金札宮(きんさつぐう)|京都|金運のパワースポット的要素が満載の伏見の古社。
金札宮は、京都市伏見区にある神社。伏見における最古級の神社で、かつては規模も大きく天皇からの信仰も篤かった、由緒ある神社である。
社名の「金札」から金運向上のご利益があるとされるが、同じ京都の御金神社に比べるとあまり有名ではない。
あまり大仰な打ち出し方をしていないからだろう。それが、由緒ある神社のプライドというものだろうか。
しかし、その伝承や祭神を知ると、それらの総合力で金運がアップすること間違いないと確信する私であった。
金札宮について
金札宮 概要
- 所在地 〒612-8062 京都府京都市伏見区鷹匠町8
- 電話番号 075-611-9035
- 主祭神 天太玉命(白菊大明神)、天照大御神、倉稲魂命
- 創建年 750年(伝)
- 社格 村社
- 公式HP http://www.kinsatsugu.jp/
金札宮 アクセス
MAP
最寄り駅
- 京阪電鉄本線「丹波橋駅」徒歩7分
- 近鉄京都線「近鉄丹波橋駅」徒歩8分
駐車場
- なし 近隣にコインパーキングあり
金札宮の祭神
本殿に祀られるは、天太玉命、天照大御神、倉稲魂命の3柱である。
天太玉命
記紀において、岩戸隠れ神話に登場する。
天岩戸に隠れてしまった天照大御神を岩戸から出すための作戦における中心的存在。天児屋根命とともに「太占」による占いを行い、五百箇真賢木を天香久山から掘り出し、それに鏡などの飾りつけを行い、岩戸の前に捧げ持つという役割を担った。
天照大御神が岩戸から出てきたあと、再び岩戸に隠れてしまわないように注連縄を張ったのも天太玉命。
榊、玉串、注連縄、、、現在の神道における祭祀の儀式の原型となったわけだ。
天照大御神
伊勢の内宮に祀られる、皇室の祖神にして、現在の日本神道の最高神。そして、日本国とそこに住む我々日本人の総氏神様。
日本国土と青人草(人民)を守護してくれる、ありがたい大神様なのである。
であるからして、個人的なお願いは畏れ多く、そのようなお願い事は、合わせ祀られている他の神様に祈願するといい。
と、言われている。
倉稲魂命
日本書紀では倉稲魂命。古事記では宇迦之御魂神。いずれも「ウカノミタマ」と読む。
「ウカ」は「ウケ」の古語で、「穀物」特に「稲」を意味する。すなわち、穀物の神様ということである。
全国の稲荷社に祀られている神様は、およそ宇迦之御魂神(倉稲魂命)である。例外として、豊川稲荷などの仏教系の稲荷社は「ダキニ天」が祭神である。
金札宮の創建
社殿によると、、、
西暦750年、長さ二丈におよぶ流れ星が降るという異変があった年のこと。
伏見久米の里に翁がいて、白菊を植えて楽しんでいる様子が、いかにも奇妙なので、里人が翁に名前を聞いた。
すると、その翁は、
「吾は、太玉命である。秋になると豊作を祝って、長年、このようにして白菊を楽しんでいるのじゃ。もし日照り続きで、稲が枯れるようなことがあれば、この白菊の露を潅ぐがよいぞよ。」
と言って、手に持った白菊を打ち振ると、たちまち、清水が湧き出てきた。そして、こう言った。
「人々、一度この白菊に潤されたら、たちどころに福運が着て、家運は長く隆盛し、子孫繁栄し、火災の禍から除かれるであろう。」
この奇妙な話に驚いた里人が孝謙天皇に奏上したところ、天皇は大変喜んで「金札白菊大明神」の直筆の文字を里人に与えた。
そして、その宸筆を頂戴した里人達は大層ありがたく感じ入り、皆が協力して社殿を造営することになった。
その宮居を造営しているさなか、また不思議なことが起こった。突然、金の札が降ってきたのである。その札には
「永く伏見に住んで国土を守らん」
という誓が書いてあった。
人々が集まって来ると、空から声がして、
「我こそは天照大神より遣わされた天太玉命なり、我を拝まんとすれば、なお瑞垣を作るべし」
と、聞こえてきたという。
とのことである。実にドラマティックな伝承である。
かと思うと、次のような、冷静な縁起も記されている。
清和天皇の御代、貞観年間(859~876年)橘良基が阿波国より天太玉命を勧請したものとも伝えらる。
とのことだ。
金札宮のご利益
神社発表では、
この三神は、人の心に宿る邪悪な情を除いて正直な道に帰らせ、なにごとも道理に基づいた考えや行動を得ることによって運を開かせてくれます。
また、末社にお祀りしてある恵比須神とともに、開運の宮・幸運を呼ぶ宮として地域の人々の崇敬を集めています。
とのことである。
奥ゆかしくも「金運」などという品の無い露骨な言葉は使わないのである。
しかしならが、
天照大御神のご神力によって国が安定し、太玉命のご神力によって罪穢れが祓われ、倉稲魂命のご神力と、境内社の恵比寿様のご神力をもって商売繁盛を得たとき、金運はおのずと上がるという寸法だ。
金札宮 参拝記録
伏見区役所の西辺の道路を北上すると、すぐにこのような提灯が並んだ光景を目にすることが出来るだろう。
これが、金札宮である。
社頭
お寺の山門のような出で立ち。鳥居は無い。少し「くの字」に曲がった内参道は、神様への崇敬の念の現れだろう。
クロガネモチの木
山門をくぐると目の前に飛び込んでくるのが、立派なクロガネモチのご神木。樹齢は1200年以上とか。
苦労せずにお金持ちになれる縁起のいい木。あるいは、苦労が報われてお金持ちになれる木などと言われて、崇敬を集める。
拝殿
拝殿の両側に車が、、、
こちらの境内は駐車場となっている。区画が引かれているわけでもなく、、、
神社の経営は、ことのほか大変なものと聞く。あの下鴨神社ですら境内の一部をマンションにしてしまうのだからら、境内を駐車場にすることも仕方のないことであろう。
拝所
そんな境内の様子に、少し興ざめした私だが、とりもなおさず参拝だ。
二拝二拍手一拝。顔を上げて奥の神殿を見やると、、、
白菊
真っ白な菊が捧げられているではないか。生き生きとした白菊だ。
これは良い。
クロガネモチの勢いといい、白菊の生き生き感といい、この場所はイヤシロチな感じがするぞ。
境内社
境内の左手に、境内社が並ぶエリアがある。
恵比寿像
まずは、えびす神。
大昔は、海から流れつく神すなわち漂着物の神格化したものを「えびす」と呼んで信仰していた時代があった。クジラもエビスと呼ばれていたらしい。クジラが漂着すると村が潤うからだ。
そんな民間信仰の神に、記紀に登場する神をあてがう作業が行われた。そこであてがわれたのが、次の3神。
- イザナギとイザナミの神生みで生まれたか、不具の子として産みに流されたという「蛭子神」。
- 大国主命の国譲りで、美保埼で釣りをしていた御子「事代主命」。
- そして、海の彼方からやってきた神「少彦名命」。
いずれも、海を漂流したり、海を渡ったりする神だからだろう。
ちなみに、
- えびす社の総本宮「西宮神社」は、「蛭子神」をエビス神として祀っている
- 大阪の「今宮戎」や京都の「ゑびす神社」は、「事代主命」のエビス神
- 少彦名命をエビスとして祀るのが「神田明神」
である。
公岡稲荷大明神
明治24年ごろの勧請とのこと。伏見稲荷大社からの勧請であろう。
手前から、金比羅社、恵比須社、常盤稲荷社、橋吉稲荷社と並んでいる。
常盤稲荷社の祭神は、白滝大明神と白姫大明神。白蛇の夫婦を祀っているということだろう。
最後に
金札宮の御守りは黄金色。
特に、この「金運守」が人気だとか。
初穂料1,000円と少しく高めだが、そこはケチってはいけないのである。
さあ、知る人ぞ知る京都の金運パワースポットで、金運開運を祈願しよう!
最後までお読み頂き、ありがとうございました!
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