若宮八幡社|愛知|名古屋総鎮守は縁結びのパワースポット

若宮八幡社は名古屋市中区栄にある、1300年を超える歴史をもつ古社にして、名古屋総鎮守として地域の信仰を集める大社である。

名古屋市街を東西に貫く100m道路「若宮大通」は当社の社名を冠している。まさに名古屋城と並ぶ名古屋のシンボルと言っても過言ではなかろう。

昨今、そんな名古屋総鎮守に、縁結びの御利益を求めて若い女性の参拝が増えていると聞く。そのあたりの秘密を探ってみよう。

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若宮八幡社について

若宮八幡社の概要

  • 所在地    愛知県名古屋市中区栄3丁目35−30
  • 電話番号   052ー241ー0810
  • 主祭神    仁徳天皇・応神天皇・武内宿禰命
  • 社格     県社・別表神社
  • 公式HP    http://www.wakamiya.or.jp/

若宮八幡社  アクセス

MAP

最寄り駅

  • 地下鉄名城線「矢場駅」徒歩9分
  • 地下鉄鶴舞線「大須観音駅」徒歩9分

車でのアクセス・駐車場

  • アクセスは容易
  • 駐車場あり(無料) 
    鳥居をくぐったところ右側のスペースが駐車場。
    必ず社務所の巫女さんに声をかけること。

若宮八幡社の祭神

若宮八幡社の祭神は、仁徳天皇・応神天皇・武内宿禰命の三柱である。

仁徳天皇

第16代天皇で、難波の高津宮に都をおいた天皇。

庶民の家の竈から炊煙が立ち上っていないことに気づいて3年間租税を免除。暮らし向きが良くなり租税を再開した後も、それを原資に大規模な灌漑工事を実施し、河内平野に広大な田地を得ることに成功した。

これらの事績より聖帝ひじりのみかどと讃えられた天皇である。

応神天皇

15代天皇。当社の主祭神である仁徳天皇の父親である。

即位2年には朝鮮半島へ進出し、百済・任那・新羅を服属させるなど国土の拡大を図り、国内では渡来系氏族を使って各地に灌漑用ため池を作ったりと国土の発展に取り組んだ。

現在の神道では、この応神天皇の神霊が八幡神としている。

当社は、八幡神応神天皇の御子である仁徳天皇を主祭神とするやしろであるからして「若宮八幡社」と号する。

武内宿禰命

成務天皇から仁徳天皇まで4代に渡って、あるいは景行天皇から仁徳天皇の5代に渡って大臣として仕えたとされる伝説上の忠臣。

神託を受け、その神意を解釈して人に伝える審神者さにわの能力を持ったとされる。

おそらくは実在せず、何人かの忠臣を一人にまとめて描かれたものとするのが一般的である。

若宮八幡社の創建

若宮八幡社の創建年代は不詳だが伝承によると、、、

天武天皇の御代、あるいは文武天皇の大宝年間(701年~704年)に、那古野庄今市場に創建された

と伝わる。

那古野庄今市場は、ちょうど今の名古屋城三の丸あたりと聞く。もちろん名古屋城はなかった時代である。

戦国時代、今の二の丸あたりに今川家によって那古屋城が築城された。
その城を織田信秀が攻める際に若宮八幡社が焼失した。
焼失した社殿を織田信秀が再建した。

という記録があるため、創建以来ずっとそこに鎮座していたことがわかる。

1601年に徳川家康が名古屋城を築城する際、城内から現在地へ遷座されて今に至る。

若宮八幡社の御利益

名古屋総鎮守であるからして、名古屋に住む人、名古屋で働く人、名古屋に来られた人、名古屋に関わる全ての人を守護していただけよう。

そして、当社の主祭神であるところの仁徳天皇は国民の生活を第一に政務を行った聖帝である。よって家内安全の御利益を頂くことができるだろう。

応神天皇も仁徳天皇も、多くの妃との間に多くの皇子女をもうけた。がゆえに、恋愛成就や子宝の御利益も期待できる。

昨今、当社は縁結びのパワースポットとして人気があるとのことだったが、どうやらそのパワーは本殿の御祭神だけでなく境内社にもあるようだ。後述しよう。

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若宮八幡社 参拝記録

久しぶりの名古屋。名古屋随一の歓楽街「さかえ」で飲食店の社長と商談である。

私は仕事でも旅行でも、初めての土地や地域に足を踏み入れる時は、できるだけその土地の神社に参拝するようにスケジュールを組んでいる。

事故無く過ごしたい、いい商談をしたい。そのためにはその土地の神様に挨拶しなければ。という思いである。

統計をとったわけではないが、参拝できた時と参拝できなかった時とでは、商談成立の確立が違うように思う。気のせいだろうか。。。

というわけで、今回はさかえ3丁目にある若宮八幡社に参拝することとした。

場所はわかりやすい。若宮大通を西から東へ走ると、鳥居が見えてくる。

この鳥居は正面の鳥居。

車で参拝の場合は、この鳥居の左手にある鳥居から境内に入る。その右側が駐車スペースだ。

「社務所に声を掛けてください」と案内板に書かれているので、社務所に行って「参拝です。駐車します。」と声を掛ければOK。

ちなみに駐車料金は無料。

若宮八幡社の参拝順序

コンパクトにまとまった境内なので、わざわざ参拝順序を記すこともなかろうが、図にしておく。

私は①~⑩の順番に参拝した。これは決まり事でもなんでもない。自由に参拝頂ければいい。

ただ一つ、こだわる点があるとすれば、それは、、、

当社では若宮龍神社が祓戸社の役割を果たしていると、私には感じられた。がゆえに、まずは若宮龍神社に参拝して身についた穢れを祓って頂き、それから本殿へと進むのがいいと考える。

若宮龍神社

ほかの境内社とは一線を画すが如く、本殿の正面に東向きに鎮座。

御祭神は、白龍大神と名付けられた 高龗神たかおかみのかみ

 高龗神たかおかみのかみは、罔象女神みつはのめのかみと並んで、日本の神話に登場する「水の神」の代表的な神である。

ご利益は、開運出世、必勝、運気向上、金運守護とのことである。

祠に相対すると、前述したように「水神の神威による祓いの神」というイメージを感じる。

当社からそう遠くない場所に白龍神社がある。そちらは地主神的な龍神様だが、何か関係があるのだろうか。

拝殿、本殿

こちらが拝殿と本殿。拝殿内を撮影するのを忘れてしまったが、それも必然なのだろう。

二拝二拍手一拝。

右横から風が吹いてきた。本殿の右側に何かがあるのだろうと予感させる風である。

水みくじ

拝殿のすぐ右に、井戸水を組み上げる手動式のポンプが見える。

自分で水をくみ上げ、その水におみくじを浸すと、、、少しずつ文字が浮かび上がってくるというもの。

願い事、仕事、恋愛、金運 の4項目が占える。

おみくじは持ち帰るも善し、ハート型のおみくじ掛けに結ぶも善し。

若宮恵美須神社

若宮恵美須神社は、商売繁盛・業務安全の神様。

御祭神は事代主神ことしろぬしのかみ。大国主神の御子で、皇室の守護神として祀られる神だが、「えびす神」として祀られる場合の事代主神は、大漁安心・商売繁盛の御神徳が期待されている。

もともと「えびす神」は自然信仰の一種。海から流れ着く物に畏敬の念を覚えたり、海からの収穫物をありがたく思ったりした、古代の人々の信仰の対象だった。

それが、記紀に登場する神に当てはめる試みがなされたとき、「海からやってくる」というキーワードから、いくかの神があてがわれることとなった。

その一柱が事代主神。古事記の国譲りの段で「海で釣りをしていた」という描写があるからだろう。

ほかにも、蛭子神ひるこのかみもエビス神として祀られる。イザナギとイザナミの初めての子だったが不具の子だったため小舟に乗せて海に流したという記述があるためだ。

もう一柱が、少彦名神すくなひこなのかみ。ガガイモの船に乗って海の彼方からやってきたから。

多くの「エビス神社」は、この3柱の神のいずれかが祀られている。

そんなことを意識して参拝するのも楽しみの一つと心得る。

連理稲荷神社と奥之院

連理稲荷神社は奥之院と合わせて二つの祠で構成されている。というのも夫婦の狐が祀られたことに端を発するからだ。

江戸時代の、当社の森に200年以上も棲んでいた夫婦の狐が、「官位が欲しい・住処の穴を掘りたい」と願い出て、「叶えてくれるなら神社と町内を災いから守るぞよ」と約束した。そこで神主が奉行所に願い出て、伏見稲荷大社から宇迦之御魂神のご分霊を頂き、夫婦和合の連理稲荷大明神として1833年に創建した。

と「尾張霊異記」に伝わる。

このような由来のある稲荷社であるからして、夫婦円満、良縁成就の御利益が頂けるということだ。

しあわせのお願い狐

赤い鳥居の内参道「出会いの小径」の入り口に掛けられているのが「しあわせのお願い狐」。絵馬のようなものである。

なかなかもって、可愛らしい。様々な願い事が書かれてあるが、夫婦円満が一番多いようだ。

合祀社

もともと境内に独立して祀られていた社を、こちらに合祀したと思われる。
右から順に、社名とご神徳を列記しておこう。
カッコ内の社名は尾張名所図会にみえる社名である。

香良洲社(からすの社)
祭神・・・稚日女命、少彦名命
神徳・・・家内安全・病気平癒
三重県津市の香良洲神社からの勧請か。稚日女命は天照大神の妹神と言われている。

日吉社(山王)
祭神・・・咋神
神徳・・・災難除守護
滋賀県の日吉大社が総本宮。都の鬼門を守る神なので災難除。

熊野社(くまの社)
祭神・・・速玉男神
神徳・・・厄除・生命の守り神
和歌山県の熊野三山のひとつ熊野速玉大社からの勧請か。

天神社(天じん)
祭神・・・菅原道真公
神徳・・・学業成就・合格祈願
こちらの天神は道真公を祀る、いわゆる天神(てんじん)。
天神には、少彦名神を祀る「天神社」(あまつかみのやしろ)もある。

秋葉社
祭神・・・火之迦具土神
神徳・・・火防守護の神
静岡県浜松市の山奥にある秋葉神社を本宮とする。

神御衣神社 縁結びのパワースポット

合祀社の隣にある、ひときわ華やかな社が神御衣神社。近年、縁結びのパワースポットとして有名らしい。

神衣縫神社のご祭神

ご祭神は、淡島大神あわしまのおおかみ衣縫大神きぬぬいのおおかみ

淡島大神

全国の淡島神社や淡路神社のご祭神。婦人病治癒、安産・子授け、裁縫の上達など、女性に関するあらゆることに霊験あらたかな神

衣縫大神

実態が掴めない神ではあるが、一つの可能性として、京都府城陽の式内社「水主神社」に祀られる大縫命小縫命と関係があるやもしれぬと考える。
大縫命と小縫命は、天火明命ー天香語山命ー天村雲神・・・と続く尾張連の系譜の中で、天村雲神の9世孫となる。

神衣縫神社の由来

神社の由来書を要約すると次の通り。

由来

明治23年、西郡和知村立田(現在の海部郡立田村)に裁縫組合同業者によって御衣社が創建された。
明治38年、若宮八幡社の境内末社である津島社に遷して合祀。津島社の社号を改め神御衣社と称した。
昭和24年戦災にて焼失するも昭和32年中部日本和裁教授連合会の発起により関係者の寄進を集め復興。その際に淡島大神、衣縫大神の二神を合祀した。

神衣縫神社の御利益

これは言うまでもなく、裁縫上達・裁縫業発展、そして女性守護であろう。

神結び願いの緖

今、縁結びのパワースポットとして女性中心に崇敬を集めている理由の一つとして「神結び願いの緒」というアトラクションが挙げられる。

神結び願いの緖」は、さまざまなご縁と固く結ばれることを神様に願うというもの。

社務所で授かった「神結び願いの緒」を、張られたロープに「固く結ぶ」。そのロープが社殿につながっているので、願いが神様に届く。というシステムだ。

以上で、若宮八幡社のご紹介は終了です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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