住吉神社|博多|筑前国一之宮は癒し空間である!
「住吉神社」(以降:博多住吉神社とする)は、福岡県福岡市博多区住吉に鎮座する。、式内の名神大社であり、筑前国の一之宮。下関・大阪と並んで日本三大住吉の一つに数えられる、押しも押されぬ名社である。
一般的には大阪の住吉大社が全国の住吉神社の総本宮と言われている中、博多住吉神社は、当社が始原であると主張していると聞く。そんなの、どちらでもいいと思うのだが、、、
博多住吉神社について
住吉神社 概要
- 所在地 福岡県福岡市博多区住吉3丁目1−51
- 電話番号 092-291-2670
- 主祭神 底筒男命・中筒男命・表筒男命
- 創建年 神功皇后の御代
- 社格 名神大社・二十二社・一之宮・官幣小社・別表神社
- 公式HP http://chikuzen-sumiyoshi.or.jp/index.html
住吉神社 アクセス
MAP
最寄り駅
- JRおよび地下鉄「博多駅」 徒歩約10分
- 西鉄バス「住吉」バス停、徒歩約2分
駐車場
- あり(無料)
創創建当時、ここは入り江に突き出す岬になっていたらしい。この画像は、鎌倉時代の絵地図を江戸期に写したものだが、那賀川の河口付近、冷泉津に亀の甲羅のように突き出た部分が住吉神社だ。ちなみに、隣の小さい島が簑島である。
博多住吉神社は、西向きに鎮座している。大阪の住吉大社も海の方向、すなわち西を向いている。
では、下関はどうだろう、きっと西向きであろう、いや西向きであって欲しい、、、と念じつつ調べる。すると、なんと南向きであった!
博多住吉神社の祭神
主祭神は、底筒男命、中筒男命、表筒男命の三柱、総称して「住吉三神」もしくは「住吉大神」。
配祀神として、天照皇大神と神功皇后を祀っている。
主祭神の住吉三神は、黄泉国から帰った伊弉諾尊が穢れ祓いのため、筑紫日向の橘の小門の阿波岐原で禊をしたとき、綿津見三神(海三神)とともにこれら住吉三神が誕生したという。 |
博多住吉神社の創建
さて住吉三神は、記紀の神功皇后による三韓征伐の一節に再び登場する。
住吉神は皇后に神憑りして神託し、皇后の三韓征討に協力することで征討は成功する。 |
さらに日本書紀には
朝鮮からの帰還に際して神託があったとされている。また、住吉三神の荒魂を祀る祠を穴門山田邑(下関:住吉神社)に、和魂を祀る祠を大津渟中倉長峡(大阪:住吉大社)に設けたとしている。 |
おっと、博多住吉神社が登場していないではないか。では、何をもって全国の住吉神社の始原と主張する根拠とするのか。。。
伊弉諾尊が禊ぎ祓いをした海岸である「筑紫の日向の橘の小門の阿波岐原」とは、まさしくここ博多住吉神社の地なのだということである。言い換えると、住吉三神の誕生の地ということである。 |
さらに、日本書紀に、
三韓征伐に向かう前に神功皇后から「依網吾彦男垂見」に対して住吉神の神主を命じたとする記述があるのだが、住吉神社縁起によると、この「依網吾彦男垂見」が博多住吉神社を創建したとなっている。 |
博多住吉神社のご利益
第一には、当然ではあるが、海の守護神であるからして、航海安全、漁業守護などである。
そして禊祓で誕生した神々であるから、祓いの神でもある。浄化していただけるのではないだろうか。摂社の天津神社には、禊祓の本家?伊弉諾尊が祀られているので、合わせて参拝していただきたい。
博多の住吉神社 参拝記録
新幹線で博多駅に到着。ちょうど昼時。駅ビルの博多ラーメン街で食べることにした。行列が出来ている店もあるが、私は絶対に行列には並ばないのだ。
待たされた上に、せかされる。満員だがら周りにも気を遣わなければならない。店員の接客態度もおのずとぞんざいになるものだ。そして、味にそこまでの違いはない、ことの方が多い。
今日は、あいにくの雨。小雨ではない。本降りである。正直、迷った。しかし、折角の機会である。というよりも、本能が理性を抑えたといった方がいいだろう。自然と足が向いてしまっていた。
住吉通りを歩くこと10分。左手に大きな神社の敷地が見えてくる。鳥居がある。しかし、どうやら正面ではなさそうだ。(南門であった)
正面に回り込むべく、さらに5分ほど歩く。そろそろ革靴の中に雨水が滲みてきた。
西の鳥居。一の鳥居であろう。官幣小社と書かれている。
雨に煙る鳥居である。
撮影している私の背後に、池と小さな祠があるの。
天竜池
説明書きに書かれてある通り、昔はここまで海が迫っていたらしく、汐入池とも呼ばれていた。
ここが、伊弉諾尊が禊祓をした場所としている。「筑紫の日向の橘の小門の阿波岐原」である。
天津神社
ご祭神は、伊弉諾尊。ご利益は、縁結びと開運除災である。
実に趣きのある祠である。禊祓の場所となると、天津祝詞を奏上せずにはいられない。
結構な雨が降る中、折りたたみ傘をさして、スーツ姿の男が天津祝詞を奏上している姿を想像していただきたい。アホである。
しかし、脳みそが膨らむ、血圧が上昇する、体が揺れる、という例の現象が。確かにあるのだ。これが起こるところ、すなわち浄化のパワースポットなのである。
小さな橋を渡り、西の鳥居へ戻る。
参道に入る。実に美しい。そして和む。癒される。この悪天候にもかかわらず、この光景である。晴れた日なら、どれほどのものなのであろうか。
参道途中、左手に摂社。少彦名命を祀る、少彦名神社である。
少彦名神社
少彦名神は、大国主命の国造りを手伝ったとされる、手のひらに乗るぐらいの小さな神である。
こちらの神社では、酒造や薬の神様として祀られている。酒は百薬の長と言われるので、薬の一種と考えてもいいいだろう。病気平癒のご利益が期待される。
正門から本殿に向かう表参道に鎮座するこの2社は、本殿へ参拝する前に必ず参拝しておくことをお勧めする。そのように配置されているのには理由があると思うからである。
二の鳥居
二の鳥居をくぐると左手に手水舎があるのだが、工事中である。そのまま神門を通り、稲荷神社前の手水舎を使わせていただく。
神門に掲げられた扁額
拝殿から見た本殿方向
拝殿遠景の画像がなぜか消えていた。何故だろう。まあいい。
そのかわり、狛犬の画像があるのだから。
狛犬
苔むした狛犬である。笑っているように見える。。。「ニャンちゅう」のような顔である。
古代力士像
右手のシワの形が力という漢字に見える事から、その手に触れると力をもらえると云われているそうだ。現代の力士とはまるで違う風貌である。古代力士の方が強そうだ。これに勝てるのは千代の富士ぐらいであろう。
御神木一夜松
永享の時代、わかりやすくいうと北条早雲が生まれた頃、(余計わかりにくいか。。。)社殿にさしかかった松が造営の邪魔になるので切ろうとしたところ、一夜のうちにまっすぐになったという伝説が残っているらしい。松も切られたくなかったんだろう。
この写真を撮影したのが、稲荷神社前の手水舎の屋根の下である。
この手水舎の水が素晴らしいのである。いつもの通り口を漱ぐわけであるが、なんともまろやかな味わいではないか。この水が水道水なのか湧水なのか井戸水なのか、皆目見当もつかないが、とにかくまろやかなのだ。
そこへ、若い女性がやってきて、手水舎の水をゴクゴクと飲むではないか!水を水筒に入れたと思いきや、その水筒に入れた水を飲み干すのである。
美容に良いのだろうか。便秘に効くのだろうか。それとも不老長寿の水か。などと様々な想像をしてしまった。
境内社
稲荷神社
宇賀乃魂大神を祀る稲荷神社。五穀豊穣、商売繁盛も神様である。
稲荷神社の右横にも、稲荷系の鳥居が並んでるのが見える。ここを通って稲荷神社の裏側に回ると、「白髭稲荷神社と荒熊稲荷神社」が鎮座する。
荒熊稲荷神は、伏見稲荷の熊鷹社に由来するとか。格の高い稲荷神であるらしい。
さて、である。上の画像の右奥に紙垂が二つ見える。それは大きな岩に掛けられた注連縄のものである。
岩に注連縄となると、磐座か?と普通は思うだろう。近寄ってみると。。。
大きな岩は、いくつかの岩を組んで作られた、いわば小型の石舞台古墳のようなものである。その横穴式石室には、古びた?お稲荷さんがたくさん。。。
ほんと、まるでお稲荷さんのお墓のような雰囲気を感じるのである。怖い場所である。なぜ神社にこのような施設があるのだろうか。。。
足早に立ち去るのである。
(私には撮影できませんでした。基本、ビビリなもんで、ゴメンなさい。)
恐ろしい感触を持ったままは、よろしくない。というわけで、もう一度、本殿に参拝する。ん?いいのだろうか。。。失礼に当たるかな?
三日恵比寿神社
さて、社務所の前を横切り、土俵の前を横切り、南門方向へ進むと、三日恵比寿神社がある。
由来は、
昭和21年の元日。いつもの正月のとおり那賀川岸で初日の出を拝んでいた藤井さんは、簑島橋のたもとに古めかしい木の箱が寄り付いているのを発見した。
箱を開けると、恵比寿様のご神像が入っていた。「勿体なか~」と自宅に持ち帰り丁重にお祀りすることにした。
そするとどうでしょう。思い通りにことが運んだり、宝くじに当選したりと、あれよあれよという間に大金持ちになったのである。
噂はすぐに広まるものである。各地からご神徳にあやかりたいと、人々が藤井さん宅に参拝するようになった。
藤井さんは、思うのである。「こげんもん、独り占めにしたらイカンやろー」というわけで、昭和23年1月3日に、こちらにお祀りすることになった。ということである。
三日恵比寿神像
当然ながら、実物ではない。しかし、なんとも、いい表情をされている。雨に濡れてピカピカである。
今回は、天候が悪く、ゆっくりと参拝することができなかったが、ゆっくりしたくなるような気持ちになる神社である。非常にくつろげる神社ではなかろうか。
最後までお読み頂き、ありがとうございました!
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