河堀稲生神社|ご利益は『商売繁盛』。しかし実態は怨霊封じの神社かも?

2017年10月19日

河堀稲生神社 概要

河堀稲生神社(こぼれいなり)は、大阪市天王寺区大道にある神社。通称「河堀ノ宮」。四天王寺七宮の一つに数えられる古社である。

  • 所在地    大阪府大阪市天王寺区大道3-7-3
  • 電話番号        06-6771-6513
  • 最寄り駅   JR大阪環状線 寺田町駅 徒歩5分程度
  • 駐車場    駐車場なし。
  • 主祭神    宇賀魂大神、崇峻天皇、素盞嗚尊
  • 創建年           不詳(景行天皇年間)
  • 社格     村社
  • 公式HP    なし

河堀稲生神社 MAP

大阪府大阪市天王寺区大道3-7-3

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河堀稲生神社について

河堀稲生神社 祭神

現在の祭神は、宇賀魂大神、崇峻天皇、素盞嗚尊の3柱。

宇賀魂大神

宇賀神という人面蛇神の神もあるが、おそらくは宇迦之御魂神のことを指すと思われる。神格は、穀物の神・食物の神。ご神徳は、五穀豊穣商売繁盛

古事記によると須佐之男命の御子。日本書紀では「倉稲魂神」でイザナギ・イザナミの御子としている。

保食神・大宜都比売・豊受大神など、同じご神徳をもつ多くの神々と習合。「稲荷神」とも呼ばれる。

崇峻天皇

第32代天皇。聖徳太子の伯父にあたる。権力闘争の最中、蘇我馬子によって暗殺された。記紀に暗殺されたことが確定されている天皇は、この崇峻天皇のみである。

さらには、死亡の当日に葬られ、御陵も無いとなると、もはや皇族としての扱いでは無い。尋常ではないのである。

すなわち、崇峻天皇を祀るということは、怨霊封じ=御霊神社の側面を持つと考えるべきであろうと思うところだ。

素盞嗚尊

イザナギ尊による神産みの最後に生まれた、最も貴い三柱の神(三貴子)の一柱。他の二柱は、姉の天照大神、兄の月読命。

荒ぶる神として高天原を追放されるが、その後はその勇者ぶりを発揮して地上世界のヒーローとなる。出雲神の祖神。

 

神仏習合が盛んになると、祇園精舎の守護神である牛頭天王と習合。厄払い・疫病除けのご神徳をもつとして全国各地に祇園信仰が広まった。

神仏分離を受けて、全国の牛頭天王を祀る神社は、一斉に祭神名を素盞嗚尊に変えて行ったという経緯がある。

河堀稲生神社 創建

社伝によると、、、

第12代景行天皇の御代の己亥年の秋、夏目入穂の孫の逆輪井が鍬津の西浪花潟の昼々丘に神地を賜って、そこに稲生の神を祀ったのが始まりという。

12代景行天皇の己亥年といえば西暦99年(上古天皇の在位年と西暦対照表より)に、農耕の神として「稲生の神」が祀られたとすると、秦氏によって稲荷山に「稲荷神」が祀られる遥か以前の出来事ということになろうか。

秦氏の祖「弓月君」の渡来は15代応神天皇の御代であり、伏見稲荷大社の創建は和銅年間(700年代)と聞くが故である。

第33代推古天皇の御代に聖徳太子が、四天王寺創建と同時に、この社地に社殿を造営し「崇峻天皇」を祀り、四天王寺七宮の一宮として、稲生の神と併祀することとした。

四天王寺七宮の一宮とは、トップという意味の「一の宮」という意味なのか、七宮の内の「一つの宮」という意味なのだろうか。。。

この時点で、自然信仰「稲生の神」から「御霊鎮魂」崇峻天皇の社となったのだろう。

元禄2年(1689年)、素盞嗚尊を勧請し合祀

1907年(明治40年)、清水谷にあった稲荷神社を合祀して、現在の社名に改まった

それまでの社名はというと、江戸時代の古地図で見たところ、やはり「崇峻天王社」だったようだ。

堀越神社と五条宮

ちなみに、、、他の神社も見てみようと思い、堀越神社を探す。すると、その古地図上の堀越神社の場所には、なんと「敏達天王社」とあるではないか!

??? 堀越神社の祭神は「崇峻天皇」のはずだが。。。

かねてから気になっていた「五条宮」という神社が、四天王寺の北東(鬼門)の方角にあるのだが、その五条宮も敏達天皇を祀っている。

五条宮は四天王寺七宮ではないが、個人的には、七宮に匹敵するというか七宮であり得る神社だと思っている。

かたや、堀越神社は南西(裏鬼門)の方角にある。北東と南西に「敏達天皇」を祀る神社があったということだ。

この敏達天皇は廃仏派の天皇である。四天王寺を挟み撃つ恰好で廃仏派の天皇を祀る神社が存在したことになる。

もしかしたら、地図作者の単なる書き間違いかもしれないが、あれこれ思いを馳せるのが楽しいのである。

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河堀稲生神社 参拝記録

JR大阪環状線寺田町から北西方向に歩くこと5分。緩やかな坂道の途中の微高地に、東向きの鳥居が見える。河堀稲生神社だ。

鳥居

しっとりと落ち着いた雰囲気を醸し出している。

井戸から電動ポンプで汲み上げられているようで、チョロチョロと間断なく水が水盤に注がれている。

拝殿

まずは拝殿から本殿に参拝しよう。

二礼二拍手一礼。

深く礼を行うたびに、拝殿に使用されている木材の香りが鼻をくすぐる。かつて嗅いだ事のある懐かしい香り。祖母の家の香りと同じだ。。。

朱塗りの社やキツネさんなど、稲荷神社独特の雰囲気は微塵も感じられない。

神額

拝殿の窓ガラスから中を覗くと神額が見えた。ピンボケで申し訳ない。

中央に崇峻天皇、右に宇賀魂大神、左に素盞嗚尊。やはりメインは崇峻天皇のようだ。

従って、稲荷社独特の装飾を施していないのだろう。

境内社

若宮八幡宮

拝殿の左に境内社「若宮八幡宮」がある。15代応神天皇と16代仁徳天皇を祀る。和気清麻呂公も祀られていると聞く。

櫻樹神社

豊臣秀吉公、倉稲魂神を祀っているらしい。こちらは稲荷神社らしい雰囲気だ。手前にはまさしく桜の木が植わっている。

狭い境内に桜の木が3本。満開の季節に訪れたいものだ。

祖霊社

銅張の屋根が美しい「祖霊社」である。

▼四天王寺七宮については、こちらの記事をご覧ください▼

hokuto四天王寺七宮 厄払い!北辰北斗パワーで封印するものとは、いったい何なのか!

▼現存する七宮に関する記事はこちらです▼

堀越神社

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大江神社

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久保神社

まもなく公開予定