拝したことがあるが、この内拝殿前を先頭に南神門を出たところまで行列が伸びていた。ぞっとする光景であった。
休憩所で善哉やうどんを頬張りながら行列がなくなるのを待ったものだ。
とりもなおさず、まずは参拝しよう。
二礼二拍手一礼。癒し系の気を感じる。そこに「親しみやすさ」が含まれている。
最後に
橿原神宮全体に流れる空気感の根底には、「フレンドリー」が存在しているのである。
トイレを借りた橿原神宮結婚式場「養正殿」の受付の方、祓戸について教えてくれた神職の方、内拝殿の写真を撮影しようとしたとき作業を中断してくれた若い神職の方、作業着を着た職人さんなど、接した人たち全員がフレンドリーで笑顔が素晴らしかった。
きっと、神宮が持つフレンドリーなパワーがそこにいる人たちをフレンドリーにさせるのでろう。そして私たち参拝者を癒す「橿原神宮の総合力」となっているのだろう。
神社としての歴史は浅いが、日本が始まった場所であり、神聖なる畝傍山がそびえる場所である。強く参拝をお勧めする神社の1つである。
それでは、畝山北麓にある「神武天皇陵」に向かおう!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
橿原神宮 概要
- 所在地 〒634-8550 奈良県橿原市久米町934
- 電話番号 0744-22-3271
- 主祭神 神武天皇・媛蹈鞴五十鈴媛命
- 創建年 明治23年(1890年)
- 社格 官幣大社・勅祭社・別表神社
- 公式HP http://www.kashiharajingu.or.jp/
橿原神宮 アクセス
MAP
最寄り駅
- 近鉄橿原線・南大阪線「橿原神宮前駅」
徒歩で一鳥居まで600m、南神門まで900m
- 近鉄南大阪線「橿原神宮西口前」(急行以上は通過)
徒歩で西鳥居まで100m、南神門まで600m
駐車場
- あり(有料)
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