片岡神社|名神大社|大和の西玄関「王寺町」の総鎮守。祈雨の大神が祀られる神域に癒されるのだ。
片岡神社は、奈良県北葛城郡王寺町に鎮座する、式内社名神大社であった「片岡坐神社」に比定されている由緒ある神社である。国家的な「祈雨の祭祀」が行われていたようだ。
もともとは、王寺町元町大峰に鎮座した。元町大峯とは、現鎮座地の裏山「片岡丘陵」の向こう側、すなわち大和川に面した斜面一帯を指す。大峯は王寺工業高校の北西、住宅地の中に「元宮」として今も存在する。
ここは、大和の西の玄関口であり、東は三輪・纒向・飛鳥・高市、北は平群・矢田・生駒、南は当麻・葛城という古代有力豪族の本拠地を結ぶ水運と陸路が集中する、まさに要衝である。
その要衝を見下ろすように、龍田大社と片岡坐神社が大和川を挟んで東西に並び立っていたという図式になるのだ。
現在では、王寺の総氏神として崇敬を集めている。
片岡神社について
片岡神社 概要
- 所在地 奈良県北葛城郡王寺町本町2丁目6−1
- 電話番号 0745-78-7535
- 主祭神 八幡大神・住吉大神・豊受大神・清滝大神・天照大神
- 創建年 不詳
- 社格 名神大社・郷社
- 公式HP なし
片岡神社 アクセス
MAP
最寄り駅
- JR西日本大和路線・和歌山線王寺駅から徒歩15分
駐車場
- なし
片岡神社の創建
創建年代は不詳である。
文献には、西暦806年に片岡神の神戸に関する記載があるため、そのころには既に創建されていたとされる。また西暦859年には正五位下に昇叙された記述も残っている。
この地に遷座されたのが1843年。それまでに2回遷宮されたとも言われている。
片岡神社の祭神
神社には由緒や祭神の説明がない。王寺町観光協会の情報では、八幡大神・住吉大神・豊受大神・清滝大神・天照大神が祀られているとされる。
祈雨の霊験あらたかであったということ、神名帳には「片岡坐神社、祭神一座」とあることから、そもそもの祭神は、水を司る神であろう「清滝大神」の一柱であったとするのが妥当ではないだろうか。
八幡大神、住吉大神、豊受大神、天照大神については、後年の勧請と思われる。
神仏習合時に清瀧権現と呼ばれた龍王すなわち水神である。龍王の中でも、空海が神泉苑で祈雨修法をおこなったときに出現して雨を降らせたという「善女(善如)龍王」と同一とされる。となると、女神ということになろう。
片岡神社のご利益
もちろん、天候順調による五穀豊穣が一番であろう。
勝負運、航海・交通安全などのご利益もいただけそうである。
片岡神社 参拝記録
ここは駅から歩くには距離がある。王寺駅からバスに乗ることになろう。
私は車でアプローチした。しかし、神社に駐車場はない。路駐も厳しい。よって、道路を挟んで向かい側にある「達磨寺」の駐車場に駐車させていただいた。
片岡神社参拝後に達磨寺にもお参りしようではないか。それで許していただきたい。
片岡神社の朱色の鳥居が、王子小学校の校庭を囲むフェンス越しに見える。
朱色と黒のコントラストが美しい鳥居である。
手水舎は左側にある。左側通行ということか。。。と思いつつ本殿への参道を見ると!
参道と拝殿
「神道」の立札がある。中央は神様の通り道だから人は通ってはいけないのだ。玉砂利が敷いてある。
「中央は通らない。」これは参拝の基本的な作法の一つではあるが、日本人の意識の中で次第に薄れつつある。もしくはご存知ない方も多いのではないだろうか。
どうやら神道は最近に設置されたようである。参拝者の失敬を見かねた氏子さんたちが設置したのだろうか。ここまで明確にして頂けるとありがたい。
さて、拝殿にて参拝しよう。二礼二拍手一礼。小鳥のさえずりが心地良い。
次は、向かって左手の摂社に参拝だ。
摂社拝殿
この拝殿の向こう側に、いずれも近隣から遷宮申し上げた4つの社が並んでいる。
大原神社
中村に鎮座していた神社から勧請。祭神は「門部王命」
「門部王命」とは聞きなれない神名である。調べると次の通りであった。
門部王命とは「大原氏」の氏神。大原氏は放光寺を創建した百済系の渡来氏族。大原氏が祖神の祟りを鎮めるために大原神殿を創建。それが大原神社である。 |
金計神社
大田口に鎮座していた神社から勧請。祭神は「天児屋根命」
住吉神社
神仏分離の際に、門前の達磨寺からの勧請。祭神は「中筒男命」
弁天神社
神仏分離の際に、門前の達磨寺からの勧請。祭神は「市杵島姫命」
稲荷社
本殿に向かって左側に、稲荷社が鎮座する。鳥居の扁額には「吉岡大明神」とある。
中を覗いてみる。
今度は「賢岡大明神」とある。「吉岡大明神」はどこにいったの?
祭神は、宇迦之御魂大神であろう。稲荷山のお塚信仰のごとく自由に神名をつけることができるのだから、「賢岡」でも「吉岡」でも、どちらでもいいのである?ほんとに?
パワースポット
本殿に向かって境内左(南)に生えている樹木の前が、おだやかな空気に包まれる気持ちのいい場所であった。人はこういう場所で癒されるのだ。ここを私のパワースポットとしておこう。
さて、片岡神社の参拝を終え、駐車場をお借りした達磨寺に参詣することにする。
達磨寺 概要
発祥逸話
『日本書紀』によると、推古天皇21年(613年)12月、聖徳太子が道のほとりに伏せっていた飢人を見つけ、飲み物と食べ物、それに衣服を与えて助けましたが、飢人は亡くなりました。そのことを大いに悲しんだ聖徳太子は、飢人の墓をつくり、厚く葬りましたが、数日後に墓を確認してみると、埋葬したはずの飢人の遺体が消えてなくなっていました。
この飢人が、のちの達磨大師の化身と考えられるようになり、達磨寺は生まれました。達磨寺 公式HPより
国指定重要文化財が4点、県指定文化財1点などの文化財や、松永久秀の墓など、歴史好きにはたまらない寺院であるが、その中で私が最も興味を抱いたのもというと、、、
病気平癒のパワースポット 薬師石
立札に書かれてあるとおり、
「目を閉じて近寄り、両手で抱けば病気が全癒すると伝えられる石である。」
とのこと。
こういうのを見ると、やりたくなるのが人。とはいうものの、私一人での参詣で、しかもスーツ姿である。
皆さん。スーツ姿のおっさんが、目を閉じて石に近付いていく姿を想像して頂きたい。さらには、石に抱きつくのだから、とんでもない話である。出来るはずがない。
しかし、ここでやらねば男がすたる!
人の目が途切れた瞬間を見計らって決行だ!
、、、1分後、、、
ミッション完了。
うーん。この心地よさはなんなんだろう。なんとも言えない充実感、いや、達成感すら覚える。
皆さんも一度体験してみてはいかがかな?一人で。。。
最後までお読み頂き、ありがとうございました!
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