北野天満宮⑤|京都|北野天満宮の七不思議をさがせ!
北野天満宮は、京都市上京区にある神社で、二十二社の下七社に選定された霊験あらたかな神社である。
北野天満宮には、本殿を取り巻くようにして境内社が50社あるという。そのすべてをご紹介する企画も、ついに最終回となってしまった。
さあ、どのような神々が祀られているのだろうか。下図を参照頂きたい。
今回の記事で訪れるスポットについて、スポット名を黄色表示しておいた。参考にしていただければと思う。
北野天満宮 概要
- 所在地 〒602-8386 京都府京都市上京区馬喰町
- 電話番号 075-461-0005
- 主祭神 菅原道真公
- 創建年 947年
- 社格 二十二社
- 公式HP http://kitanotenmangu.or.jp/index.php
北野天満宮 アクセス
MAP
最寄り駅
- 京福電鉄北野線「北野白梅町」徒歩8分(大鳥居まで)
駐車場
- あり(有料)
本殿西南の境内社
神明社・文子社
本殿域の回廊のすぐ横に2つ並んで鎮座するのが、「神明社」と「文子社」。
神明社
天照大神と豊受大神を祀る。延喜式神名帳の式内社「山城国愛宕郡 高橋神社」の論社とする説もあるが不明。家内安全・家業発展。
文子社
右が「文子社」。北野天満宮①で述べた、北野天満宮創建に尽力した多治比文子・神良種・神太郎丸・最鎮の4柱を祀る。いわば生みの親である。
一夜松社・豊國神社・野見宿禰神社
一夜松社(左)
一夜千松の霊を祀る。延命長寿の御利益。
一夜千松とは、「私の魂を祀るべき地には一夜にして千本の松を生じさせよう」という道真公のお告げによってこの一帯に生じた松に宿る神霊のことをいう。
豊國神社(中)
豊臣秀吉公を祀る。開運・立身出世の御利益。
天下統一を果たした武将である。北野天満宮への崇敬がことのほか篤く、当境内において北野大茶会を開催した。また、本殿の造営を遺命とし、秀頼公がその遺命を果たした。
野見宿禰神社(右)
野見宿禰命を祀る。武芸・スポーツ上達の御利益。
道真公の19代前の先祖である。文武両道の勇士であったが、特に相撲の祖とされている。のちに土師の姓を賜った。
奇御魂神社・一之保神社
奇御魂神社(左)
道真公の奇御魂を祀る。文芸・歌道上達の御利益。
神の霊魂には2つの側面がある。和魂と荒魂である。
そして、和魂には幸魂と奇魂の側面がある。奇魂とは、様々な不思議な奇跡を起こす側面をいう。
一之保神社(右)
菅原大神を祀る。 学徳成就の御利益。
菅原大神とは道真公のことを指す。
道真公が大宰府に残した手作りの木像を持ち帰って、西の京に建てた祠に祀り「安楽寺天満宮」と名付けた。安楽寺とは大宰府にあった寺院で、道真公の墓所となった。その寺の名を拝借したわけだ。
北野天満宮には七つの御供所があった。これを「北野御供七保社」といい、その筆頭「一之保社」を遷座したもの。
稲荷神社
倉稲魂神・猿田彦命・大宮能売神を祀る。五穀豊穣・商売繁盛・火難除けの御利益。
伏見稲荷大社の祭神は、宇迦之御魂大神・佐田彦大神・大宮能売大神。同じである。
ちなみに、大宮能売大神は天鈿女命と同一神であるという説もある。
猿田彦神社
猿田彦神・大宮能売神を祀る。芸能・舞踊上達の御利益。
隣の稲荷神社に続き、こちらにも猿田彦神と大宮能売神(天鈿女命)が祀られている。
またもや、宮中の調和を司ると言われる大宮能売神である。
神域南の境内社
大杉社
大杉社は、境内随一の杉の御神木である。室町時代には「聖歓喜天」が宿るご神木として信仰を集めた。
聖歓喜天の御利益は、財福・商売繁盛である。
歓喜天を祀る寺院といえば、関西では生駒の宝山寺(聖天さん)が有名だ。大阪の商売人・旦那衆は、生駒の聖天さんに初詣。
そして精進落としとして、門前町の遊郭で魅惑的な遊びを楽しんで帰ったという。
その遊びは、現在も存続している。門前町は往時の風俗を伝える文化遺産の一つと言えよう。言えない?
宗像社
田心媛神・湍津媛神・市杵島姫神の宗像三女神を祀る。交通・海上運輸安全の御利益。
本社は宗像大社。福岡県北西部の玄界灘に面した海岸と二つの小島に社殿を持つ。辺津宮(市杵島姫神)・中津宮(湍津姫神)・沖津宮(田心媛神)と、それぞれに一柱ずつ合わせて三女神が祀られている。
特に、沖津宮は島全体が御神体。女人禁制である。男性も上陸前には禊を行わなければならない。厳格かつ神秘的な神事が行われる。
北野天満宮の宗像社は、本殿西にあった池の底に鎮座していたご神体を移したものらしい。
御手洗川(みたらしがわ)
最後に、御手洗川の橋を渡って庭園に出る。
これも最近の造営と思われる。下鴨神社の真似?
川というよりは池である。
水占みくじ
こちらで、好きなくじを選び、水に浮かべると、文字が浮かび上がるという企画である。
七不思議
一連の記事の中にも、記載していたのでお分かりかと思うが、改めて整理すると、、、
- 影向松(ようごうのまつ)・・・北野天満宮②に記載
- 筋違いの本殿・・・北野天満宮②に記載
- 星欠けの三光門・・・北野天満宮②に記載
- 唯一の立ち牛・・・北野天満宮②に記載
- 裏の社・・・北野天満宮④に記載
- 天狗山・・・北野天満宮④に記載
ときて、一つ足りないことに気が付いた。
- 大黒天の燈篭
いったいどこにあったのだろう。。。三光門の手前右側にあるらしい。
石灯篭の台座に大黒天が刻まれていて、その口に小石をのせて落ちなければ、その小石を財布に入れると金運がアップするらしい。
次回の参拝時には気をを付けておくことにする。
最後に
これで、北野天満宮のレポートは終了である。
このような感じですべての社を巡礼すると、およそ1時間。走るわけでもなく、参拝を省略することもない。
ただ、十二社、八社、四社、七社などの連結社殿については、それぞれひとまとめで参拝させていただいた。んっ?これを省略と呼ばずして何とする。。。
北野天満宮には多くの御霊が祀られていた。平安貴族と言えば、和歌などを嗜み「雅」で「優雅」なイメージであるが、そればかりではなさそうだ。
裏側に見えるのは、古代から延々と繰り返される、皇位継承を利用したドロドロとした権力闘争。その犠牲者の声なき声に耳を傾けることこそ、天神信仰の真髄であり、北野天満宮の存在意義なのではなかろうか。
1000年以上も経た現代であったとしても、彼らの悲痛な叫びは今もなお続いていると感じた次第である。
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最後までお読み頂き、ありがとうございました!
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