十種神宝(とくさのかんだから)概要

「古事記」「日本書紀」と並ぶ史書「先代旧事本紀」に、天璽瑞宝十種(あまつしるし・みずたから・とくさ)と称されて登場する、霊力を宿した十種類の宝のことである。

石上神宮の主祭神とされている。しかし、記紀には詳細な記載は無い

饒速日尊が天磐船で降臨する際、天神御祖から授けられたとしている

国家の隆盛も滅亡も操作できるほどの霊力が備わった神器である。これを授けられた者こそが、正統なる王位継承者でなのであると考えられる。

十種神宝の内容

十種類の宝とは、以下の通り。

沖津鏡(おきつかがみ)

辺津鏡(へつかがみ)

八握剣(やつかのつるぎ)

生玉(いくたま)

足玉(たるたま)

死返玉(まかるかへしのたま)

道返玉(ちかへしのたま)

蛇比礼(へびのひれ)

蜂比礼(はちのひれ)

品々物之比礼(くさぐさのもののひれ)

十種神宝の効力

十種神宝の使い方や効力を、下記にまとめておく。とはいうが、詳細は伝わっておらず、想像の域を出ない。

沖津鏡

高い所に置く鏡。太陽の分霊とも言われる。裏面には掟が彫られている、いわば道しるべ。

辺津鏡

いつも周辺に置く鏡。顔を映して生気・邪気にお判断を行う。フツと息を吹きかけて磨くことが、自己の研鑽につながる。

八握剣

国家の安泰を願うための神剣。悪霊を祓うことができる。

生玉

願いを神に託したり、神の言葉を受け取ったりするとき、この玉を持つ。神の言葉が心で聞ける。神と人をつなぐ神人合一のための光の玉。

足玉

全ての願いをかなえる玉。この玉を左手に載せ、右手に八握剣を持ち、国家の繁栄を願う。

死返玉

死者を蘇らせることができる玉。左胸の上に置き、手をかざして呪文を唱え由良由良と回す。

道返玉

ヘソ上一寸のところに置き、手をかざしながら呪文を唱える。悪霊封じ・悪霊退散。

蛇比礼

魔除けの布。もともとは、古代鑪製鉄の神事で、溶鋼から下半身を守るための前掛け。のちに、地から這い出して来る邪霊から身を守るための神器となった。毒蛇に遭遇したときにも使用する。

蜂比礼

魔除けの布。振ったり身を隠したりして、天空からの邪霊から身を守る。または、邪霊や不浄なものの上にかぶせて魔を封じ込める。

品々物之比礼

物部の比礼。ここに物を置くと品々が清められる。死人や病人をこの比礼を敷いて寝かせて、死返玉により蘇生術を施す。また魔物から、大切な品々を隠すときにも使う。

詳細は伝わっていないと申し上げたが、大阪市平野区喜連に鎮座する「式内楯原神社」には十種神宝の現物が祀られているという。その真偽は定かではないが、こちらの由来書には「石上神宮から返還要求があったが断った」と記述されている。

式内楯原神社の記事はこちら!
 式内楯原神社|この神社には十種神宝が現存するという。起死回生のパワースポットを参拝しよう!
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十種祓詞とひふみ祓詞

十種神宝祓詞

 高天原に神留り坐す、皇吾親神漏岐神漏美の命以ちて、皇神等の鋳顕はし給ふ十種の瑞寶を、饒速日尊に授け給ひ、天津御祖神は言誨へ詔り給はく、「汝命、この瑞寶を以ちて、豊葦原の中國に天降り坐して、御倉棚に鎮め置きて、蒼生の疾病の事あらば、この十種の瑞寶を以ちて、一二三四五六七八九十と唱へつつ、布瑠部、由良由良と布瑠部。かく為しては死人も生返らむ」と言誨へ詔り給ひし随まに、饒速日尊は天磐船に乗りて、河内國の河上の哮峯に天降り坐し給ひしを、その後、大和國山辺郡布瑠の高庭なる石上神宮に遷し鎮め斎き奉り、代代、そが瑞寶の御教言を蒼生の為に布瑠部の神辞と仕へ奉れり。

「故この瑞寶とは、瀛津鏡、辺津鏡、八握剣、生玉、足玉、死返玉、道返玉、蛇比礼、蜂比礼、品品物比礼の十種を、布瑠御魂神と尊み敬まひ斎き奉る事の由を、平けく安らけく聞こし食して、蒼生の上に罹れる災害および諸諸の疾病をも、布瑠比除け祓ひ遣り給ひ、寿命長く五十橿八桑枝の如く立栄へしめ、常磐に堅磐に守り幸へ給へ」と、恐み恐みも白す

これは、十種祓詞である。ここには、十種神宝の由緒と効力並びに使用方法が記されている

要約すると、

天津御祖神が饒速日尊に授ける際に、「この神宝を持って天降りなさい。もし病が流行したならば、これを振り鳴らしながら一二三四五六七八九十と唱えなさい。そうすれば、死人も蘇るぞよ」と言った。

饒速日尊は天降り、河内國の河上の哮峯に一時滞在したのち、布留の高庭に移って、神宝を鎮め祀った。

ということであろう。

布瑠の言(ふるのこと)

十種祓詞に出てくる「一二三四五六七八九十と唱えなさい」が、「布瑠の言」などとして伝承されているようだ。

ひふみよ いむなや こと ふるべ ゆらゆらと ふるべ

これを唱えることで、十種神宝の霊力を呼び覚まし、死者を蘇らせることができるとされている。

「ひふみ・・・こと」は十種神宝を表し、「ふるべ」は、神宝を振る様を表し、「ゆらゆらと」は玉が鳴り響く様を表しているという。

私には、ちょっとイメージしにくいのだが。。。

ひふみ祓詞

ひふみよ いむなや こともちろらね しきる ゆゐつわぬ そをたはくめか うおゑに さりへて のます あせえほれけ

清音47音で構成されている。

これを唱えることで、神霊を鎮め、すべての災いを払い、幸福に変えることができるという。すなわち、鎮魂・厄除・招福の言霊パワーと言えよう。

もし日常的に奏上するとなれば、この「ひふみ祓詞」がよいのではないかと、個人的には思うのだが。

十種神宝と、王家の系譜

さて、冒頭において、十種神宝は正統なる王家継承者の証しであることを述べた。

では、そもそもは誰が誰に授けたのか。「先代旧事本紀」によると、「天神御祖から饒速日尊に授けられた」とあるが。。。

素戔嗚尊から大国主命に授けられた?

古事記には、「スサノオから大国主命に授けられた」とある。と言えば言い過ぎだが、そうと言えるような記載があるのである。

スサノオから与えられた試練から逃れるために、スセリ姫が大国主に渡す秘密の道具の名を思い出していただきたい。蛇の部屋では「蛇比礼」、蜂の部屋では「蜂比礼」。(詳細は割愛させていただく。)

つまり、その時点では、十種神宝はスサノオが所持してた。娘のスセリ姫が恋人の大国主を助けるために、こっそり持ち出した。と読めるのである。

そして大国主がスセリ姫を連れて駆け落ちする場面で、スサノオは二人の結婚を認めるわけなのだ。持ちだした十種神宝の譲渡も含めて、認めたと読めるのである。。。

となると、先代旧事本紀の天神御祖と饒速日尊は、古事記のスサノオと大国主に相当することになる。たしかにスサノオは天神である。天神でありながら国津神の親玉でもある。天神御祖とも言えないこともない。饒速日尊は神武に国を譲った。大国主はアマテラスに国を譲った。しかし、出雲風土記にはオオクニヌシという神の記述が一切ない。

単なる無知な私の妄想なのだが、、、

古事記、日本書紀の編纂者である藤原不比等は、この正統なる王家継承者の証しである「十種神宝」の存在を隠している節がある。須佐之男尊・大国主命あるいは、饒速日尊が所持していたという事実は、時の権力者にとって極めて都合が悪いからである。しかし、このように部分的にではあるが記述しているのである。

超天才の不比等が、これを見逃すとは思えない。となると意図的に盛り込んだと考えられる。なんのために?今となっては、謎である。

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