天照大神(あまてらすおおみかみ)|三貴神(三貴子)
天照大神(あまてらすおおみかみ)は、日本神話に登場する神。
伊勢の神宮内宮に祀られている。皇室の祖神であり、かつ、日本人の総氏神ともされる。
天照大神の概要
天照大神の神名
- 天照大御神(あまてらすおおみかみ)≪≫古事記
- 天照大神(あまてらすおおかみ、あまてらすおおみかみ)≪≫日本書紀
- 大日孁貴神(おおひるめのむちのかみ)≪≫日本書紀
- 天照皇大神(あまてらすすめおおかみ)≪≫神宮
- 皇大御神(すめおおみかみ)≪≫神宮
- 天照坐皇大御神(あまてらしますすめおおみかみ)≪≫神宮
- 大日女尊(おおひるめのみこと)
- 大日霊(おおひるめ)
- 大日女(おおひめ)
天照大神の本地
- 大日如来 ≪≫ 真言宗
- 釈迦牟尼仏(釈迦如来) ≪≫ 日蓮宗・法華宗
天照大神の神格
- 太陽神
- 皇祖神
- 高天原の主催神
- 日本の総氏神
天照大神の神徳
あらゆるご神徳を発揮する偉大な神とされているが、特に日本の総氏神としてのご神徳としては、、、
- 国土平安
- 五穀豊穣
- 生命力向上
天照大神の系譜
古事記を参考に、天照大神の系譜を記載しておく。
- 父 ≫≫伊邪那岐命(いざなぎのみこと)
- 母 ≫≫ なし
- 弟 ≫≫ 月読命(つくよみのみこと)
- 弟 ≫≫ 建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)
- 夫 ≫≫ なし ただし、 建速須佐之男命との誓約を結婚と解釈する場合もある。
- 子 ≫≫ 建速須佐之男命との誓約により、5男3女をもうける。
子の5男神は、天照大神の玉から生まれたので、天照大神の子とする。
- 天之忍穂耳命 (あめのおしほみみ)≫≫ 邇邇芸命の父神。神武につながる。
- 天之菩卑能命(あめのほひ) ≫≫ 出雲国造の祖。
- 天津日子根命(あまつひこね) ≫≫ 凡河内国造などの祖。
- 活津日子根命 (いくつひこね)≫≫ 生国魂神社の祭神と同一とも。
- 熊野久須毘命 (くまのくすひ)≫≫ 熊野三山の元々の祭神という説あり
3女神は、 建速須佐之男命の剣から生まれたので、 建速須佐之男命の子とする。
- 多紀理毘売命 ≫≫ 宗像三女神の一柱
- 市寸島比売命 ≫≫ 宗像三女神の一柱。神仏習合において弁財天と習合。
- 多岐都比売命 ≫≫ 宗像三女神の一柱
天照大神が登場する神話
天照大神が登場する神話から、太陽神であることを伺える有名な神話をば、一つだけご紹介しようと思う。
岩戸隠れ神話
須佐之男命は高天原で、田の畔を壊して溝を埋めたり、御殿に糞を撒き散らしたりの乱暴を働いた。
はじめのうち天照大神は、「何か訳あってのことだろう」と言って、これをかばった。
今度は、須佐之男命が機屋の屋根に穴を開けて、皮を剥いだ馬を投げ入れたため、驚いた1人の天の服織女の陰部に梭(ひ)が刺さって死んでしまった。
これにはさすがに堪忍袋の緒が切れて、天照大神は岩戸に隠れてしまった。
すると、高天原も葦原中国も暗闇となり、さまざまな禍が発生した。
そこで、八百万の神々が天の安河の川原に集まり、対応を相談した。
常世の長鳴鳥(鶏)を集めて鳴かせたり、さまざまな儀式を行ったが効果がなかった。
そこで、、、
伊斯許理度売命に天の安河の川上にある岩と鉱山の鉄とで、八咫鏡(やたのかがみ)を作らせ、玉祖命に八尺の勾玉の五百箇のみすまるの珠(八尺瓊勾玉・やさかにのまがたま)を作らせた。
天児屋命と太玉命を呼んで、雄鹿の肩の骨とははかの木で占い(太占)をさせた。
賢木(さかき)を根ごと掘り起こし、枝に八尺瓊勾玉と八咫鏡と布帛をかけ、太玉命が御幣として奉げ持った。
天手力雄神が岩戸の脇に隠れて立った。
さあこれで、準備完了。いよいよ実行にうつす。
天児屋命が祝詞(のりと)を唱え、天宇受賣命が岩戸の前に桶を伏せて踏み鳴らし、神憑りして胸をさらけ出し、裳の紐を陰部までおし下げて踊った。
これに八百万の神々が一斉に笑った。
天照大神は訝しんで天岩戸の扉を少し開けて問う。
「自分が岩戸に篭って闇になっているのに、なぜ、天宇受賣命は楽しそうに舞い、八百万の神は笑っているのか」
天宇受賣命が答える。
「貴方様より貴い神が表れたので、喜んでいるのです」
天児屋命と太玉命が天照大神に鏡を差し出した。
鏡に写る自分の姿をその貴い神だと思った天照大神が、その姿をもっとよく見ようと岩戸をさらに開ける。
そこを隠れていた天手力雄神がその手を取って岩戸の外へ引きずり出した。
すぐに太玉命が注連縄を岩戸の入口に張り、「もうこれより中に入らないで下さい」といった。
こうして天照大神が岩戸の外に出てくると、高天原も葦原中国も明るくなった。
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