枚岡神社|大阪|河内国一之宮にして元春日。勝負と出世の守護神。生駒山の浄化パワーを感じるパワースポットである。
枚岡神社は、生駒山の麓、東大阪市出雲井に鎮座する式内社の名神大社で河内国一之宮。極めて格式の高い歴史ある霊験あらたかな神社だ。
都心から電車で10分程度の場所に、このような自然豊かなスポットがあるのは、生駒山地と大阪湾に挟まれた大阪・河内の特徴であろう。
境内の南には枚岡梅林があり、初春には多くのハイカーが訪れる。裏山は神奈備「神津嶽」。さらに登ると生駒山地最高峰の生駒山。
この生駒山地は生駒断層のずれによってつくられた山地だとか。この地下には活断層が横たわっているということなのだ。そのせいか、境内を散策すると、他とは明らかに「気の違い」が感じられる場所がいくつか存在する。それらのスポットも合わせてご紹介しようと思う。
枚岡神社について
枚岡神社 概要
- 所在地 大阪府東大阪市出雲井町7番16号
- 電話番号 072-981-4177
- 主祭神 天児屋根命、比売御神、経津主命、武甕槌命
- 創建年 白雉元年(はくちがんねん)(650年)
- 社格 名神大社、河内国一之宮、官幣大社、別表神社
- ご利益 家内安全、夫婦和合、開運招福、安産、子授け
- ご利益 商売繁盛、元気回復、必勝、厄除け 出世開運
- 公式HP http://www.hiraoka-jinja.
枚岡神社 アクセス
MAP
最寄り駅
- 近鉄奈良線 枚岡駅 徒歩1分
駐車場
- あり(無料)
枚岡神社の祭神
本殿には、天児屋根命、比売御神、経津主命、武甕槌命の4柱の神が祀られている。
天児屋根命
天の岩戸神話では、天照大神を誘い出す祝詞を奏上。いわば、神主の祖神とも言える存在。中臣氏や大鳥連の始祖。
比売御神
比売御神とは奥さんを指す。天児屋根命の奥方は天美津玉照比売命(あまみつてるたまひめ)とされている。
経津主命・武甕槌命
国譲り神話で、大国主命に国譲りを迫った神様。それぞれ、香取神宮・鹿島神宮の主祭神で、いずれも武運の守護神とされている。
枚岡神社の創建
創祀
もともとは皇紀前3年のころ。すなわち「神代」。
今の本殿から山を40分ほど登った山頂に磐座を設け、孫にあたる天種子命(あめのたねこ)によって天児屋根命と比売御神を祀ったことが始まり。そこを神津嶽(かみつたけ)と呼び、現在は石の祠が設けられている。
独特なパワーを放っていると聞く。
創建
社殿の造営は白雉元年(650年)、物部の傍流「平岡連」(後の中臣氏)によって神津嶽の麓、現在の出雲井の地に、社殿を造営して奉遷されたと伝わる。
これが今の枚岡神社である。
奈良の春日大社へ
神護景雲2年(768年)には、天児屋根命・比売御神の2柱を春日山本宮の峰に奉遷し、奈良の春日大社に祀られた。
ということで枚岡神社は「元春日」とよばれるのである。
その後、宝亀9年(778年)、逆に春日大社より経津主命と武甕槌命の2柱を迎えて配祀。ここで本殿が四殿となるわけである。
枚岡神社のご利益
家内安全、夫婦和合、開運招福、安産、子授け、商売繁盛、元気回復、必勝、厄除け 出世開運など様々なご利益が謳われているが、私は「出世開運」「子孫繁栄」「勝負運」の三つを挙げたい。
天児屋根命を始祖とする中臣氏が藤原氏となり、国家の中枢、権力を握るまでに隆盛したので「出世開運」と「子孫繁栄」
経津主命と武甕槌命からは「勝負運」を頂きたい。これは先にも述べた通りである。現代に置き換えると、戦の勝敗ではなく、スポーツや入学試験・資格試験の勝負運である。
枚岡神社参拝記録
内参道
駐車場が二の鳥居の左横にあるので、一の鳥居をくぐることはないのである。二の鳥居をくぐり、幅の広い石畳の参道、緩やかな登坂を上がっていく。
この日は、正月の後片付けの途中であろう、参道の片側に提灯がずらりとぶら下がっていて、反対側は電球だけがずらりとぶら下がっている。
ここの参道は、あまりこれといった空気の変化を感じることはできなかった。
三の鳥居
三の鳥居に差し掛かると、すこし気が変わってくる。
鳥居に掛けられた注連縄の飾りが珍しい。揚巻結び(あげまきむすび)というそうだ。
鳥居の前には、一対の矛(ホコ)が立てられている。これは明治40年、日露戦争の戦勝記念として氏子さんたちにより寄贈されたものである。
手水舎
鳥居の右手に手水舎。水口は春日の神の使い「鹿」である。
なで鹿
鳥居をくぐってすぐに、狛犬ならぬ鹿の親子。左に母鹿と小鹿、右に父鹿。
これが「なで鹿」(神鹿)である。
家内安全、無病息災、交通安全、旅行安全を祈りながら、撫でるとよいとのこと。
気持ちのいい小川
さらに鳥居の少し奥に、小さな橋と川。
この橋の上に立つと、素晴らしく気分がよくなる。ここは、山からの清涼な気が小川に沿って流れてきているようで、清々しい気持ちになれる。祓われるような心持である。
三の鳥居に近づくにつれて、少ずつ空気が変わってきたのは、この橋と小川に近づいていたからであろう。
本殿エリア
拝殿
石段をあがって、拝殿前に進む。
二拝二拍手一拝。天津祝詞。
正月明けで気が乱れているというか、人の欲がこびりついているというか。霊能者ではないのでよくわからないのだが、何も感じることができなかった。修行が足りないのだ。申し訳ない。
とはいえ、自分もきっちりお願いごとを。。。
本殿
枚岡神社と言えば、この四殿並んだ壮観かつ華麗な本殿であろう。
とにかく、美しい。これを枚岡造りと呼ぶ。我々には春日造りとの違いがわからないのであるが、そんなことはおいておこう。美術品?芸術品?ほんとうに美しいのである。
本殿に向かって右から順に、第二殿(比売御神)、第一殿(天児屋根命)、第三殿(経津主命)、第四殿(武甕槌命)。整然と並んでいる。
拝殿は第一殿に正対するように建てられていた。
境内社
浄化パワーの遥拝所
拝殿から右に曲がって、遥拝所。
ここは、神津嶽にある奥宮を遥拝する場所。祓い所のような雰囲気もある。頭の表面がしびれる感覚が。強い浄化パワーを感じるのだ。
出雲井
すぐ横に、「出雲井」という井戸がある。この井戸は枚岡神社創建以来ずっと枯れずに湧き続けているとのこと。生駒山地は水の恵みの山なのだ。
若宮
そして、出雲井の前には「若宮」。天児屋根命の御子、天押雲根命を祀る摂社である。
最強のパワースポット 天津地祇社
さらに進むと、「天神地祇社」がある。天津神、国津神、八百万神を合祀してるようだ。
国の政策によって明治4年に、この枚岡神社境内にあった多くの摂社・末社と、近隣の氏神様あわせて32社が、この天神地祇社に合祀されたらしい。旧枚岡市全体の氏神様といえる。
ここが枚岡神社で感じた3つ目のパワースポットであり、最強のパワースポットである。
いや、あるいは神霊スポットかも。
さっきまでの高貴な空気に加えて、心に訴えかけてくるような気配がする。「悲しい」とか「やるせない」とか、そういう類の感情が伝わってくるような気がしてならないのである。
最後に
河内生まれの河内育ちの私にとって、生駒の山並はとても身近な存在でありながらも、その雄大な稜線には何者も寄せ付けない厳格さも感じてきた。
たぶん太古の昔の人々も、特別な思いを持ってこの生駒山を見上げ、崇拝していたんだろうと思う。
河内国というと、かつては大阪湾の入り江が入り込んでいて、古代から海を通じて世界に開けた地域だった。
そのために、いろんな民族が渡来し侵略・略奪が繰り返されたり、宗教戦争の舞台になったり、南北朝時代、大阪冬・夏の陣など、戦火にさらされ続けたという歴史がある。
そして、いつも犠牲になるのは民衆。その凄惨な歴史を見てこられた各地域の氏神様が「天神地祇社」に集結している。
そして、神様たちによって、そういう凄惨な事実や、それにともなう怨念を封印されつつも、あふれ出る情念。
「天神地祇社」で感じた感覚は、そういうことななのだろうか。もしかしたら、石切神社の上之社の「御滝」で体験した感覚も、そういうことなのだろうか。
そういうものが、生駒の山のあちこちから噴出していて、それがパワースポットの源にいるのかもしれない。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました!
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