高市御縣坐鴨事代主神社|奈良|通称「河俣神社」

2020年5月26日

河俣神社は、奈良県橿原市雲梯町にある神社。延喜式神名帳に記載ある式内大社「高市御縣坐鴨事代主神社」に比定されている古社である。

「高市御縣に坐す、鴨の事代主神の社」という意味で、「たけちのみあがたにます かもことしろぬしじんじゃ」と読む。

ちなみに、雲梯町は「うなてちょう」と読む。

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高市御縣坐鴨事代主神社について

河俣神社 概要

  • 所在地  奈良県橿原市雲梯町689
  • 電話番号  
  • 主祭神  鴨八重事代主神
  • 創建年    不詳
  • 社格   式内大社
  • 公式HP   

河俣神社 アクセス

MAP

最寄り駅

  • 近鉄南大阪線「坊城」徒歩20分
  • JR桜井線「金橋」徒歩22分

名神大社「天太玉神社」経由で参拝されるなら「金橋」がおすすめです。

駐車場

  • あり(無料)

高市御縣坐鴨事代主神社の祭神

祭神は、鴨八重事代主神(かものやえことしろぬしのかみ)である。

事代主神といえば記紀では出雲の神。大国主命の御子として登場する。そして、国譲りの後は、八十万の国津神を統率して、皇孫を守護する任務を与えられたとある。

出雲国造神賀詞にも、天皇を守護する四柱の神の一柱として登場する。

しかし本来の事代主神は、葛城を本拠とした賀茂氏が奉斎する土着の田の神であるとも。御所市の鴨都波神社は、その代表的な神社。

高市御縣坐鴨事代主神社の創建

創建年代は定かではない。

出雲国造神賀詞

「出雲国造神賀詞」という祝詞がある。出雲国造が交替した時、新任の出雲国造が朝廷に参上して述べる寿詞である。その内容の詳細は置いておくとして、

その祝詞の中に、次のような文言がある。

乃ち大穴持命の申し給はく、
皇御孫命の静まり坐さむ大倭國と申して
己命の和魂を八咫鏡に取り託けて
倭大物主櫛厳玉命と御名を称へて大御和の神奈備に坐せ、
己命の御子、阿遅須伎高孫根の命の御魂を葛木の鴨の神奈備に坐せ、
事代主命の御魂を宇奈提に坐せ、
賀夜奈流美命の御魂を飛鳥の神奈備に坐せて、
皇御孫命の近き守神と貢り置きて、
八百丹杵築宮に静まり坐しき

訳すと、

大穴持命(大国主命)が申すには、
皇孫が鎮座するこの国を大倭国といい、

自分の和魂を八咫鏡に依りつけて
倭大物主櫛厳玉命という名を称して大三輪の神奈備に祀り
我が子の阿遅須伎高孫根命の魂を葛城の鴨の神奈備に祀り
事代主命の魂を宇奈提(うなて)に祀り
賀夜奈流美命の魂を飛鳥の神奈備に祀って

皇孫の守護神といたしましょうと申して、

杵築宮(出雲大社)に鎮まりました

訳すまでもなかったか、、、

この宇奈提(うなて)が、当鎮座地の「雲梯町」(うなて)。

そして、雲梯町で事代主を祀る神社すなわち「河俣神社」が、祝詞内の「事代主命の魂を宇奈提(うなて)に祀り」に該当することから、河俣神社が「高市御縣坐鴨事代主神社」に比定されることとなった。

この「出雲国造神賀詞」の史料上の初見は霊亀2年(716年)。であるからして、716年以前には存在していたと言える。

日本書紀

さらに言うと、日本書紀の天武天皇即位1年7月4日に、次のような記述が見える。

壬申の乱で、

大海人皇子(天武)方の「大友息負」が、及樂山(ならやま)で大友皇子方の軍に敗れて金綱井(橿原市今井町?)に退却し、落ち延びてきた兵士を回収していた。

その頃、奈良の西でも大海人皇子方の軍が敗戦。

大海人皇子方には非常に厳しい戦況だった時のこと。

高市郡の大領であるところの高市県主許梅が急に話せなくなりました。すると神懸りして言いました。「私は高市社事代主神だ。身狭社の生霊神だ。神武天皇の墓に馬と兵器を祀れ。」

この高市社の事代主神も当社だという。となれば、天武天皇即位1年、すなわち672年には既に存在していたということになる。

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河俣神社 参拝記録

京奈和自動車道を大和郡山から橿原方面に向かって走り「橿原北IC」を降りる。2020年現在はここが終点。

そのまま進み「曲川町東」の交差点を左折(東へ)する。目印は「ABC-MART」とか「青山」とか。

その道を500m東進すると、曽我川に掛かる橋が見えるだろう。「しまむら」が目印だ。

余談だが、「しまむら」の斜め向かい側に名神大社の「天太玉神社」が鎮座する。合わせて訪問されることをお勧めしておこう。

さて、曽我川に架かる「曽我川橋」の手前を川沿いに入っていく。「しまむら」に沿って曲がればよい。間違っても、橋を渡ってから曲がってはいけない。その道は途中で消えるからだ。

川沿いを400m進もう。途中に2本ほど細い橋が見えるが、まだ渡らない。

400mほど進むと、車が対向できるぐらいの橋が見えてくる。その橋を渡ったすぐのところ右手に社標が見える。

駐車場

この社標と曽我川の間に細い道が通っている。そこを入っていくと、、、

2~3台の駐車スペースがある。ここに駐車しよう。

一の鳥居

先ほどの社標まで戻って神域に入る。シンプルな鳥居がよい。

夏は蚊に注意する必要がありそうな雰囲気だ。

二の鳥居

意外と奥に長い境内である。

拝殿

シンプルな拝殿。あと50年もすれば枯れ感が出てくるだろう。

二拝二拍手一拝。

ちなみに、格子から手やスマホを差し入れるとブザーが鳴るという情報あり。試してないのでわからないが。

中門と瑞垣

どう頑張っても、本殿が見えない。なかなかにガードが固い神社である。

最後までお読み頂き、ありがとうございました!

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奈良,運気上昇

Posted by リョウ