今宮戎神社| 商売繁盛の守護神「えべっさん」十日戎で福を授かろう!
今宮戎神社は、大阪市浪速区恵比寿に鎮座する別表神社である。関西では「えべっさん」と呼ばれて親しまれている商売繁盛の神様である。
おおさか七幸めぐりの一つであり、大阪七福神の恵比寿神とされている。
毎年1月9日~11日に盛大に開催される「十日戎」が有名。後ほど紹介したいと思う。
今宮戎神社について
今宮戎神社 概要
- 所在地 大阪府大阪市浪速区恵美須西1丁目6−10号
- 電話番号 06-6643-0150
- 主祭神 天照皇大神・事代主命・素盞鳴尊・月読尊・稚日女尊
- 創建年 600年(社伝)
- 社格 郷社・別表神社
- 公式HP http://www.imamiya-ebisu.jp/
今宮戎神社 アクセス
MAP
最寄り駅
- 南海高野線「今宮戎駅」徒歩1分
駐車場
- なし と思われる。
今宮戎神社の創建
今宮戎の創建年代と経緯については諸説ある。
「四天王寺の西の守り神」説
今宮戎神社の社伝によると、四天王寺建立の際に、西の守り神として聖徳太子によって創建されたとする言い伝えがあるとのこと。となると、西暦600年になる。
しかし社伝以外の文献は見当たらなかった。あったらごめんなさい。
「西宮神社の分霊」説
西宮神社は戎神社の総本社とされている。その西宮から分霊して祀ったため、新しい宮=今宮と呼ばれるようになったとするのだが。。。
西宮神社の創建年代については不詳。文献での初見は平安時代1129年とのこと。となると今宮戎神社も平安の創建となろうか。
祇園・八坂神社の「北向蛭子社」の分霊説。
八坂神社の氏子が今村に移り住んだ時に、八坂神社の戎社から分霊して祀ったとする。氏子が移り住んだのが平安時代らしいので、今宮戎神社の創建も平安時代ということになるだろう。
この説は、八坂神社のHPで紹介されている。なんとなく最も信憑性が高そうな気がする。
いったいどうなん?
八坂神社と今宮戎神社との関係はかなり深いようだ。
祇園祭では今宮戎神社から八坂神社に幣帛を奉納し、正月には鯛を奉納する。
逆に十日戎の際には、八坂神社から今宮戎神社に「神水」が供えられるという習わしが続いている。
また、四天王寺とも関係が深いようで、四天王寺の西門まで「神輿」の渡御が行われたり、西門前で開催される「浜の市」の「市の神」として今宮戎神社の戎神を祀ったという。
一方で、西宮戎神社との関係性はあまり聞かない。祭神も「蛭子神」と「事代主命」と同じ「エビス神」ではあるが、実体は別神である。
今宮戎神社の祭神
現在の祭神は次の通り。
天照坐皇大御神
一般的な天照大御神である。神前において、一般的な女神(大日孁貴・一説には向津姫)であるところの天照大神の名を祝詞などで発声する際に用いる敬称である。
事代主命
大国主命の御子である。国譲り神話において、国譲りを迫られた大国主命は息子たちの意見を聞く。兄の事代主命は「承知した」とだけ答えて消えたという。弟の建御名方命はそれに抵抗して敗北。諏訪の地へ追いやられたという。
このとき、事代主命は海で釣をしていたという設定で、「釣り好きの神」から、海に関係が深く記紀には登場しない「えびす」という神に比定されたようだ。
同じように、「蛭子神」も海に関係が深いので「えびす神」に比定されたというわけだ。
つまり、事代主命=えびす神とする一派の代表選手が今宮戎神社で、いやいや、蛭子神=えびす神と主張する一派の代表選手が西宮神社なのだ。
この2社、相容れない間柄であることは明白である。
配神
配神として素戔嗚尊、月読尊、稚日女尊を祀っている。
今宮戎神社のご利益
これは言うま
これは言うまでもなく「商売繁盛」である。摂社に大黒社、末社に稲荷社。商売繁盛以外の何ものでもないのだ。商いの街で、これ一本で勝負している。潔い。
よって、お祭り以外の日は閑散としたものだ。。。
今宮戎神社最大の祭 「十日戎」
当神社の最大にして最強の祭が、1月9日から11日まで開催される「十日戎」である。この3日間の参拝者数は100万人を超す。
なんばCITYから神社までの南海電車沿いの道路は車両規制され歩行者天国となり、たくさんの露店が立ち並ぶ。昨年は肉巻きおにぎりを食べた。結構うまかった。
開催日程
- 1月9日 宵戎(よいえびす)
- 1月10日 本戎(ほんえびす)
- 1月11日 残り福(のこりふく)
9日の0時に開始され、11日の24時まで終日開門されており、福笹の授与も終日行われているが、福娘さんたちによる奉仕は9時~21時なのでお間違いなく。
例年、9日宵戎の日には、午後から、宝恵駕行列が練り歩き、境内では木津魚市場による献鯛奉納神事が行われる。
10日本戎の午前中は、例大祭が執り行われる。神事としては、これがメインだ。
よって、これらの神事・行事が行われている時間帯は、一般のご祈祷はしてもらえないので注意が必要だ。
福笹
十日戎の醍醐味は何といっても福笹であろう。
本殿横で、笹ももらう。無料でいただける。
本殿右手や、本殿裏にある長屋のような建物に行き、福娘さん達に「吉兆」とも呼ばれる小宝=飾り物を笹に結び付けてもらうのだ。
「吉兆」は無料ではない。1個1500円以上の品ばかりなので、勢い余ってたくさんつけると結構な出費になるので注意が必要だ。
これを持ち帰って神棚に奉っておくと商売繁盛間違いなしである。
今宮戎神社 参拝記録
今宮戎神社には駐車場がない。よって近隣のコインパーキングに駐車するか電車での参拝となる。今回私は電車でアプローチした。
事前に調べればよかったのだが、今宮戎神社の最寄り駅は南海電鉄の今宮戎駅である。私は南海電車の新今宮駅を降りてしまったのだ。
歩けないことはない。10分から15分で到着するのだが、駅を降り立った雰囲気は他の駅にでは味わえない独特なものがある。
いつもは電車や車からしか見ることのなかった「あいりん公共職業安定所」が目の前にある。大阪で最もDEEPな地域の中心的建築物、すなわち西成のランドマークだ。
こちら側に出てくるとは思っていなかった。。。
さて、大きく迂回をして今宮戎に向かおう。時折すれ違う人が普通でなく見えるのは、この街の持つ魔力のせいであろう。
10分ほど歩くと到着だ。
南の鳥居
石製の三ツ鳥居である。船場の坐摩神社によく似ている。
本殿に正対せず、少し左にずれているようだ。
神域に入る。不敬ながら、少し肌寒い中を歩いてきたのでトイレに行きたくなった。境内を探すがトイレが見当たらない。社務所の神職さんに聞いてみた。
やはりこちらにはトイレは無いとのことである。本来は職員向けなのだが、社務所に上がらせていただいて特別に貸していただいた。ありがたいことである。
境内にトイレがないのは、やはり防犯対策なのだろうか。。。
参拝時は必ず、駅のトイレで済ませておくことをお勧めする。
改めて、鳥居をくぐる。周囲の環境からは想像できないぐらいに空気が澄んでいる。
手水舎
特に特筆すべき点はない。
拝殿 遠景
都会の真ん中ではあるが、スコーンと抜けた空間である。砂利も綺麗に慣らしてあって美しい。そして誰もいない。。。
拝殿
拝殿から幣殿、そして本殿の扉が見える。金色の金具が美しい。
奥の方から迫りくる、かなりの圧力を感じる。
ふと上を見ると、大きな鯛の絵画が飾ってあった。
ガラスに反射して私が写っている。。。
本殿
最近参拝した神社の中では大きな本殿である。
本殿裏の参拝所
ここが、今宮戎神社の特徴の一つ。裏口だ。
参拝所の両側、しめ縄と柵の向こうに銀色のドラが設置されている。
「えべっさん」は耳が遠いらしく、また後ろ向きに鎮座されているらしい。
なので、裏側からドラを打ち鳴らして「えべっさん、よろしゅうたのんまっせ!」と叫ぶのが正式な参拝方法なのだ。
この画像のドラは綺麗だが、十日戎の期間になると、沢山の千社札や飲食店のステッカーなどが貼り付けられるのだ。
ほんまに、でっかい声で「たのんまっせー!」と叫んでいる。なんとも賑やかでパワフルな参拝である。
小宝授与所
その裏口参拝所の対面に立ち並ぶのが、福娘さんたちが小宝を授与してくれる建屋である。
稲荷社
境内の北東角に末社「稲荷社」が鎮座する。
祭神は、宇迦之御魂大神である。五穀豊穣の神であり転じて商売繁盛の神となる。
こちらの拝殿で柏手を打つと、大変きれいな音で響く。何度も柏手を打ってしまった。
女神とは思えない「凄み」を感じた。一般的に宇迦之御魂大神は女神とされるが、私にはそうは思えないのである。
霊能者であれば、わかるのであろうか。。。
小宝授与所
本殿の東側にも小宝授与所が立ち並ぶ。
大国社
この授与所の南に「大国社」が鎮座している。
祭神はもちろん大国主命。そして五男三女八柱神を祀る。
五男三女八柱神とは、天照大神と素戔嗚尊の誓約によって生まれた八柱の神々の総称である。
五男とは
素戔嗚尊が天照大神の勾玉を噛み砕いて、吹き出した息の切りから生まれた次の五柱の男神。
古事記では、、、
- 正勝吾勝勝速日 天之忍穂耳命・・・左のみづらに巻いている玉から
- 天之菩卑能命・・・右のみづらに巻いている玉から
- 天津日子根命・・・かづらに巻いている玉から
- 活津日子根命・・・左手に巻いている玉から
- 熊野久須毘命・・・右手に巻いている玉から
日本書紀では、、、
- 天忍穂耳命
- 天穂日命
- 天津彦根命
- 活津彦根命
- 熊野櫲樟日命
三女とは
天照大神が、素戔嗚尊の剣を嚙み砕いて噴出した息の霧から次の三柱の女神が生まれた。この三柱の女神は宗像三女神と呼ばれ、宗像大社の主祭神である。
古事記では、、、
- 多紀理毘売命 ・・・ 別名:奥津島比売命(おきつしまひめ)。沖津宮に祀られる。
- 市寸島比売命・・・別名:狭依毘売命(さよりびめ)。中津宮に祀られる。
- 多岐都比売命・・・辺津宮に祀られる。
日本書紀では、、、
- 田心姫(たこりひめ)
- 湍津姫(たぎつひめ)
- 市杵嶋姫(いちきしまひめ)
最後に
このように、創建も祭神も謎だらけの神社ではあるが、商売繁盛一本で突っ走ってきたパワーは凄いと思う。是非とも、このパワーを頂きたいものである。
十日戎。来年も行くでぇぇぇ!
最後までお読み頂き、ありがとうございました!
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