稲蔵神社|奈良|饒速日命ゆかりのパワースポットというがその真実は?

稲蔵神社は、奈良県生駒市小明町にある神社。周辺には、鵄神社・長髄彦本拠の碑・鵄邑顕彰の碑・鳥見白庭山の碑など、神武天皇と長髄彦の決戦地を連想させる史跡が多数あり、まさに日本建国期の歴史ロマンを掻き立てられるエリアである。当神社も饒速日命にゆかりがある神社だそうで、参拝前からパワースポット期待値が高まる神社であるが、さて、どうだろうか。

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稲蔵神社について

稲蔵神社の概要

  • 所在地    奈良県生駒市小明町1793
  • 電話番号   
  • 主祭神    生魂、大宮能御膳神
  • 社格     
  • 公式HP    http://www1.kcn.ne.jp/~inakura/index.html

稲蔵神社  アクセス

MAP

最寄り駅

  • 近鉄奈良線「東生駒駅」徒歩30分
  • 白庭台行・あすかのセンター行・ひかりが丘行の「稲倉バス停」から徒歩5分

車でのアクセス・駐車場

  • アクセスは容易だが駐車場は無い
  • コインパーキングも無し
  • 近隣での路駐も不可

稲蔵神社の祭神

現在の祭神は「稲蔵大明神」と称し、その構成神は生魂いくたま大宮能御膳神おおみやのみけつのかみの二柱の神。

生魂は生命の神で、大宮能御膳神は五穀豊穣の神。

饒速日命が降臨したときにともに降臨し烏帽子石えぼしいしに宿ったと説く。

本来的には、生魂神は天皇を守護する宮中八神(神産日神、高御産日神、玉積産日神、生産日神、足産日神、大宮売神、御食津神、事代主神)の内の生産日神のこととみなすことになろうが、天皇守護の神がこちらに祀られている経緯はわからない。

大宮能御膳神は、同じく宮中八神の内の大宮売神、御食津神を合体させたような神名である。神社の説明書きを読んでみても、大宮能売神と御食津神の説明がされていることから、2柱の女神の総称としていると考えるのが妥当と思われる。

稲蔵神社の創建

稲蔵神社は、江戸時代の初期に当地の鎮守「稲蔵明神」として創建されたと聞く。

がしかし、後述の烏帽子岩や境内に散在する巨石を見るにつけ、この場所が磐座信仰の場であったことは容易に想像できる。古代よりここは祭祀場だったのだろう。

そうであったならば、当地の立地から考えると、磐座信仰時代の祈りの対象は饒速日命であったであろうことも、想像に難くない。

磐座(いわくら)=稲蔵(いなくら)。似ているではないか。

稲蔵神社のご利益

生魂のご神徳は生命の神。よって、病気平癒・延命長寿のご利益が頂ける。

明治時代のころには「玉避けの神」として信仰され、日清日露戦争に出征した13人のうち12人もの人が無事に生還したと聞く。大正から昭和初期には「兵役逃れの神」として信仰されたとか、、、

大宮能御膳神の御神徳は食物の神。であるからして、五穀豊穣の御利益、今でいうと商売繁盛・収入アップの御利益を頂けるということになろうか。

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稲蔵神社 参拝記録

生駒盆地は生駒山地と矢田丘陵に挟まれた南北に細長い盆地で、その北には天の川が北へ流れて磐船神社を経て大阪府へと流れる。一方、生駒盆地の中部からは南へ竜田川が流れ、王寺付近で大和川に合流する。

その北へ流れる天の川と、南へ流れる竜田川の分水嶺が、まさに当神社のある白庭だということだけでも、なんとなく有り難い気持ちになろうというものだ。

一の鳥居

さて、龍田川に沿って通る国道168号線を走ると鳥居が見える。ちょうどガストの前あたり。神額には「稲蔵大明神」とある。ここをくぐって東へと進む。(この先、駐車スペースはない。)

鳥居をくぐったところ左手に綿花が栽培されていた。この白い綿を集めて紡ぐと木綿になり衣服となるのである。不思議だ。

この鳥居から歩くこと300m(5分程度か)で、神社の入り口に到着する。

二の鳥居

ここの神額は手前が「稲蔵神社」で奥が「稲蔵大明神」。

ここが鬱蒼とした森への入り口であり、神域への扉だ。

ここから見る森の中はとても暗く少しく怖い。

今までにも何度か怖い経験をしたことがあるから躊躇するが、ここまで来て引き返すわけにはいかぬ。

心を決して鳥居をくぐって神域にはいると、、、

森の奥から極めて冷たい、しかし清浄な風が吹き出してくるのがわかる。

このような風を感じたのは、大阪の生国魂神社の拝殿で感じて以来のこと。期待に胸が膨らむ。

歩を進めるにつれて、冷気の勢いが増す。

赤い鳥居

赤い鳥居は稲荷社の専売特許。こちらもかつては稲荷社的に多くの赤い鳥居が並びたてられていたらしい。

この赤い鳥居をくぐると、不思議と冷気の勢いが弱まってきた。

行の滝

小さいながら、禊に使う滝が設えてある。

ここから先は「水」の気配だ。「龍神」の気配とも言えようか。どこかに竜王社があるやもしれぬ。

神変大菩薩

滝を過ぎると小祠が鎮座する。これは神変大菩薩しんぺんだいぼさつすなわち飛鳥時代に修験道を開いた「役行者えんのぎょうじゃ」を祀る祠である。

呪術により雨を降らせたり、病気を治したり、、、超能力者のような人といえよう。神社を守ってもらうために祀っているのだろうか。あるいは奇跡を起こしていただける?

拝殿

こちらが拝殿。拝殿と本殿が幣殿でつながっていないタイプの拝殿である。

こいうタイプの拝殿の場合、拝殿の裏に回って直接本殿前で祈りたくなるところではあるが、そこは私とて大人である。せかっくの拝殿であるからして拝殿で祈ろうではないか。

と思いつつ、空気が完全に変わっていることに気が付いた。

神域に入ってすぐは冷気の勢いがすさまじく、徐々に和らぎ、次に水を感じ、今は暖かな空気感。心に余裕が生まれ、ホッとするような感覚だ。

これは、もしかしたら、段階的に穢れが払われていくシステムが組み込まれているのではないだろうか!などという子供じみた想像をしたくなるような不思議な感覚である。

二拝二拍手一拝。天津祝詞奏上。

風が吹き、鳥がさえずる。空を見上げたくなった。気持ちがいい。

私にとっては間違いなく、ここはパワースポットだと断言する。

烏帽子石と本殿

この大きなとんがった石が烏帽子石。神宿る磐座である。こういったものを見ると触りたがる人がいるが、それは失礼極まりないことであろう。

神威を頂きたいと思うなら、触れるよりも手のひらを近づけるだけのほうがよい。左手で受け取り右手で返す。神霊との交信は精神による交信であるからして。

稲荷社

本殿の真裏にある小祠は稲荷社であろう。その周囲を取りまくようにお塚が祀られている。伏見稲荷大社の稲荷山を彷彿とさせる光景だ。

このような、神社の片隅に得体の知れない(おっと失礼)石柱や石像が並び立つ光景を目にすることがよくあるだろう。私の場合、このような場所では時として首筋から背中にかけて悪寒が走り、鳥肌が立ち、走り去りたくなるのだが、こちらではそのようなものは感じなかった。

最後に

さて、この稲蔵神社は饒速日命にゆかりのあるパワースポットであるとの前評判であったが、実際に参拝してみると、、、

まさにパワースポットと呼ぶにふさわしく、峻烈な強い気の中に癒しや和みの気を包含するバランスのとれた素晴らしい場所であると感じた。

ずっと居たくなる場所。気力が補充される場所。これが私の感想である。

参拝を終えて参道を下りると、そこに見えるのは、、、

母なる生駒山の優しい姿であった。

最後までお読み頂き、ありがとうございました!

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