警固神社|福岡天神|祓いの神に、足湯・稲荷・笑い狐。面白さ満載の都会の神社。

2019年4月23日

警固神社は、福岡県福岡市中央区天神にある神社。

天神といえば、大阪で言うところのキタやミナミに匹敵する大繁華街。境内の裏手には三越、向かいにはビックカメラ、手前にはルイ・ビトンと、まさに天神のど真ん中に警固神社は鎮座しているのである。

それだけに外国人観光客も訪れる観光スポットにもなっている。

しかし、境内に一歩入ると周囲の喧噪からは切り離された別空間が広がる。使い古された言葉だが、まさに「都会のオアシス」といった雰囲気で、ふんわりとした空気感がうれしい癒しスポットである。

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警固神社について

警固神社 概要

  • 所在地   福岡県福岡市中央区天神2-2-20
  • 電話番号  092-771-8551
  • 主祭神  八十禍津日神・神直毘神・大直毘神
  • 創建年      仲哀天皇9年
  • 社格   県社
  • 公式HP     https://kegojinja.or.jp/

警固神社 アクセス

MAP

最寄り駅

  • 地下鉄空港線「天神」 徒歩3分
  • 西鉄「福岡天神」 徒歩1分

駐車場

  • あり(有料)

警固神社の祭神

祭神は、警固大神。

相殿に建角身神・豊玉姫命・神功皇后・応神天皇を祀る。

警固大神

警固大神とは、八十禍津日神・神直毘神・大直毘神の三柱の神々を指す。

「八十禍津日神」(やそまがつひのかみ)

伊邪那岐命が黄泉の国から帰還して、その身に付いた穢れを祓うために禊を行った。

「上流は流れが速い。下流は流れが弱い。」と言って中流で身を清めたとき、剥がれ落ちた「穢れ」から生まれた神が「八十禍津日神」

「禍」とは「厄災」のこと。よって厄災を司る神である。

神直毘神(かみなおひのかみ)・大直毘神(おおなおひのかみ)

そして、その次に生まれたのが、神直毘神と大直毘神。

この神々は、八十禍津日神が持つ厄災をきれいサッパリと祓ってくれる神だ。

このように、恐ろしい「厄災を司る神」を崇め奉り、それと同時に「祓いの神」を合わせ祀ることで、厄災から逃れようという信仰なのであろう。

警固神社の創建

創建は、社伝によると、、、

神功皇后が三韓征伐から帰還した際、その船団を守護し勝利に導きたもうた警固大神をば、「福崎」と呼ばれた海岸沿いの丘(現在の福岡城本丸あたり)に祀ったのが始まり。

と同時に「筑紫館」という外交・国防・九州行政の機能を併せ持つ施設が設置された。これは後年、その行政部門が内陸部に分離移転され「太宰府」となるのである。

平安時代には外交施設「鴻臚館」(こうろかん)が造営され、さらに鎌倉後期には「元寇」の再来に備えた「異国警固番役」が設置される。これが警固村の由来であり、警固神社の名称の由来だ。

江戸時代初期。この警固村福崎に福岡城が築城されることになり、警固神社は一時的に下警固村の小烏神社(こからすじんじゃ)に合祀された。

その後、小烏神社とともに現在地に警固神社として遷座。今度は逆に、警固神社に小烏神社が合祀された格好になった。(その後、小烏神社は独立して遷座)

現在、相殿に祀られている「建角身神」は小烏神社を合祀した名残と言えよう。

警固神社のご利益

警固神社HPをそのまま引用しようと思う。

わたしたちに行く道を指し示し、
大きくお包みいただく神様が
お鎮まりになられています。

日々の罪けがれ、病や災いから
あなたを、家族を、恋人を、友人を、
警(いまし)め、固(かため)る神、警固神社です。

ちなみに、

絵馬に書いた名前や住所などの個人情報や願い事などが他人に見られないように、黄色の「シークレットシール」を貼るシステムが採用されている。優しい気遣いである。

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警固神社 参拝記録

地下鉄の天神駅を降りて、大通りを南へ歩く。三越が見えるだろう。その裏に警固公園と警固神社が並んでいる。迷うことは無いだろう。

社頭

鳥居の右側が駐車場への入り口である。境内右側面が駐車場となっているのだ。

手水舎

黒田家の家紋「下り藤」が彫り込まれた水盤。

水口は無い。水盤の底から常に水が湧いて出てくる仕様になっている。まさに源泉かけ流しの要領だ。

そのために、水面に浮かぶであろう細かなゴミが、すべて流れ出ていくシステムともいえる。

優しい心遣いがうれしい。

拝殿

コンパクトだが、カッチっとした頑丈そうな拝殿に、紫地に白で「固」の字をデザイン化した神紋が美しい。

実はこの神紋、平成28年に新しく採用された神紋なのである。それ以前は黒田家の家紋「下り藤」を神紋としていた。

時代の流れの中で薄れゆく神社や神道の存在意義を後世に残し伝えたいという思いから、デザイナーに依頼して生み出された神紋とのこと。

なかなか斬新なアイデアだ。

二拝二拍手一拝。

本殿

流れ造りで、外削ぎの千木に鰹木が5本。なかなか重厚な造りである。

境内社

本殿の両側斜め後ろに、境内社が鎮座している。

天照皇大神宮

本殿の右斜め後ろに「天照皇大神宮」。石の祠の中には皇大神宮の角祓が納められている。祭神は天照大御神であろう。

菅原神社

左後ろには「菅原神社」。祭神は菅原道真公。天照皇大神宮よりも一回り大きな石造りの祠だ。

本殿域から出て、右側。駐車場の奥に稲荷社が見える。

今益稲荷神社

今益稲荷神社は人生や商売など「今をますます豊にしてくれる神様」として信仰を集めている。

今益稲荷神社の笑い狐

稲荷社の狐は、怖いというか目つきが鋭いのものが多いのだが、こちらの狐は笑っている。もう一方はニヤっと微笑んでいる。

参拝後、この笑い狐を撫でると福がついてまわるという。

今益稲荷神社の裏側

本殿の下に、このような入り口が造られている。狐穴だろう。

なかなかもって、粋な設えではないか。

その他

拝殿前の神門の左側に、御神水と足湯がある。

御神水

この御神水は、理想的なミネラル水が出来あがる地層を再現した、すなわち人工的に作られたミネラルウォーターらしい。

「御神水」と彫られた下に龍の水口がある。金色の頭をひねると水が出てくる仕掛けだ。

一口飲ませていただいた。美味しいのである。

足湯

御神水のよこに「足湯」が設置されていた。誰もいないと思って入ったら妙齢の女性が。

「どうぞ~」と言ってほほ笑んだその笑顔が美しすぎて、、、ドギマギ、、、入らずに退散した。

私が、もう10歳若ければ、、、新たな出会いになったやもしれぬ。

まとめ

神紋の変更、絵馬の工夫、稲荷神社の雰囲気造りなどなど、今の時代に則した神社の在り方を求めて、警固神社は新しい取り組みを積極的に導入している。

これは、神代からの歴史にとらわれることなく、神代からの歴史を後世に伝えるという、一見相反する取り組みを同時に行うという神業をやってのけているに等しい。

現代に生きる神社の一つの方向性を発見したような気分。こちらの宮司さんの発想は、実に素晴らしいと感ずるのである。

あの足湯美人に再び会えることを願って、警固神社参拝記録を終わらせて頂こうと思う。

最後までお読み頂き、ありがとうございました!

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