瀬織津姫命(せおりつひめ)|封印された女神。その正体とは。

2018年4月23日

前ページの通り、瀬織津姫は、記紀には登場しない。

由緒ある神社には、入り口付近に祓戸社が設置されていて「祓戸四神」が祀られが、その「祓戸四神」の役割を具体的に表してくれている祝詞がある。最強の祝詞と言われる「大祓詞」である。

また、全く異なるスタンス、すなわち天照大御神の妃として登場するのが、ホツマツタヱである。

このページでは、これらをご紹介しようと思う。

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大祓詞(おおはらへことば)

大祓詞は長文であるため、興味のある方は、こちらで全文表示していただきご覧いただきたい。

高天原に神留り坐す 皇親神漏岐 神漏身の命以ちて

たかまのはらにかむづまります すめらがむつかむろぎ かむろみのみこともちて

八百萬神等を 神集へに集へ賜ひ 神議りに議り賜ひて

やをよろずのかみたちを かむつどへにつどへたまひ かむはかりにはかりたまひて

我が皇御孫命は 豊葦原水穂國を 安國を平けく知ろし食せと 事依さし奉りき

あがすめみまのみことは とよあしはらのみずほのくにを やすくにをたひらけくしろしめせと ことよさしまつりき 

此く依さし奉りし國中に 荒振る神等をば 神問はしに問はし賜ひ

かくよさしまつりしくぬちに あらぶるかみたちをば かむとはしにとはしたまひ 

神掃ひに掃ひ賜ひて 語問ひし磐根 樹根立草の片葉をも語止めて

かむはらひにはらひたまいて こととひしいわね きねたちくさのかきはをもことやめて

天の磐座放ち 天の八重雲を伊頭の千別きに千別きて 天降し依さし奉りき

あめのいわくらはなち あめのやへぐもをいつのちわきにちわきて あまくだしよさしまつりき

此く依さし奉りし四方の國中と 大倭日高見國を安國と定め奉りて

かくよさしまつりしよものくになかと おほやまとひだかみのくにをやすくにとさだめまつりて

下つ磐根に宮柱太敷き立て 高天原に千木高知りて

したついはねにみやばしらふとしきたて たかまのはらにちぎたかしりて

皇御孫命の瑞の御殿仕へ奉りて 天の御蔭 日の御蔭と隠り坐して

すめみまのみことのみずのみあらかつかへまつりて あめのみかげ ひのみかげとかくりまして

安國と平けく 知ろし食さむ國中に成り出でむ天の益人等が

やすくにとたひらけく しろしめさむくぬちになりいでむあめのますひとらが

過ち犯しけむ種種の罪事は  天つ罪 國つ罪 許許太久の罪出でむ

あやまちをかしけむくさぐさのつみごとは あまつつみ くにつつみ ここだくのつみいでむ

此く出でば 天つ宮事以ちて 天つ金木を本打ち切り 末打ち断ちて

かくいでば あまつみやごともちて あまつかなぎをもとうちきり すゑうちたちて

千座の置座に置き足らはして 天つ菅麻を 本刈り断ち 末刈り切りて

ちくらのおきくらにおきたらはして あまつすがそを ひとかりたち すゑかりきりて

八針に取り辟きて 天つ祝詞の太祝詞を宣れ

やはりにとりさきて あまつのりとのふとのりとをのれ

此く宣らば 天つ神は天の磐門を押し披きて 

かくのらば あまつかみはあめのいはとをおしひらきて

天の八重雲を伊頭の千別きに千別きて 聞こし食さむ

あまのやへぐもをいづのちわきにちわきて きこしめさむ

國つ神は高山の末 短山の末に上り坐して 

くにつかみはたかやまのすゑ ひきやまのすゑにのぼりまして 

高山の伊褒理 短山の伊褒理を掻き別けて聞こし食さむ 

たかやまのいぼり ひきやまのいぼりをかきわけてきこしめさむ 

此く聞こし食してば 罪と云ふ罪は在らじと 

かくきこしめしてば つみといふつみはあらじと 

科戸の風の天の八重雲を吹き放つ事の如く 

しなどのかぜのあめのやへぐもをふきはなつことのごとく

朝の御霧 夕の御霧を 朝風 夕風の吹き拂ふ事の如く

あしたのみぎり ゆふべのみぎりを あさかぜ ゆふかぜのふきはらふことのごとく

大津邊に居る大船を 舳解き放ち 艪解き放ちて 大海原に押し放つ事の如く

おほつべにをるおほふねを へときはなち ともときはなちて おほうなばらにおしはなつことのごとく

彼方の繁木が本を 焼鎌の敏鎌以ちて 打ち掃ふ事の如く

をちかたのしげきがもとを やきがまのとがまもちて うちはらふことのごとく

遺る罪は在らじと 祓へ給ひ清め給ふ事を

のこるつみはあらじと はらへたまひきよめたまふことを

高山の末 短山の末より 佐久那太理に落ち多岐つ

たかやまのすゑ ひきやまのすゑより さくなだりにおちたぎつ

速川の瀬に坐す 瀬織津比売と云ふ神 大海原に持ち出でなむ

はやかはのせにます せおりつひめといふかみ おほうなばらにもちいでなむ

此く持ち出で往なば 荒潮の潮の八百道の八潮道の潮の八百會に坐す

かくもちいでいなば あらしほのしほのやほぢのやしほぢの しほのやほあひにます

速開都比売と云ふ神 持ち加加呑みてむ 此く加加呑みてば

はやあきつひめといふかみ もちかかのみてむ かくかかのみてば

氣吹戸に坐す氣吹戸主と云ふ神 根國 底國に氣吹き放ちてむ

いぶきどにますいぶきどぬしといふかみ ねのくに そこのくににいぶきはなちてむ

此く氣吹き放ちてば 根國 底國に坐す速佐須良比売と云ふ神

かくいぶきはなちてば ねのくに そこのくににますはやさすらひめといふかみ

持ち佐須良ひ失ひてむ 此く佐須良ひ失ひてば 罪と云ふ罪は在らじと

もちさすらひうしなひてむ かくさすらひうしなひてば つみといふつみはあらじと

祓へ給ひ清め給ふ事を 天つ神 國つ神 八百萬神等共に 聞こし食せと白す

はらへたまひきよめたまふことを あまつかみ くにつかみ やほろづのかみたちともに きこしめせとまをす

瀬織津姫命を始めとする祓戸四神が登場する場面だけを抜粋すると、以下の通りである。

大祓詞(抜粋)

遺る罪は在らじと 祓へ給ひ清め給ふ事を

のこるつみはあらじと はらへたまひきよめたまふことを

高山の末 短山の末より 佐久那太理に落ち多岐つ

たかやまのすゑ ひきやまのすゑより さくなだりにおちたぎつ

速川の瀬に坐す 瀬織津比売と云ふ神 大海原に持ち出でなむ

はやかはのせにます せおりつひめといふかみ おほうなばらにもちいでなむ

此く持ち出で往なば 荒潮の潮の八百道の八潮道の潮の八百會に坐す

かくもちいでいなば あらしほのしほのやほぢのやしほぢの しほのやほあひにます

速開都比売と云ふ神 持ち加加呑みてむ 此く加加呑みてば

はやあきつひめといふかみ もちかかのみてむ かくかかのみてば

氣吹戸に坐す氣吹戸主と云ふ神 根國 底國に氣吹き放ちてむ

いぶきどにますいぶきどぬしといふかみ ねのくに そこのくににいぶきはなちてむ

此く氣吹き放ちてば 根國 底國に坐す速佐須良比売と云ふ神

かくいぶきはなちてば ねのくに そこのくににますはやさすらひめといふかみ

持ち佐須良ひ失ひてむ 此く佐須良ひ失ひてば 罪と云ふ罪は在らじと

もちさすらひうしなひてむ かくさすらひうしなひてば つみといふつみはあらじと

祓へ給ひ清め給ふ事を 天つ神 國つ神 八百萬神等共に 聞こし食せと白す

はらへたまひきよめたまふことを あまつかみ くにつかみ やほろづのかみたちともに きこしめせとまをす

意味はというと、

大祓詞(抜粋)大意

(祓い清められた全ての罪は) 高い山・低い山の頂上から、勢いよく流れ落ちてきて 

渓流の瀬にいらっしゃる「瀬織津姫神」が大海原に流してくれるだろう。 

このように流された罪は、荒海の多くの流れが合わさって渦巻くあたりにいらっしゃる、

速開都比売神が、ガブガブと呑んでくれるだろう。このようにガブガブ呑まれた罪は、

気吹戸にいらっしゃる気吹戸主神が、根の国・底の国に吹き払ってくれるだろう。 このように吹き払われた罪は、

根の国・底の国にいらっしゃる速佐須良比売神が、 どこか知らないところに持ち去って、

罪という罪は全て祓い清めてくれる

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ホツマツタヱ

祝詞以外では、前述のとおり「ホツマツタヱ」に登場する。具体的には、、、

天の巻(六)アマテルの12妃の制定

・・・・・ サクラウチガメサクナタリ
セオリツホノコサノスケニ ・・・・・・・

サクラウチの娘サクナタリ・セオリツ・ホノコ南のスケ后となり、

このように、セオリツヒメは、はじめはアマテルの12人の妃の一人で、南のスケという地位であった。

サクナタリ・セオリツ・ホノコとは、「滝から崩れ落ちるように、背が階段を落ち下った、ホノコ」という意味で、瀬織津姫の本名は「ホノコ」ということになろうか。

天の巻(六)セオリツヒメの内宮昇格

・・・・・ ソノナカヒトリスナオナル
セオリツヒメノミヤビニハ キミモキサハシフミオリテ
アマサガルヒニムカツヒメ ツヒニイレマスウチミヤニ
カナヤマヒコガウリフヒメ ナカコオスケニソナヱシム 

その中の一人の素直な
セオリツヒメの気高くも優美な様には、君も階段を踏み下りて 
アマサカルヒ ニムカツヒメ(と名付け) 遂には迎え入れられた 内宮に。
カナヤマヒコの娘の ウリフ姫 ナカコが空いた南のスケ后が 代わりに据えられた

このように、大君が自ら玉座から降りて妃を迎えたという。この行為は、あり得ないと思われる。それほどまでに、アマテルはセオリツに心を奪われたということであろう。

そして、内宮に入る瀬織津姫は「あまさかるひに むかつひめ」という称名たたえなを得たわけだ。この意味はというと、「降りてきた日神(君)に向かった姫」

さて、代わりに南のスケに据えられた「ウリフ姫ナカコ」の「ウリフ」は、閏年の「閏:うるう」。臨時を表す「閏」の語源であろう。

さて、次の通り、ムカツヒメが皇子を生むシーンも描かれている。

・・・・・ ナリテイサワニ ミヤウツシ
ココニイマセバムカツヒメ  フヂオカアナノオシホヰニ
ウブヤノミミニアレマセル  オシホミノミコオシヒトト
イミナオフレテカミアリノ  モチヰタマエバタミウタフ 

そこでイサワに 都を移し
ここに居住していたら ムカツヒメが フジオカアナの オシホイの
産屋で生まれ出た オシホミの皇子の オシヒト
いみなを宣して 餅飯を配ると 民が唄った

イサワとは現在の「伊雑宮」とされ、忍穂井とは「神宮外宮の上御井神社」の場所を指すとされる。

ムカツヒメ(瀬織津姫)が、藤岡穴の忍穂井の縁に産屋を建ててて、皇子:忍穂耳を生み、ホシヒトを真名(いみな)として振れまわったという内容である。

古事記では、忍穂耳命は天照大神と須佐之男命の誓約によって生まれた第一子とされているが、ホツマツタヱではムカツヒメ(瀬織津姫)と天照大神(アマテル)との御子となっているのは驚きである。

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上御井神社は外宮の山中にあり、立入禁止区域となっているため参拝は叶わない。よって、山の麓にある下御井神社に参拝するしかないのである。

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廣田神社(西宮市)

現在の祭神は、撞賢木厳之御魂天疎向津媛命(天照大神荒魂)となっているが、戦前までは瀬織津姫を祀ると記載されていた。兵庫県随一の神社である。

御霊神社(大阪市西区)

天照大神荒魂を主祭神として祀る神社。当社では天照大神荒魂を「瀬織津姫命」と明言している。

小野神社

武蔵国開墾の神「天之下春命」と「瀬織津姫命」の二柱が主祭神。武蔵國一之宮の論社という由緒ある神社である。

最後までお読み頂き、誠にありがとうございました!

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