堀川戎神社|西天満|三大戎に数えられる古社で商売繁盛を祈願しよう!

2018年6月15日

堀川戎神社は、大阪市北区西天満に鎮座する神社。

西宮戎・今宮戎に並んで三大戎に数えらる、霊験あらたかな戎社である。

と言いたいところだが、残念ながら京都の恵比須神社が代わりに入ってしまう場合があり、微妙な地位にある。

いずれにしても全国に3000社以上ある戎神社の中にあって、3位か4位という地位にあるのだから、我ら大阪商人としては誇るべきであろう。

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堀川戎神社について

堀川戎神社の概要

  • 所在地   大阪市北区西天満5丁目4番17号
  • 電話番号    06-6311-8626
  • 主祭神     蛭児大神。配神として少彦名命・天太玉命
  • 創建年      欽明天皇
  • 社格   村社
  • 公式HP     http://www.horikawa-ebisu.or.jp/

堀川戎神社 アクセス

MAP

最寄り駅

地下鉄「南森町駅」徒歩6分

駐車場  

  • なし

堀川戎神社の祭神

主祭神は蛭児大神。配神として少彦名命・天太玉命を祀っている。

蛭児大神(えびすのおおかみ)

「えびす神」という神は少しくややこしいのである。

今、全国のえびす神の正体は、およそ蛭子(ひるこ)神と事代主神に2分されている。

そもそも「えびす神」とは、、、

そもそもの「えびす神とは、自然信仰・民間信仰における海の神・漁業の神・寄り神。クジラやイルカあるいはジンベイザメなどを「えびす」と呼ぶ地域も多い。

  • クジラなどの大型海洋生物が現れると大漁となる。
  • 浜にクジラが漂着すると、その肉や皮や油などで副収入を得ることができる。

などなど、昔の漁師たちにとってクジラは神様のような存在だったのだ。

えびす神と神話の神との融合、、、

さて、古事記や日本書紀が編纂された後のこと。自然信仰における神々に対して記紀に登場する神々をあてがって祀る風潮が出てくる。

それぞれの集落で「水神様」として崇め奉っていた名もない神々に、「ミツハノメ」とか「タカオカミ」をあてがった。

そして「えびす神」には記紀に登場する神の中から誰ををあてがう?となった時、海に流されて漂着したとされる「蛭子(ひるこ)神」と、海で釣りをしていたと描かれる「事代主神」が選ばれたのであろう。

どっちの「えびす」?

なので、恵比寿神社や戎神社に参拝したときには、いったいどっちの「えびす」様なのか知りたくなるのである。

こちら堀川戎神社は、「ヒルコ神のえびす神」を祀っている。

ちなみに、

  • 西宮神社は「ヒルコ神のえびす神」
  • 今宮戎神社は「事代主神のえびす神」
  • 京都ゑびす神社も「事代主神のえびす神」

ところが、ヒルコ神のえびす神と事代主神のえびす神の両方を祀る最強の戎神社が存在する。

それが、布施戎神社である。

▽布施戎の戎像▽

少彦名命(すくなひこなのみこと)

海を渡ってやってきて大国主命の国造りを手伝い、また海の彼方「常世国」に帰っていった神。

医療・温泉湯治・酒造り・土木・占いなどなど、先進技術を身に付けた神だったようで、渡来神であるという説もある。

海からやってきて利益を与えてくれる。。。まさに「えびす神」の要素を備えているため、ヒルコ神・事代主神ほどではないが、少彦名命「えびす神」としてあてがった神社もある。

代表的な神社は、東京の神田明神だ。

天太玉(あめのふとだまのみこと)

岩戸隠れ神話において、天児屋根命とともに祭祀を行った神。また瓊瓊杵尊の天孫降臨神話において、お供をした五柱の神「五伴緒」の内の一柱。

天皇が行う祭祀を補佐する、非常に重要な神と言えよう。

立ち位置のイメージは、皇室(天照大神・瓊瓊杵尊)を守る「右大臣」(天児屋根命)と「左大臣」(天太玉命)のような感じ。

ちなみに「太政大臣」は高皇霊産神とその子である思兼命であろうか。

堀川戎神社の創建・歴史

欽明天皇の御代というから、古墳時代の末期。もうすぐ飛鳥時代というような時代だ。とんでもなく昔のことである。

止美連吉雄(とみのむらじよしお)が蛭子大神の神託を受け堀江で玉を得て、これを御霊代として蛭子大神を富島に祀り、瓊見社(たまみのやしろ)・止美社(とみのやしろ)と名付けたのが創建とされている。

白雉2年(651年)に、少彦名命(淡島明神)の神像を彫刻し納め合祀。

大宝3年(703年)天太玉命を相殿に祀り三座となった。

後に平治の乱(1159年)を避けて、一旦は丹波国に遷座。

文和年間(1352~5年)現在地に遷座再興。その頃から、蛭子社・恵美須社・堀川戎社と呼ばれ信仰厚かったと伝わる。

堀川戎神社のご利益

かつては「大漁満足」。

現在では、「商売繁盛」「産業発展」

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堀川戎神社 参拝記録

1845年の古地図に、現在の主要道路を乗せてみた。

左上の赤色に塗られた敷地に「戎社」と書かれてあり、これが現在の堀川戎神社である。堀川に面していたことがよくわかる。

現在、堀川は埋め立てられて道路になっており、その上を阪神高速の守口線が走っている。

車で行く場合は国道1号線の南森町交差点から北上することになる。

堀川戎神社に駐車場なない。高速道路下などにコインパーキングがあるので、そちらを利用しよう。30分200円。

赤い鳥居である。この鳥居は阪神大震災で倒壊した鳥居の後継として建てられたもの。

拝殿

昭和38年に再建された拝殿。たった55年でも、朱色が渋い風合いになってきている。

そういえば、私と同じ年か。私は渋くない。

二拝二拍手一拝。

福興戎像

拝殿の左手に「福興戎像」(ふっこうえびす・ふくおこしえびす)がある。

由来は、、、

平成7年1月17日。阪神淡路大地震によって、正面の石製鳥居が破断。

その被災した石製柱に戎像が彫刻され、震災から3年後の平成10年1月10日「十日戎」に奉納されたという。

2年後の平成12年には、「幸いを与える」の「福」と、「生ずる・起きる・盛んになる」の「興」を付けた「福興戎像(ふくこう・ふくおこしえびす)」と命名された。

除災招福の象徴として崇拝されている。

末社

この建造物の中に、7座の神々が祀られている。

左から、

  • 皇大神社:天照皇大神(皇祖神にして日本の総氏神・太陽神)
  • 幸神社:猿田彦大神(道開きの神)
  • 大国主社:大國主大神(縁結びの神、国造りの神)
  • 菅原社:菅原大神(学問の神)
  • 松尾社:松尾大神(山の神、農耕の神、酒の神)
  • 工匠神社:工匠祖大神(手置帆負命と彦狭知命であろうか。建築の神)
  • 淡島神社:淡島大神(少彦名命と思われる。婦人病除けの神)

榎木神社

境内社の榎木神社が、鳥居の横手に鎮座している。

こちらの神社は、扇町あたりにあったものを堀川戎境内に合祀したもの。
(冒頭の古地図にも「榎木神社?」として印しておいた。)

なかなか面白いエピソードを持つ神社であるからして、別の記事でご紹介しようと思う。

こちらからどうぞ! ▶▶▶榎木神社(地車稲荷神社)

最後までお読み頂き、ありがとうございました!

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