春日大社④|若宮15社めぐり編 一生の幸運を手に入れよう!

2016年11月5日

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春日大社には境内外合わせて61社もの摂末社が存在する。このすべてを参拝することは不可能ではないだろうが、1日2日ではすまない。

そこで今回は、オーソドックスな参拝ルートを3回に分けてご紹介させていただいた。

その「春日大社」の参拝記録も、今回がひとまず最終回となる。

というわけで、今回は、本殿エリアの南側の山裾に連なる摂末社群15社についてご紹介させていただくことにしよう。

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春日大社 概要

  • 所在地  〒630-8212 奈良県奈良市春日野町160
  • 電話番号  0742-22-7788
  • 主祭神  春日神
  • 創建年   768年もしくは710年
  • 社格   名神大社・二十二社・官幣大社・勅祭社・別表神社
  • 公式HP   http://www.kasugataisha.or.jp/

春日大社 アクセス

MAP(若宮神社)

最寄り駅

  • 近鉄奈良線「奈良駅」徒歩20分

駐車場

  • あり(有料)

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若宮15社めぐりについて

若宮15社めぐりとは

春日大社の本殿の南側には「若宮様」が鎮座しており、その周辺は、参詣に訪れた人々が様々な思いを胸に、神めぐりをした場所として伝えられている。

それは、この辺りは、人が生涯を送る間に遭遇する様々な難所を守護して頂ける神々が鎮まる場所だからだ。

「現代に生きる我々も、そんな有難い15の社を巡礼することで人生を楽しく過ごしていければ」という思いで「若宮15社めぐり」が企画されたという。

若宮15社めぐりのシステム

システムというほど大層なものではないのだが、、、

  1. 夫婦大黒神社で「若宮15社めぐり」を注文する。
  2. 志として初穂料1000円以上納めて、「玉串札」が15枚入ったトートバッグをもらう。
  3. まず、「若宮」に参拝。賽銭箱に玉串札を置いて「二拝二拍手一拝」
  4. 次に、最北端の「一童社(三輪神社)」に参拝し、同じ要領で・・・
  5. ここから南へ順番に参拝していく。
  6. 最後に夫婦大黒神社に戻って昇殿の上、参拝。
  7. 参拝完了の旨を奉告すると、15社の印を押した御下がりとお守りを頂ける。

若宮15社めぐり 参拝記録

実は、私はこのシステムを利用しなかった。なぜかというと、知らなかったからである。

というわけで、当日私が参拝したルートに沿って紹介していく、すなわち、15社めぐりの順番になっていないことをご了承いただきたいと思う。

小さな橋(番外)

本殿回廊エリアを出て、南へと歩を進めると、朱色の欄干の小さな橋がある。

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名称がわからないので「赤い小さな橋」ということにさせていただくが、この橋を越えて1mほど行ったところは、他とは異なる気配を感じる場所だ。

前回記事の「内侍道」と同じ感覚が走る。頭から背中にかけてジンジン。脳みそも若干膨れる

ここからなのかここまでなのか、ちょうどその場所に線が引かれているような、境界線的なイメージが湧いてくる場所だ。

本宮神社遥拝所 (番外)

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御蓋山(みかさやま)、浮雲の峰に祀られている本宮神社(ほんぐうじんじゃ)を遥拝することができる。

本殿横の遥拝所が特別な遥拝所であるのに対して、こちらは誰もが遥拝することのできる場所である。

一童社(三輪神社)(2番社)

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すこし斜面を上がったところに鎮座する「一童社」。祭神は少彦名命。三輪の大神神社の配神だ。

ご利益は、「子宝」「子育て」である。

兵主神社、南宮神社 (3番社・4番社)

若宮の左手に、二つの社が並んで鎮座している。

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左側が「兵主神社」で、祭神は「大己貴命」。ご利益は「延命長寿」

右側が「南宮神社」で、祭神は「金山彦神」。ご利益は「金運」

若宮 (一番社)

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「若宮」である。拝殿・幣殿が設置されていて、境内摂社の中では最大の規模を誇る。こちらの「若宮おん祭り」は、奈良最大の祭とされている。

祭神は、天児屋根命の御子である「天押雲根命」。ご利益は「正しい知恵」。

本来は、こちらから参拝をスタートしないといけないのだ。

広瀬神社・葛城神社 (5番社・6番社)

若宮の右手に、二つの社が並んで鎮座している。

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左が「広瀬神社」で、祭神は「倉稲魂神」ご利益は「衣食住の神」である。稲荷大神と同一神とされる。

右が「葛城神社」で、祭神は「一言主神」ご利益は「心願成就」である。

赤乳・白乳両社遥拝所 (番外)

広瀬神社と葛城神社の間に、何やら遥拝所があるようだ。

「赤乳白乳両社遥拝所」である。

春日大社の南の山麓に鎮座する神社を遥拝する場所である。

  • 赤乳神社の差神は「稚日女尊」。女性の腰から下の病を治してくれるとされる。
  • 白乳神社の祭神は「志那斗弁神」。女性の腰から上の病のを治してくれるとされる。

夫婦大黒社 (15番社)

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本来は、ここが最初の受付の場所であり、最後の札所なのだが、、、

大国主命と須勢理姫命の夫婦を祀る。この2柱の神が主祭神として祀られる神社は他にないらしい。

古事記によると、

須勢理姫命は素戔嗚尊の娘である。大国主命が根の国の素戔嗚尊を訪れた時、お互い一目ぼれ

素戔嗚尊は、娘を嫁がせるに相応しい男かどうかを見極めるために、大国主命にいくつかの試練を与える。命を落としかねない厳しい試練だ。

そのたびに須勢理姫命が「十種神宝」を思わせる神宝と呪術で大国主命を助ける

このように、この夫婦神のキーワードは、

  • 一目ぼれ=縁結び
  • 妻のおかげで助かった=内助の功・家内安全

である。加えて、

  • 大国主と大黒天の習合=商売繁盛

のご利益を頂ける。

それらにあやかるためには、「ハート型の絵馬」「しゃもじ」を奉納するとよい。

水占いも人気だ。

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おみくじをこの水盤の水に浸すと「文字」が浮かび上がってくるという仕掛けである。

しかし、なぜ、夫婦そろって祀る神社が他にないのか?古事記を読めばその答えが理解できよう。

ともかく今は、参拝中の乙女たちの夢を壊したくない。遠慮しておいた方がよさそうである。

三十八所神社 (7番社)

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祭神は、伊弉諾尊、伊弉冉尊、神日本磐余彦命(神武)である。ご利益は「正しい勇気と力」。

この正しい勇気というのが、すごく難しいのである。反省。

佐良気神社 (8番社)

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祭神は、蛭子神(ひるこ)。恵比寿神と同一とされる。ご利益は「商売繁盛、交渉成立」の守護神

金龍神社 (14番社)

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こちらは「金龍大神」を祀る。「開運」「財運」を司る神である。

この神社の起こりは、1331年。

後醍醐天皇が鎌倉幕府倒幕の目論んでいるとき、側近の裏切りによって幕府側に露見してしまう。天皇は、女装して平安京から奈良を通って東大寺へとたどり着く。

翌日、笠置山へと逃れ、のちに楠木正成等の功績あって倒幕を果たすのであるが、その東大寺宿泊の折に、ここへ宮中の「鏡」を奉納して天下泰平を祈願したのが、この金龍神社の創建である。

宮中=禁裏であるから、ここを禁裏殿ともいう。

元春日 枚岡神社遥拝所 (13番社)

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ここは、春日大社の祭神であるところの「天児屋根命」「比売神」の勧請元である大阪府東大阪市の「枚岡神社」を遥拝する場所にある磐座である。

春日明神遥拝所 (9番社)

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祭神は、春日皇大神。ご利益は「ひらめき」である。

斜面を少し登ると見える。

9個の居石(すえいし)が、きちんと並んでいる。明恵上人が春日大社本殿を遥拝した場所らしいが、何故、本殿に直接参拝しなかったのだろう。何故、遥拝なのだろう。

奥の院道

ここから、奥の院へと続く「奥の院道」が始まる。ここから先は、ほとんど人がいない。

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周囲を森に囲まれた木漏れ日の中を歩くと、身が引き締まり、穢れが祓われていく感じである。素直な心に生まれ変われるような。。。

夫婦大黒からすぐの場所なので、是非訪れて欲しいスポットだ。

宗像神社 (10番社)

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奥の院道の左手の高台に「宗像神社」が鎮座する。宗像三神の一柱である市杵島姫命(いちきしまひめみこと)をお祀りする。

ご利益は、諸芸上達とされている。

天河弁財天と伝わると書かれてあったが、奈良県吉野天川村の天河神社からの勧請ということなのであろうか。

浄化のパワースポット

奥の院道は、奥に向かってなだらかな上り坂になっている。坂道を上る途中、ちょうど宗像神社の手前2mほどの地点、ここもパワースポットであろう。

今記事の冒頭に出てきた「赤い小さな橋」の先1m地点で感じたあの感覚がここにもある。前回記事の「内侍道」の門前1m地点でも感じたパワーと同質である。

思わず立ち止まって、あたりを見渡したくなる。たぶん皆さんも感じると思う。

頭と背中にジンジンと来る。そして脳みそが肥大する、あの感覚だ

伊勢神宮遥拝所 (12番社)

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伊勢神宮を遥拝する場所である。祭神は、内宮の天照坐皇大御神(あまてらしますすめおおかみ)と、外宮の豊受大御神(とようけのおおみかみ)である。

二つの石がそれぞれ内宮と外宮を表しているのだろうか。この二つの石の間から遠く伊勢の地を遥拝することができるらしい。

ご利益は「大地の恵み」である。

龍王珠石 (番外)

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奥の院「紀伊神社」のすぐ横にある「龍王珠石」。善女竜王が尾玉を埋められた場所とされる。

「室生の竜穴にすむ善女竜王はかつて興福寺の猿沢池におりましたが、釆女の入水を嫌い、香山春日山の南に移り住みました。しかし、そこにも死体が捨てられるようになり、室生の竜穴に移った…」  引用 大正楼HPより

ちょっと待った。春日山の南に死体が捨てられるようになった?あまり深く考えないようにしよう。

紀伊神社 (11番社)

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最深部に到着である。「紀伊神社」だ。祭神は、五十猛命、大屋津姫命、抓津姫命和歌山の一之宮「伊太祈曽神社」の祭神である。

素戔嗚尊の御子とも言われる五十猛命は、日本中に木を植えた木の神様であり、気の神様でもある。

ご利益は、万物の生気、命の根源の守護神である。

しかし、藤原氏が五十猛命を祀る意味が分からないのである。また勉強のネタができた。

私の15社めぐりは、順番も何もあったもんじゃないが、これですべて参拝し終えた。あとは、東大寺方面へ向かう途中の水谷神社を参拝していこう。

水谷神社

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聖流「水谷川」のせせらぎが聞こえるこの場所は、表参道から大きく北にずれた、むしろ若草山の南といった方がわかりやすいかもしれない。

「水谷神社」は、素盞鳴命・大巳貴命・奇稲田姫を祀る神社で、かつては「牛頭天王社」と言われていた。

病気平癒子授けを祈る人が多いと聞く。

最後に

特別参拝が実施されていなかったのは、とてつもなく残念なことであったが、随所に御蓋山の神気を感じることができたのは、大変喜ばしいことである。

私は河内に生まれ育ったものとして、どうしても物部氏贔屓なのである。したがって物部系平岡氏や中臣氏を乗っ取った藤原氏をどうしても好きにはなれないのだ。

しかし、枚岡神社の場合もそうであったが、こうして参拝してみると、そのような小さなことなど超越した力がそこには歴然としてあることに気が付くのである。

神の力とか、大地の力とか、宇宙の力など、人が介在できない大いなる力というものが存在するのである。

我々は、その力にこそ生かされているのである。

我々人間には、日々謙虚に、自分にできる精一杯のことを粛々と行うことしかできないのであろう。また、そうすることが、大いなる力に沿うことになるのであろう。

私にとって「春日大社」とは、そういったことを気付かされる場所だったんだと思う。

春日大社の参拝記録 おわり。。。

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➡  参拝記録・・・「春日大社」① 概略について

➡  参拝記録・・・「春日大社」② 猿沢池から二の鳥居まで

➡  参拝記録・・・「春日大社」③ 祓戸神社から本殿エリア

➡  参拝記録・・・「春日大社」④ 若宮15社めぐりと水谷神社

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