鳥之石楠船神(とりのいはくすぶねのかみ)・天鳥船(あめのとりふね)
鳥之石楠船神(とりのいはくすぶねのかみ)は、日本神話に登場する神。
神が乗る船を神格化したものとされる。
鳥之石楠船神の概要
鳥之石楠船神の神名
- 鳥之石楠船神(とりのいはくすぶねのかみ)>>>古事記
- 天鳥船(あめのとりふね)>>>古事記による別名
- 天鳥船神(あめのとりふねのかみ)>>>古事記で国譲りに登場するときの神名
- 鳥磐櫲樟橡船(とりのいわくすふね)>>>日本書紀
- 天鴿船(あまのはとふね)>>>日本書紀
石のように頑丈な楠で作った船が、鳥のように早く、水面を滑るように走る様が目に浮かぶ。
鳥之石楠船神の神格
神が乗る船、神を運ぶ船であるから、、、
- 船の神
- 運輸の神
- 交通の神
饒速日尊は天磐船(あめのいわふね)で大空を駆け巡ったという説話から、、、
- 航空の神
鳥之石楠船神のご利益
- 交通安全
- 航海安全
- 旅行安全
- 水運守護
鳥之石楠船神の系譜
- 父>>>伊邪那岐命
- 母>>>伊邪那美命
鳥之石楠船神が登場する神話
古事記、日本書紀の両方に登場する。
古事記
誕生神話
伊邪那岐命と伊邪那美命の神生みで、海の神、川の神、山の神、野の神と生まれたあと、、、
次に生んだ神は鳥之石楠船神という。亦の名を天鳥船という。次に、、、
このあと、大宜都比売神(おほげつひめのかみ)が生まれ、火に関する神々の名が続く。
葦原中国平定
葦原中国平定とは、かの有名な出雲の国譲り、大国主命に地上の国を高天原の神に譲るよう説得する神話。
天菩比神、天若日子による説得は、大国主命の懐柔策によって悉く失敗に終わった。
天照大御神は「さて、いったい誰を遣わせたらよいのか?」と問う。思兼神と高天原の神々達は、「伊都之尾羽張神かその子の建御雷神を遣わすのがよろしいかと。」と答えた。
結果、建御雷神に天鳥船神を副えて、地上に派遣することとなった。
国譲りを迫られた大国主神が、息子の事代主神の意見を聞くよう示唆したときのこと。
そのとき事代主神は魚を釣りに美保岬に出かけていた。建御雷神は天鳥船を遣わして事代主神を探させ連れてこさせた。
日本書紀
誕生神話
伊弉諾尊と伊弉冉尊の神生みにおいて、大日孁尊(天照大御神)と月弓尊(月読命)が生まれた後、蛭子が生まれる。
その次に素戔嗚が生まれ、根の国に追放された。そのあと、、、
次に鳥磐櫲樟橡船が生まれた。そしてこの船に蛭子を乗せて流した。
古事記では、蛭子神は神生みの最初に生まれ、天照大御神をはじめとする三貴子は神生みの最後だったが。。。また、蛭子が乗せられた船は葦船だった。
葦原中国平定
日本書紀によると、派遣された神は經津主神(ふつぬし)と武甕槌神(=建御雷神)。しかも主役は武甕槌神(=建御雷神)ではなく經津主神。
魚を釣りに行った事代主神から意見を聞くために、熊野諸手船に稻背脛を乗せて遣わした。
別名を天鴿船という。
天鳥船を祀る神社(当ブログ内)
住吉大社 摂社 (大阪市住吉区)
天鳥船神と猿田彦神をまつる「船玉神社」。住吉三神の荒魂とも。
下鴨神社 古代祭祀場跡「船島」
主祭神である「賀茂建角身命」が天鳥船に乗って降臨した場所と伝わる「船島」。
(緑の光を放っている場所が船島)
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