徃馬坐伊古麻都比古神社|徃駒大社|火の神を祀る神社は、超純粋な浄化と癒しのパワースポットだ!

2016年7月22日

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徃駒大社ともいわれる徃馬坐伊古麻都比古神社は、生駒山の頂きから真東、奈良県生駒市壱部の山裾に鎮座する、延喜式神名帳に記載ある式内大社で、近代においては県社という、霊験あたらかな神社の一つである。(以後、徃駒大社)

当社の祭神は、古代より火を司る神として信仰されている。天皇即位の儀式のクライマックスともいえる大嘗祭で用いられる浄火を起こす道具である火燧木(ひきりぎ)は、当社が献上することとなっている。

このような由縁から、徃駒大社の祭り「火神祭」は、龍田大社の「風神祭」、広瀬大社の「大忌祭」と並んで、朝廷の崇敬を受けてきたという。

個人的な好みの問題であろうが、最上級の神社の一つと申し上げておく。ぜひ、訪れて頂きたい神社である。

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徃駒大社について

徃駒大社 概要

  • 所在地  〒630-0222 奈良県生駒市壱分町1527−1
  • 電話番号 0743-77-8001
  • 主祭神  伊古麻都比古神・伊古麻都比売神
  • 創建年  不明
  • 社格   式内大社・県社
  • 公式HP  http://www.ikomataisha.com/

徃駒大社 アクセス

MAP

最寄り駅

  • 近鉄生駒線「壱分」徒歩10分

駐車場

  • あり(無料)

徃駒大社の創建

創建年代は不詳。

大神神社の三輪山や、松尾大社の松尾山と同様に、生駒山をご神体として崇め奉ったのが創祇といわれている。

時代が下がり産土信仰の時代に入ると、山裾に山の神お迎えして祀ったのが神社の始まりとなろう。その産土神が、主祭神の「伊古麻都比古神」「伊古麻都比売神」である。

最も古い文献に登場するのは「総国風土記」の雄略天皇3年(458年)の条であるからして、かなりの古社だ。

鎌倉時代に八幡信仰が盛んになると、八幡神社に由来する神々すなわち、氣長足比賣命(神功皇后)・足仲津比古命(仲哀天皇)・譽田別命(応神天皇)・ 葛城高額姫命(神功皇后の母)・息長宿禰王(神功皇后の父)を合祀するようになり、現在の祭神構成となる。

徃駒大社の主祭神

主祭神の「伊古麻都比古神」「伊古麻都比売神」は、古代から「火の神」とされ信仰を集めてきた。

繰り返すが、、、

現在でも、天皇が即位する際に行われる、いわば天皇家で最も重要な祭祀であるところの「大嘗祭」において火を熾すために使われる「火燧木(ヒキリギ)」は、代々この徃駒大社から奉納されるのである。

10月10日の例祭は「火神祭」といわれ、燃え盛る松明を担いだ男たちが駆け巡る勇壮な祭りであるという。

同じ生駒山系の東麓に鎮座する龍田大社の「風神祭」、大和川にいくつもの河川が合流する地点(河合町)に鎮座する廣瀬大社の「水神祭」と並んで、朝廷の崇敬を集めたという。

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徃駒大社 参拝記録

駐車場

国道168号線から西へ入った、細い道沿いにある。カーナビは必須と思われる。

鳥居が見えると、鳥居の左横に参拝者専用駐車場が設けられているので、そこに停めていただければよい。また、鳥居の左横から境内に乗り入れることも可能だ。

正月でもない限り、止め放題だろう。

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禊場

駐車場のすぐ脇に「禊場」がある。滝が流れ落ちているはずだが、流れていない。以前は、このようなものは無かったと思うのだが、記憶違いか。。。

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一の鳥居を入ったところは、広いスペースになっている。初詣時期はここも駐車場として利用される。

このスペースを囲むように、東西南北に座が設けられている。

写真の左側が「高座」、右側が「北座」である。他に「南座」「管弦楽座」がある。

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癒しの隠れパワースポット 石段と楼門

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この石段を登り進むごとに、空気がひんやりとしてくるのがよくわかる。

この楼門の左右に狛犬が配置されているが、うっすらと苔むした様は非常に趣きがあってよろしい。

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ここまでくると、石段下との空気感の違いがよく分かると思う。この踊り場的に造られた楼門回りは、鎮守の森のリフレッシュパワーを全身で感じることができる隠れたパワースポットといえる。気持ちのよい場所である。残りの石段も軽やかに登れるはずだ。

拝殿

石段を登り切ったところに、拝殿がある。石段上から拝殿までの幅が意外に短いため、初詣時は石段まで行列が伸びるのである。

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広い拝殿。ここでご祈祷が行われる。巫女さんの舞神楽が美しいのである。

二拝二拍手一拝&天津祝詞の奏上(心の中で)を行う。と、久しぶりにあの感覚が蘇ったではないか。頭がグルグルと振り子のように回る。前後左右に体が揺れる。そして一陣の風が吹き抜ける。そして、心も体もスッキリするのである。これが私の、浄化パワーを感じた瞬間の状態である。

私は、この感覚が訪れた時、「神様が近づいてこられた」と解釈するのである。勝手ではあるが。そう考えるとうれしいではないか。

本殿

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これが、本殿左側、玉垣の格子の隙間から覗いた景観である。

7棟の春日造神殿が立ち並ぶさまは、まさに壮観である。本当に「美しい!」の一言に尽きる。

主祭神2柱だけではなく、八幡系の神々を合祀したが故に、この景観が成立するのである。枚岡神社もまた、天児屋根命と比売命の2柱に経津主命と建御雷命を合祀した、合計4棟であるからこその美しさがあるのだった。

運気上昇のパワースポット「ご神木」

この杉は、境内で最も高い木である。それも、飛びぬけて高い。神様が宿る杉として信仰を集めている。

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本殿左の境内社など

稲荷社と水神社

本殿の左となりに「稲荷社」宇迦之御魂神と、「水分社」水分神が祀られている。

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「稲荷社」は見ての通りの築浅物件である。そして稲荷社特有の「狐様」がおられない。

社の前に立つと、白木のいい香りがするのである。神社は古いものという固定観念があるのだが、古い神社も造営された直後はこのような香に包まれていたのだろう。

実に神聖な雰囲気が醸し出されている。「私の好きな場所」の一つに加えたいと思う。

「水神社」はもちろん水の神様である。

生駒山が信仰を集める理由の一つに「湧水」が多いということが挙げられる。

生駒山系地下の貯水量は極めて多いと聞く。すなわち湧水や山から流れ出る河川も多かったと思われるのである。

戎社と南末社

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画像の左側が「戎社」。生駒戎神社とも。祭神は事代主神である。

右側が「南末社」。祠が4基並んでおり、向かって右から「伊弉諾社」「住吉社」「猿田彦社」「月読社」となっている。

このあたりは、本殿前に比べるとキリっとした空気が流れているように感じる。

上溝桜(うわみぞざくら)

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この木が、ご神木「上溝桜」である。

本記事冒頭の「大嘗祭」に使用される「火燧木(ヒキリギ)」は、この御神木から切り出されたとのこと。

本殿右側の境内社

北末社

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北末社には、5基の祠が並ぶ。右から「豊受比売社」「仁徳天皇社」「神明社」「春日社」「大山祇神」

総じて、このように末社を一つの屋根下に収めている場合、その周囲の気流が乱れ、なんとも雑然とした印象を持ってしまいがちなのだが、こちらの「南末社」「北末社」とも、そのような印象が全くない。綺麗な気流である。

そして、やさしい暖かい空気である。

本殿に向かって、左側(南側)と、右側(北側)では、空気感が全く異なるのが面白い。左側は清涼で引き締まる気右側は暖かく癒される気である。お確かめあれ。

英霊殿

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普段は、このような「英霊殿」や「英霊社」などは、素通りしてしまいがちなのである。今回も素通りしそうになった。ところが、「呼び止められた」のである。そういう「気配がした」というのが正しいのであるが。なので、戻って参拝申し上げた。

リフレッシュのパワースポット 椎の杜

徃駒大社の社叢は「椎の杜」と名付けられている。県の天然記念物に指定された鎮守の森はマイナスイオン満載のリフレッシュスポットである。

歩いていると、木の枝からパサっパサっと地面に何かが落ちてくる。何かはわからない。いずれにしても木々に囲まれる気持ちよさは格別である。

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しかし夏場は蚊が多いということを申し上げておきたい。

最後に

完全に私見であり感じたままを記すので、あしからず。

徃馬坐伊古麻都比古神社を訪れると、誰もが感じることができると思うのだが、石段から上に行けば行くほどリラックスできる癒しと浄化のパワースポットである。

それは、生駒山をご神体として、生駒山を神格化した神社であるからだろう。純粋に山や川や土地に対する感謝の信仰だからだろう。

もっと言えば、ここは石上神宮や大神神社と同じく、神奈備をご神体している古社ではあるが、石上神宮や大神神社のような「怨霊封じ」的な側面が感じられないからだと思うのである。

生駒山は、大阪から見上げる容貌と、奈良から望む容姿とは全く異なる。さらに奈良の中でも、生駒の谷から見るそれと大和盆地から見るそれと、これまた異なるのである。

大阪側からは「そそり立つ厳しく高い壁」、生駒の谷からは「迫りくる、ふくよかに盛り上がった大きな塊」なのである。そして大和盆地からは「矢田丘陵の背後に霞んで見える秀麗な曲線」。

そしてさらなる違いは、大阪からは「日が昇る山」であり、奈良では「日の沈む山」なのである。

太陽が沈みゆく生駒山をご覧になったことがあるだろか。

空は山際のオレンジ色から天空に向かって紺色へのグラデーションが美しい。そして山はというと「紫色」。特別な色である。

やがて紫は漆黒となる。紫から黒へと変化する様は言いようもなく神秘的な光景なのである。

山への信仰が生まれないはずはないと私は思うのである。これは古代人に限らず、人間の純粋な気持ちではなかろうか。そういう気持ちを持ち続けたいものである。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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