布施戎神社|布施駅商店街を守護する、エビス界最強の福の神!
布施戎神社は、近鉄奈良線と大阪線の分岐点となる主要駅「布施駅」の西に南北に長い商店街にある、比較的新しい神社である。
しかしその神域は、かつて平安前期創建の古社「式内:都留彌神社」が鎮座していた、歴史ある霊験あらたかな土地なのである。
よって境内には、戎神社の本殿と並ぶようにして、都留彌神社御旅所が鎮座している。
布施の町と布施の商店街、そしてそこに集まる人々の繁栄と健康を守護しているといえよう。
布施戎神社について
布施戎神社 概要
- 所在地 大阪府 東大阪市足代1-15-21
- 電話番号 06-6728-1601
- 主祭神 戎大神(蛭子命・事代主命)
- 創建年 昭和18年
- 社格 なし
- 公式HP https://fuse-ebisu.or.jp/
布施戎神社 アクセス
MAP
最寄り駅
- 布施駅から徒歩5分
駐車場
- なし
布施戎神社の祭神
祭神は、戎大神。
多くのえびす神社の祭神は蛭子命であるエビス神か、事代主命であるエビス神かのどちらかなのだが、布施戎神社の戎大神は両神の合体版なのである。
蛭子命
蛭子命は「ひるこのみこと」と読むが、蛭子を「えびす」とも読むからややこしい。
古事記では、伊邪那岐命と伊邪那美の命の最初の子。不具の子として生まれたため、船に乗せられて海に流された。
海から流れ着いた神が福をもたらすとされ、これが、海からやってくる釣魚翁であるエビスと同一視されたという。
漂着した場所を伝える伝承は各地にあるが、その一つが兵庫県の西宮。蛭子命を祀った最初の神社であるからして、全国の恵比寿神社の総本宮とされている。
事代主命
こちらもエビスと同一視された神。
事代主命は大国主命の息子。国譲り神話において、建御雷命から国譲りを迫られた大国主命は、息子の事代主命に判断を委ねた。
美保ケ崎で釣りをしていた事代主命は、「承知した。天津神が治めるのがよかろう」と言って、船を青柴垣に変えて中に隠れたという。
この、「釣りをしていた」が、釣魚翁であるエビスと同一視された由縁らしい。
布施戎神社の創建
前述のとおり、かつてこの土地には式内社の都留彌神社が鎮座していたのだが、明治18年の淀川大洪水によって社殿や宝物、古文書などあらゆるものが流出してしまった。それでも村民の力で再建した。
明治39年から始まった1村1社制によって、全国の2万社にものぼる神社が消滅していったのだが、都留彌神社もその波にのまれ、荒川(現在の都留彌神社社地)にあった鹿島神社に、近隣8社とともに合祀された。
ただ、都留彌神社は由緒正しい式内社であったため、合祀後の社名は都留彌神社が採用され引き継がれた。
さて、遷座後の都留彌神社跡地(当社地)は民間の有志に払い下げられ保管管理されていたが、昭和18年に地元の要望に応える形で、西宮戎神社より戎神(蛭子命)を勧請して神社を創建。
布施戎が誕生した。
それだけにとどまらず、、、
昭和63年には、大阪の今宮戎神社から戎神(事代主命)を勧請し、さらにパワーアップを図った。
なんと、蛭子命と事代主命の両えびすを有する「戎大神」、いわば最強の福の神・最強の商売繁盛の神の誕生である。
なかなかに、えげつないことをするではないか。
布施戎神社のご利益
前述のとおり、招福、商売繁盛、事業成功などに広大なご神威を発揮される。
布施戎神社 参拝記録
布施の駅を降り立ち、線路沿いに難波方面へと歩く。ほどなくアーケードの商店街が交差する。
そのアーケードを南に入り約200m。
至る所に看板が吊り下げられているから、迷うことはなかろう。
注連柱と社標
先ほどの看板を目印に西に入るとすぐに南向きの玄関が現れる。周囲の住宅地に溶け込んでいるいて、正面に立つまでは神社がありそうな気配がしない。
遠景というほどの広さではないのだが。。。
両側に並ぶシャッターの降りた建物は、10日戎の折に笹飾りを授与するための建屋で、ここから可愛らしい福娘が愛嬌と元気を振りまくのである。
戎像
これが、日本一大きな鋳造の戎像だとか。鯛の口から飛び出している釣り針がリアル。
都留彌神社の戎像とはまた一味違って、なかなか勇ましい姿だ。
見ていると元気が湧いてくる不思議な像である。
拝殿
早朝の参拝でだったのだが、拝殿前には先客が2名。しばらく待とう。
待っている私の背中から柏手が聞こえてきた。???
振り返ると、向かいのお宅の方が、家の玄関先から柏手を打って遥拝しているではないか!
本殿
小規模ながら綺麗に管理された神域を、一段高い場所から見下ろしている本殿から、パワフルでエネルギッシュな気が押し出されているような感覚を受けた。
二拝二拍手一拝。
都留彌神社御旅所
「1000年以上前からここに神社があった。そしてその頃ここは、古大和川の河口あたりにあった美しい島だったのだ。」などと思いに耽るのも一興だろう。
そして、右手前の巨木。おそらくは枯れてしまっているであろうこの巨木は、いつからここにそびえていたのだろうか。何とも言えない雰囲気を持つこの木を、私は「ご神木」と呼びたい。
最後までお読み頂き、ありがとうございました!
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