志藝山津見|しぎやまつみ|加具土命の死体から化成した山の神
志藝山津見(しぎやまつみ)は、日本神話に登場する神。
伊邪那岐命が斬り殺した自らの子「加具土命」の左手から成った山の神である。日本書紀では足から化成したと記述されている。
志藝山津見の概略
志藝山津見の神名
志藝山津見(しぎやまつみ)>>>古事記(左手から成った)
䨄山祇(しぎやまつみ)>>>日本書紀(足から成った)
志藝山津見の神格
木の茂った山の神とする説
「志藝」を「繁木(しぎ)」と解釈する説である。
同じく木の茂った山の神とする説の別の根拠としては、、、
「志」の「士」はもともと「足」の意味を持つ。それに心がついて、進む心。すなわち「こころざし」。
「藝」は、「木と土と丸」が中央部を構成する。これは「木を手そ添えて植える」という意味。そこに草冠で草木を強調させ、「云」は「ここに」という意味。
まとめると、「志藝」とは「ここに、進んで樹木を植える」という意味となろう。
長く伸びた山の神とする説
「志藝」を、鳥の「鷸(しぎ)」と解釈するのである。シギは一般的に首・足・翼が長い。
よって、長い翼・脚のように伸びた、細長い山の神。あるいは平野部に切れ込む、突き出た稜線部分の神。
ちなみに、日本書紀の「䨄山祇」の「䨄」はウズラであるからして、鳥説も捨てがたいのである。
翼をはばたかせるためには大きな胸が必要である。ここで「淤縢山津見」につながる。
同時に生まれた山の神
古事記に登場する、斬り殺された加具土命から生まれた山の神8柱は下記の通り。
- 正鹿山津見神(まさかやまつみ)
- 淤縢山津見(おどやまつみ)
- 奥山津見(おくやまつみ)
- 闇山津見(くらやまつみ)
- 志藝山津見(しぎやまつみ)★
- 羽山津見(はやまつみ)
- 原山津見(はらやまつみ)
- 戸山津見(とやまつみ)
参考記事
古事記における、これらの8柱の神が化成する場面、すなわち加具土命が斬り殺される場面は、こちらの記事をご覧頂きたい。
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