鳥越神社|浅草橋|おおっ!とんでもない狛犬が!勝負と出世と子宝なら鳥越神社で決定!
鳥越神社は台東区鳥越に鎮座する古社。台東区の南東部の広範囲を氏地に持つ。
鳥越神社の神輿は「千貫神輿」と称され、都内で最も重い神輿。6月の鳥越祭では、その千貫神輿を氏子各町が引き継ぎながら氏地を練り歩く。
夕刻になると、神輿や町内の提灯に火が灯り、21時には宮入へ。その幻想的かつ荘厳な様は、見る人の心を震わせるという。
鳥越神社について
鳥越神社の祭神
現在は、日本武尊、天児屋根命、東照宮公が祀られている。
日本武尊
12代景行天皇の皇子。熊襲征伐を行い、帰還するやいなや今度は三種の神器の一つ「草薙剣」を携えて東国征伐を果たした、古代の英雄である。
東国征伐を終えて尾張の熱田に帰還したのち、草薙剣を持たずに伊吹山の荒ぶる神と戦い敗れ、三重の亀山あたり「能煩野」で最期を迎える。
日本武尊の神霊は「白鳥」となって大和国(御所市)・河内国(羽曳野市)に飛んで行き、最後は天に昇ったという。
天児屋根命
中臣氏(藤原氏)の祖神である。
岩戸隠れ神話において、祝詞を奏上した神。瓊瓊杵尊が降臨する際に随伴した五柱の神の一人。いわゆる天津神のエリートである。
それは天児屋根を祖神とした藤原不比等が、記紀編纂に関与していたことと無関係では無かろう。
東照宮公
言わずとしれた東照大権現「徳川家康公」である。
秀吉公は亡くなったのち豊国大明神として祀られたが、豊臣家は滅亡した。よって天海と崇伝は、家康公を「明神」として祀るは不吉として「権現」として祀ることにしたという。
鳥越神社の創建
白鳥明神
景行天皇の御代(西暦100年前後か)のこと。日本武尊は当地に滞在し、ここにあった小高い山に皇祖二柱を祀る神社(現:第六天榊神社)を創建した。
後世、日本武尊ゆかりの地ということで、この地を「白鳥村」、小高い山は「白鳥山」と称されるようになった。
時は流れて西暦651年(白雉2年)、日本武尊の御威徳を慕っていた村民達によって白鳥山に「白鳥明神」が奉祀された。これが鳥越神社の始まりという。
鳥越大明神
白鳥が鳥越になったのは?というと、、、
奥州安部氏の反乱を平定するために、源頼義・義家の父子が派遣されたときのこと。
ここに流れる大河(隅田川)を前にして行軍が止まった。川を越えられずにいたのである。
そこに一羽の白鳥が舞い降りてきて川の浅瀬に立ち、川を渡る道筋を示してくれた。
無事に軍隊を渡した義家は、「きっと白鳥明神のご加護であろう」と白鳥山の山頂に鎮座する白鳥明神に参拝し「鳥越大明神」の社号を贈ったという。
それ以降、鳥越神社と称するようになったと伝わる。
江戸時代に入ると、鳥越山は三度にわたって切り崩されることになる。
従い、鳥越山にあった日本武尊由来の三社すなわち第六天神社・鳥越神社・熱田神社は移転を余儀なくされ、第六天神社は堀田原へ、熱田神社は山谷へ、鳥越神社だけが奇跡的に当地に残ったという。
ちなみに、この3社を「鳥越三所明神」と称したようだ。
鳥越神社のご利益
日本武尊は日本史上類まれなる武神である。「戦勝の守護神」と言えよう。
関東では天日鷲命と日本武尊を「おとりさま」とし、「商売繁盛の守護神」として祀られることが多い。
また天児屋根命は、中臣氏(藤原氏)の祖神であるがゆえに、「出世の守護神」とされる。
鳥越神社 参拝記録
浅草橋駅から北へ、どの道でもいい。とにかく駅から北へ進むと大通りに出る。蔵前橋通りだ。
このように、蔵前橋通りに出れば、鎮守の森が見えるはずである。
社頭
石造の明神鳥居と、鳥越神社と刻まれた社標。
白鳥橋
鳥居の前に小さな橋「白鳥橋」が架かる。神域への入り口だ。
奥に「洗心」とある。手水でもって手口を漱ぐことで、心身とも清められるということだろう。
神様は穢れを嫌うのである。
リアルな狛犬
どこがリアルなのかは、一目瞭然であろう。ここまで作りこまれた狛犬は初めて見た。これは一見の価値ありである。
このイチモツに触れてから摂社「志志岐神社」にお参りすると子宝に恵まれるとか聞いたことがある。
真偽のほどは定かではない。
拝殿
ご神紋は「七曜紋」。これは、北斗七星を表し、星信仰・妙見信仰のシンボルとされる。
そして、千葉氏の家紋としても有名だ。神家の「鏑木家」は千葉氏の由緒正しい家柄なのである。
よって、鳥越神社は千葉氏の奉ずる神社と言える。
さて、鳥越という名称の由来は「源義家公」にあると前述したが、別の説がある。
「平将門公の首が白鳥山を飛び越えていった」という説だ。「とびこえ」が「とりごえ」になったというわけである。そして、その首がここに埋められているとも。
千葉氏の祖先は平将門の叔父にあたる人。平将門公の家門は「九曜紋」で星信仰・妙見信仰の信者の紋である。
さあ、鳥越神社と将門公が、千葉氏と妙見信仰で繋がった。真相やいかに。
二拝二拍手一拝。
福寿神社
祭神は、倉稲魂命、大黒天神、恵比寿神、菅原道真公とバラエティに富んだ神社である。
伏見稲荷大社の神奈備山である「稲荷山」のお塚の一つ「福寿社」からの勧請と伝わる。そこに、この地域にあったいくつかの神社を合祀したものと思われる。
ご利益は、商売繁盛と衣食住安心、福徳開運・長寿・病気平癒、そして学業向上である。
志志岐神社
対馬国下県郡久田にある志志岐神社から勧請した「豊玉姫命」が祀られている。
こちらに遷座する前には、対馬府中藩の江戸屋敷内で屋敷神として祀られていたようだ。
安産の神
さて、豊玉姫命の父は、海の大神である「大綿津見神」。夫は、天孫「瓊瓊杵尊」の御子「山幸彦」こと「 火遠理命」。そして、初代神武天皇の父となる「鵜草葺不合命」の母神だ。
「鵜草葺不合命」(うがやふきあえずのみこと)の神名の意味は、
- 鵜草(うがや)は、鳥の「鵜」の羽で作る産屋のこと。
- 葺不合(ふきあえず)は、完成していないこと。
「鵜草葺不合命」の神名から、豊玉姫命は産屋が完成する前に出産したということがわかる。よって安産の神・屋敷の神として信仰を集めている。
最後までお読み頂きありがとうございました!
鳥越神社 概要
- 所在地 東京都台東区鳥越2丁目4−1
- 電話番号 03-3851-5033
- アクセス 都営浅草線「蔵前駅」徒歩5分
JR総武線「浅草橋駅」徒歩8分 - 駐車場 なし
- 主祭神 日本武尊
- 創建年 651年
- 社格 郷社
- 公式HP http://www004.upp.so-net.ne.jp/kab_ra/
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