西宮神社|西宮|全国えびす宮の頂点に君臨する神。不具の子「蛭子」が商売繁盛の神になる!

2019年7月9日

西宮神社は、兵庫県西宮市にある神社で、一般的には「西宮えびす」あるいは親しみを込めて「西宮のえべっさん」と呼ばれる、商売人には不可欠な神社である。

全国のえびす神社の総本社か、この西宮神社だ。

また、1月10日とその前後の3日間に渡って行われる十日えびすで、毎年10日の午前6時に行われる神事「その年の福男の座を巡って繰り広げられる競争」、正式名称「十日戎開門神事福男選び」はテレビニュースに毎年紹介されるほどに有名である。

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西宮神社について

西宮神社の祭神

西宮神社の本殿は、連なった3つの社殿で構成されている。

第一殿

えびす大神が祀られている。「西宮大神」とも「蛭子命」とも。

伊弉諾と伊弉冉の初めての子として生まれたが、不具の子であったがゆえに船の載せられて流された。ここまでは古事記に記載されているが、その後の蛭子命の消息については触れられていない。

地元には、その蛭子命が流れ着いて祀られたのが西宮の鳴尾浜であったという言い伝えがある。

第二殿

大国主命天照大御神が祀られている。

大国主命は、素戔嗚尊の子孫・養子・娘婿など、その出自は一定しないが、出雲国・伯耆国を中心として近隣諸国を平定し君臨した大王であったことは一致するところ。

その領地を、天津神(天照大御神)に返還するという神話「出雲の国譲」あるいは「葦原中國平定」は、時代の転換期を伝える大きなクライマックスの一つとして語り継がれている。

ちなみに、当神社の本来の祭神は大国主命であったという説もある。

第三殿

須佐之男命が祀られている。

天照大御神の弟神で荒々しくて粗野。あまりにも乱暴なため高天原を追放された荒ぶる神の代表格。しかし、出雲に降臨してからは、懐の深い英雄として描かれるという二面性を持つ神。

神仏習合の時代には、牛頭天王と習合し「天王社」あるいは「祇園社」などで、疫病退散の神として全国各地の村々に祀られた。これが、須佐之男命を祀る小規模神社が多い理由の一つである。

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西宮神社の歴史

西宮神社の創建年代は定かではない。

創建

もともとここには、廣田神社の境外摂社であるところの「浜の南宮」があった。廣田神社の南の浜に鎮座するから浜の南宮。西の宮ならぬ南の宮だったわけだ。

戎を祀る

何故そこが、戎を祀る神社となったのか。

平安時代の後期。ここから5kmほど東へ行ったところに鳴尾という漁師町があった。

ある日、漁をしていると木の人形が網にかかった。魚ではなかったので漁師は海に投げ捨てる。すると、またその人形が網にかかる。何度も何度も。

漁師は、よくよくその人形を見た。どうから神像のように見えるではないか。

自宅に持ち帰り祀ることにした。

ある晩、その漁師の夢枕に神が現れ「我は蛭子の神なり。我をここから西に行ったところにある良き神地に祀り直してくれぬか」と漁師に頼んだ。

漁師たちは神像を神輿に乗せて、西の神地を探し、ついに「浜の南宮」の境内に祀ることとなった。

このようなことから、蛭子の神は漁師たちの信仰を集めたことは言うまでもなく、その存在感を増していく。

ここに、「廣田神社」の摂社「南宮」の境内社「戎宮」という構成が形成されたわけだ。

戎社の隆盛

その後、この地は漁業の町から宿場町へと変化する。人々が集まり、そこに市が立つ。すると、戎神は漁業の神に加え「市場の神」「商売の神」という神格を得ることとなる。

そしてここは、「灘の宮水」と称される酒造りに適した魔法の水が湧出るところ。灘五郷の酒蔵の繁栄とともに、すなわち、白鹿・菊正宗・白鶴・剣菱・白鷹・大関・沢の鶴などなど、今でも酒を造り続けている大手酒蔵の寄進でもって、末社の「戎社」は隆盛を極める。

こうなると、庇を貸して母屋を取られるではないが、収入源の「戎社」の方がメインとなっていく。

このようにして、廣田神社の摂社であるところの「浜の南宮」は、一般的には「西宮戎社」という認識となっていったのである。

戎社の分離独立

とはいえ、神社というのは格式を重んじる世界。あくまでも名神大社である廣田神社の摂社であった。

明治維新後、戎社は廣田神社からの独立を果たし「西宮神社」と改称した。

ちなみに、元の「浜の南宮」は「南宮社」の社名で、廣田神社の境外摂社として今も境内に祀られている。

西宮神社のご利益

言うまでもなく「商売繁盛」「大漁満足」「金運向上」「開運招福」

とにもかくにも「福の神」なのであるからして。

西宮神社 参拝記録

阪神本線の西宮駅から南西に方向に徒歩で5分ほどの場所。駅近の神社と言えよう。

車で行かれる場合は、入り口や駐車場について事前に情報を得ておかないと戸惑うかもである。

入り口と駐車場

駐車場は境内の中(西南の角)にある。よって、いくつかある門から入ることになる。

簡単なのは、神戸方面からのアプローチだ。

神戸方面からお越しの場合は南門

  • 43号線沿いに南門がある。
  • そこから車で境内に乗り入れる。
  • 駐車場は近い。すぐわかるだろう。

大阪方面からお越しの場合は東門

  • 「戎前」の交差点を右折。えべっさん筋に入る。
  • 左手に西宮神社の「練塀」を見ながら北上。
  • 練塀の途中に小さな門「東門」がある。ここから入ってもよい。
  • しかし、練塀は重要文化財。万が一があっては困る。よってさらに北上する。
  • ムロカワ(室川)とういう質屋の角を左折。
  • その角には、小さいながら「西宮神社会館」の看板あり。
  • 神社境内に乗り入れる。そこからは「駐車場→」の看板あり。

ムロカワ質店までいく手前で、練塀が終わってしまうため、さも神社を通り過ぎてしまったかのように思えてしまう。

とにかく、ムロカワを探そう。

かく言う私は、神社の外側を3周もしてしまった。。。

西宮神社の拝殿

雄大な拝殿である。

大きな唐破風の反り具合が、その後ろの屋根の反り具合と微妙に異なっていて、その微妙な異なり具合が立体感を生んでいる。実にカッコいい。

拝殿からは、当社独特の三連春日造(西宮造とも)の本殿が間近に見える。

えびすの大神が鎮まる第一本殿は、一番右の神殿。
中でえびす大神がゴムまりのように跳ねている様子が想像される。

真ん中が、天照大御神と大己貴大神が鎮まる第二本殿。
天照大御神と大国主命の二柱だけで同じ神殿に鎮まっているとは、なかなか大胆だ。国を取った側と取られた側なのに。しかしプレイボーイの大国主命のことだから、よろしくやっているのやも知れぬ。。。

須佐之男大神は、一番左の神殿。そんな二人を横目で見ながら、呆れ顔で寝っ転がっているのではなかろうか。

二拝二拍手一拝。

境内社のご紹介

拝殿の前に神池があり、そこに太鼓橋がかかっている。

浮島に渡る橋だ。この橋は通行止めで、隣に別の橋がある。

浮島の社

浮島には、伊勢神宮遥拝所、市杵嶋社、宇賀魂社がある。

伊勢神宮遥拝所

 

宇賀魂社

全ての生き物の成育を司る「宇賀御魂命」を祀る。

市杵嶋社

かつては弁財天の名称で祀られていた。芸能と財福の神である。

嘉永橋を渡って藤棚の方へ

もうちょいしたら綺麗に咲きそろうのだろう。

この奥に、松尾社がある。

松尾神社

大山咋神、住吉三前大神、猿田彦命を祀る。酒の神、海上安全の神、道開きの神だ。

江戸時代に西宮・灘の酒蔵が共同で創建したという。

神明神社

神明社と言えば、天照大神を祀る神社を指すのだが、こちらはお稲荷さんである。

お稲荷さんもご存知の通り商売繁盛の神。現世利益をもたらすという。即効性を求めるならばお稲荷さんへ。

大国主西神社

縁結びの神「大己貴命」と薬の神「少彦名命」が祀られている大国主西神社。

延喜式神名帳に掲載されている「大国主西神社」の比定社となっているそうだが、それには異論もあり、ややこしいのでここでは割愛する。

六甲山神社と百太夫神社

六甲山神社(ろっこうざんじんじゃ)

左側が六甲山神社。祭神は菊理姫命(くくりひめのみこと)。

この社に参拝すると、六甲山頂の「石宮殿」の方向を向いて参拝する形となる。すなわち石宮殿の遥拝所でもあるのだ。

石宮殿は、六甲山山頂にある六甲山神社(こちらは、「むこやまじんじゃ」と読む)の奥宮。

菊理姫命が祀られているとされるが、一説には廣田神社の主祭神「撞賢木厳魂天疏向津媛命」の奥宮であるとも。となれば、瀬織津姫命とも言えよう。

いずれにしても女神である。

百太夫神社(ひゃくだゆうじんじゃ)

右側の社が百太夫神社。

かつて、正月の獅子舞の如く、夷人形を操り踊らせて家々を回って寿ぐ「夷舁き(えびすかき)」という宗教芸能者があった。

そんな「夷舁き」の祖神として祀られているのが「百太夫神」。

芸能の神であり、また、人形を操って子供たちを喜ばせたことから、子どもを守る神としても信仰を集めている。

よって、西宮神社に初宮参りをする場合、必ずこちらも合わせて参拝するのが習わしとなっている。

 

他にも、火産霊神社(火皇産霊神)、庭津火神社(奥津彦神・奥津比女神)、梅宮神社(酒解神)、沖恵美酒神社(沖恵美酒大神)など、20社を越える摂末社がある。

南宮神社

西宮神社の境内において、別格に祀られているのが、この「南宮神社」。

そりゃあそうだろう。神功皇后によって創建され、平安時代には「名神大社」に列し、近代においても「官幣大社」に列した、国家鎮護の西の大社「廣田神社」の摂社、いや別宮格の宮なのだから。

廣田神社の神宝である「剣珠」は、南宮に奉納されていたというのも、別宮扱いであったことの証と言えよう。

祭神は、豊玉姫神・市杵嶋姫神・大山咋神・葉山姫神

まとめ

国家鎮護の名神大社の別宮「浜南宮」の境内に祀られた「蛭子神の神像」が、900年の時を経て西宮神社と名を変え、全国のえびす宮の総本宮に発展した。

発展した神社であるからして、西宮神社の神地はイヤシロ地でもあろうし、パワースポットでもあろう。

いつまでも滞在したいと思える神社が良い神社。まさに西宮神社は、そんな良い気を湛える神社であると、私は思う。

その境内は広く、今回ご紹介させていただいたスポット以外にも見どころはたくさんあるので、ゆっくりと散策頂ければと思う。

最後までお読み頂き、ありがとうございました!

西宮神社 概要

  • 所在地   兵庫県西宮市社家1-17
  • 電話番号  0798-33-3021
  • 主祭神  えびす大神、天照大御神、大己貴大神、須佐之男大神
  • 創建年      不明
  • 社格   県社
  • 公式HP     https://nishinomiya-ebisu.com/index.html

西宮神社 アクセス

MAP

〒662-0974 兵庫県西宮市社家町1−17

最寄り駅

  • 阪神本線「西宮」 徒歩5分

駐車場

  • あり(無料)