三嶋大社|静岡|富士火山帯の喉元に鎮座する大いなる山の神。

2018年4月2日

三嶋大社は静岡県三島市に鎮座する延喜式神名帳に掲載された式内社であり、尚且つ名神大社に列する極めて霊験あらたかな神社である。

さらには伊豆国一之宮にして総社。堂々とした社殿と広々とした神域は、一之宮に相応しい威厳を感じる。

ここは、フィリピン海プレートがユーラシアプレートに沈み込む、その先端に位置する。そのエネルギーは凄まじく、富士箱根伊豆火山帯中形成する。

永い歴史の中で起こってきた富士山や箱根、また伊豆半島や島々の噴火や大地震を、神の仕業と畏れた伊豆地方の人々によって齋祀られた神社である。

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三嶋大社について

三嶋大社 概要

  • 所在地   静岡県三島市大宮町2丁目1−5
  • 電話番号   055-975-0172
  • 主祭神       三嶋大神
  • 創建年       不詳
  • 社格          名神大社、伊豆国一之宮、総社、官幣大社、別表神社
  • 公式HP     http://www.mishimataisha.or.jp/

三嶋大社 アクセス

MAP

最寄り駅 

  • JR「三島駅」から徒歩15分 
  • 伊豆箱根鉄道「三島田駅」から徒歩7分

駐車場  

  • あり(有料)

三島大社の祭神

三嶋大神を祀る。、あるいは三嶋大明神とも。

三嶋大神とは「大山祇命」と「積羽八重事代主神」の総称とされている。

大山祇命

大山祇命は日本書紀による表記。古事記では大山津見神。あるいは大山積神とも。

神格は「大いなる山の神」で、

伊豆諸島の噴火を抑えるために「大山祇神」を祀ったと

解することは、理にかなっているといえよう。

娘の一人に「木花咲耶姫命」がいる。

ちなみに霊峰「富士山」は、娘の木花咲耶姫命に任せているという。

よって、富士山本宮浅間神社と箱根神社の祭神として祀られ、富士山や箱根山の噴火を抑えているとされる。

積羽八重事代主神

神話「出雲の国譲り」で登場する事代主神。実質上、国譲りを承諾したのは事代主であるからして、現在でも皇居内で奉られる立場となっている。神格は「託宣の神」

一方、奈良県御所市にある「鴨都波神社」に祀られる「積羽八重事代主神」鴨族が奉斎した「田の神」である。

二柱の関係

伊予国風土記逸文では、大山祇命の降臨の地は摂津の三島だという。

そして日本書紀には、事代主命は、その三島溝杭の娘「玉櫛姫」を妃としたと記されている。

なにか関係がありそうな予感がする。

三島大社の創建・歴史

創建年代は定かではないが、新抄格勅符抄806年に「天平宝字2年(758年)、三嶋神に封戸が授けられた」との記載があるので、奈良時代には存在していたことは間違いなかろう。

しかしそれは、現鎮座地ではなかった可能性がある。というのも、、、

延喜式神名帳には「伊豆国賀茂郡 伊豆三嶋神社」とある。

賀茂郡とは伊豆半島の南東部から大島や三宅島などの伊豆諸島の地域。であるなら、現鎮座地では説明がつかないからだ。

よって、下田の「白浜神社」も有力な比定地候補の一つとなっている。

一説には、創建の地は「三宅島」。そこから「白浜」を経て現鎮座地に、遷座を重ねたとも。

三嶋大社のご利益

神社の発表は、、、

大山祇命は山森農産の守護神、また事代主神は福徳の神商・工・漁業者の守護神とのこと。

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三嶋大社 参拝記録

箱根の山を降りて、一路、三嶋大社に向かう。

大社だけあって、わかりやすい場所にある。東海道に面しているからだ。

駐車場も完備。駐車料金は500円だったか?忘れた。駐車場からだと、境内参道に横入りする形となる。

本来なら正面鳥居まで戻って、境内へ入るのが礼儀と考えるのだが、ホテルのチェックアウトの時間までに箱根に戻らなければならないから省略させていただいた。

総門をくぐって進もう。我が娘が参道の右端を歩いている。これは、神社参拝において、実に基本に忠実な行動だ。褒めてやらねば。

というのも、参道の真ん中は神様の通り道なのだから。

神門

彫刻が素晴らしい、三嶋大社の神門である。奥に見えるのは舞殿

舞殿

かつては「祓殿」と呼ばれていた。その頃は「神楽祈祷」が行われていたが、後年は舞を奉納する舞台となったため「舞殿」と呼ばれるようになった。

現在では、ここで結婚式を行うらしい。

拝殿

1854年の東海地震によって倒壊。翌年より再建に向けた活動が始まり、1866年に落成。

欅の素木で作られた社殿で、国の重要文化財に指定されている。

見どころは彫刻。

彫刻のテーマは、神功皇后・山幸彦・天岩戸・吉備真備・ヌエ退治など。どこにあるかお探し頂きたい。

私は彫刻よりも金の飾りに目が奪われるのである。。この金飾りは側面にも、、、

高さ16mの本殿は、東海地方では最大級とのこと。

金木犀(天然記念物)

これが、国の天然記念物である金木犀の巨木。樹齢はなんと1200年。

9月下旬から10月上旬に花をつける。あの甘い香りが堪能できるだろう。

境内社

水神社と生玉水

実は、神門に入って最初に、吸い寄せられるように勝手に足が向いたのが、この「水神社」「生玉水」と名付けられた、パワースポットとの呼び声高い富士の湧き水

水神社に参拝してから水を頂くと良い

と書かれてある。

そしてこの水の流れは、神域の周囲を守るように流れている。まるで結界のようだ。

画像ではわからないのだが、結構な速さで流れているのである。

葛城の郷・高天の原にある「高天彦神社」神前の、「パワーを受け止める小川」を思い出した。

厳島神社

参道に戻ると、池に浮かぶ「厳島神社」が見える。

祭神は、市杵嶋比売命。源頼朝の妻であるところの「北条政子」が勧請し、熱心に信仰したと伝わる。

家門繁栄、商売繁盛・安産・裁縫の守護神として祀られている。

最後に

伊豆国の賀茂郡には、式内社が46社ある。そのうち4座が名神大社。一つの郡にこれだけ多くの式内社が存在するのは珍しい。

畿内ならともかく、ここは中央政権から遠く離れた伊豆である。

そして、賀茂郡には賀茂葛城山桂川など、畿内と共通する地名、もっと言えば、秦氏・賀茂氏・葛城氏に関係する地名が多数存在する。

このようなことから、葛城氏は伊豆あるいは三宅島を本拠とし、ここから西遷して大和に至ったとする説もあるようだ。であれば、こちらが本家本元だ。

またまた、勉強しなければならない課題が見つかった。

最後までお読み頂き、ありがとうございました!

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