住吉大社 ②|住吉三神が降臨したという五所御前。五大力御守りで開運!
住吉大社の第一本宮の南となりに、鳥居と玉垣に囲まれた1本のご神木がある。そこが、近年、住吉大社の開運パワースポットとして注目を集める「五所御前」である。
土日ともなると、たくさんの人々が玉垣を覗き込み手を入れている様子を見ることができるだろう。まるでエサに群がるウナギのようだ。かく言う私も、ウナギの一人であるのだが。
今回は、五所御前の由来、そして五大力お守りの取得方法と、そのご利益についてご紹介しようと思う。
住吉大社 概要
- 所在地 大阪府大阪市住吉区住吉2丁目9−89
- 電話番号 06-6672-0753
- 主祭神 底筒男命・中筒男命・表筒男命・神功皇后
- 創建年 神功皇后の御代
- 社格 名神大社・二十二社・一之宮・官幣大社・別表神社
- 公式HP http://www.sumiyoshitaisha.net/
住吉大社 アクセス
MAP
最寄り駅
- 南海本線「住吉大社駅」 徒歩3分
- 南海高野線「住吉東駅」 徒歩5分
- 阪堺線 「住吉鳥居前駅」 徒歩すぐ
個人的には、天王寺から大阪唯一のチンチン電車「阪堺線」で行かれることをお勧めする。
五所御前とは
五所御前と称する、この場所は、社伝によると、、、
「神功皇后が住吉大神を祀る場所を定める際、1本の杉の木に三羽の白鷺が降り立った。よって、この場所を祀りの場とし住吉大社が創建された」とされている。
別名、高天原(たかまがはら)とも言われ、神が降臨する場所いわゆる「御阿礼」(みあれ)でもある、とも言われている。
神が降臨する場所ということだ。
これすなわち当神社で最も神聖なる場所であるからして、最強のパワースポットといえよう。
五大力お守り
そして、近年ここがパワースポットとして人気がある理由は、「五大力お守り」をいただけるからであろう。
五大力お守りのシステム
- 玉垣内の玉砂利の中から「五」「大」「力」と書かれた3つの石を探す。
- その3つの石を持って、社務所にいく。
- 五大力お守りの袋をいただく。(初穂料300円)
- お願い事を唱えながら、3つの石を袋にいれる。
- 肌身離さず持つ
願いが叶った暁には、お守りを返納し、玉砂利に自分で「五」「大」「力」と書いて、玉垣内に放り込む慣わしとなっている。
鳥居にぶら下がっているのが、返納されたお守りである。
五大力のご利益
寿(命)力、福力、体力、智力、財力の運力がパワーアップ。すなわち開運パワーである。
五大力とは
そもそも、五大力とは何なのか?
五大力とは「五大力尊」のことで、仏教で言うところの「五明王」のこととのこと。
- 中央 – 不動明王 – 大日如来の教令輪身
- 東方 – 降三世明王 – 阿閦如来の教令輪身
- 南方 – 軍荼利明王 – 宝生如来の教令輪身
- 西方 – 大威徳明王 – 阿弥陀如来の教令輪身
- 北方 – 金剛夜叉明王 不空成就如来の教令輪身
神仏習合の時代、住吉大社境内に建立された神宮寺で祀られていた「五大力」さん。
明治維新前後の神仏分離・廃仏毀釈の流れの中で、神宮寺は排除されたが、その信仰心が「五所御前」に今もなお生きている、というところだろうか。
五所御前と五大力について
ここの名称は「五所御前」。その名称の由来は?「五大力尊」だから「五所御前」なのか?。神仏習合の名残り?
ここは住吉三神が降臨した場所のはずだ。その名称の由来が「五大力尊」とは。どうしようもなく違和感を覚えるのである。
私としては、五所御前の由来は五柱の神道の神々であって”ほしい”のだ。
ただそれだけのこと。そこで私の欲求を満たすためだけに、無理やりでも五所御前を神道の神にこじつける試みを行うこととする。
ここからは、ややこしい内容となる。というよりも、完全に私見、いや想像でしかない。
なので、すっ飛ばして頂いて結構である。いや、むしろすっ飛ばして頂きたい。
「時間の無駄かも知れんが、読んでみてもよかろう」と思って頂ける方のみ、下のボタンをタップして頂ければと思う。
住吉四神説
まずは、住吉四神と五大力尊との間で本地垂迹関係が成立するか、検証してみることにする。
五大力尊とは、前述のとおり次の5明王のことを指す。そして、それぞれの正法輪身はというと。。。
- 中央 – 不動明王 – 大日如来の教令輪身
- 東方 – 降三世明王 – 阿閦如来の教令輪身
- 南方 – 軍荼利明王 – 宝生如来の教令輪身
- 西方 – 大威徳明王 – 阿弥陀如来の教令輪身
- 北方 – 金剛夜叉明王(東密系、不空成就如来の教令輪身)
住吉4神の本地、そしてその本地に対応する明王はというと、
- 第一本宮・・・底筒男命 – 薬師如来 – ???
- 第二本宮・・・中筒男命 – 阿弥陀如来 >>> 大威徳明王と一致
- 第三本宮・・・表筒男命 – 大日如来 >>> 不動明王と一致
- 第四本宮・・・神功皇后 – 聖観音 – ???
うまく当てはまらない。そもそも4柱と五明王では数があわない。
住吉四神説は、こじつけようがなさそうである。失敗だ。。。
摂末社5社説
さらに、性懲りも無く住吉大社の本地垂迹について調べていると、このような文献を見つけた。これは、「宮寺縁事抄」第二十八にある、住吉大社の神々の本地仏をまとめた記事だ。
住吉大神宮 四所 御本地
- 一御前(御本地薬師如来)。
- 二御前(御本地阿弥陀如来)。
- 三御前(御本地大日如来)。
- 四御前(御本地請観音)。
ここまではいい。
ここからだ。
少神 五所 内
- 大海神御前(御本地不分明、尋テ可申之)。
- 楯御前(御本地 不動)。
- 江比洲御前(御本地 毘沙門)。
- 御母御前(御本地不分明、尋テ可申之)。
- 若宮御前(御本地不分明、尋テ可申之)。
「少神 五所内」とある。そして、その「五つの御前」が記載されているではないか。どうやらこの「五ヶ所の少神」に、五つの御前が祀られていたようだ。
では、少神とはどこだろう。
「少神」=「小神」。すなわち摂末社ということになろう。
であれば、五所御前は、住吉大社の重要な摂末社5社の神をまとめて祀っている場所となる。
あてはめると、、、
- 大海神御前>>>大海神社
- 楯御前>>>楯社
- 江比洲御前>>>市戎社
- 御母御前>>>???
- 若宮御前>>>若宮八幡宮
大海神社、楯神社、市戎社、若宮八幡宮は現存する。
では、「御母」とは?「御母御前」は誰の母なのか?
住吉三神の母とするならば、伊邪那美命となろう。伊邪那岐命の禊祓いから生まれたから、母とは言えないと言われればそれまでだが、しかし、同じく禊祓いから生まれた須佐之男命は、伊邪那美命を慕って根の国に行きたいと泣き叫んだという。
ならば、住吉三神の母を伊邪那美命としてもいいはずだ。
となれば、伊邪那美命、事解男命、速玉男命が祀られる「新宮社」が該当する。
整理すると、、、
- 大海神御前>>>豊田玉彦神
- 楯御前>>>武甕槌尊
- 江比洲御前>>>事代主命
- 御母御前>>>伊邪那美命
- 若宮御前>>>応神天皇
つまり、五所御前は五明王ではなく、上記の神々であったのだ!としておこう。
これでめでたく、私の欲求は満たされたのである。。。
それにしても、住吉大社は広い。この境内だけでも、4つの摂社と21の末社があるのだ。
次回からは、「女性のための社」と「商売のための社」に分けて、ご紹介していこうと思う。
最後までお読み頂き、ありがとうございました!
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