根津神社|文京区|東京十社|「奇跡の神社」といわれる理由とは、、、

2017年9月19日

根津神社は、東京都文京区根津に鎮座する、極めて長い歴史を持つ古社である。

明治初期には准勅祭社12社の一つに列せられた、「帝都東京」を代表する霊験あらたかな神社の一つである。

ここは奇跡の神社と呼ばれている。なぜ奇跡なのか。後ほど述べたいと思う。

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根津神社について

根津神社 概要

  • 所在地    東京都文京区根津一丁目28番9号
  • 電話番号   03-3822-0753
  • 主祭神    須佐之男命、大山咋命、誉田別命
  • 創建年           不詳
  • 社格     准勅祭社 府社
  • 公式HP    http://www.nedujinja.or.jp/

根津神社 アクセス

MAP

最寄り駅

  • 地下鉄千代田線「根津駅」「千駄木駅」徒歩5分

駐車場

  • あり(有料)

根津神社の祭神

本殿に、須佐之男命、大山咋命、誉田別命を祀る。

須佐之男命

古事記によると、、、

伊弉諾尊が、穢れを祓うために海岸で「禊」を行った時に生まれた神。同時に天照大神と月読命が生まれ、その三柱の神々を三貴神(三貴子)と呼ぶ。

高天原では悪ガキのような子供っぽさを持ち、荒ぶる神として描かれる反面、追放後の地上世界では英雄として描かれている。

須佐之男命(牛頭天王)を祀る神社の仲でも特に有名な神社「八坂神社」の「祇園祭」は、御霊鎮めの祭りを起源とし、次第に疫病除けの祭りへと変化していった。

このように、須佐之男命は「邪気祓い」「厄病除け」「災難除け」のご神徳をもつとされている。

大山咋命(おおやまくいのかみ)

須佐之男命の子の「大歳神」の子。すなわち、須佐之男命の孫。

山の地主神で、農耕をも司る

京都の比叡山、松尾山に鎮まっているとされ、それぞれの麓には日吉大社と松尾大社が創建された。

別名を山王という。関東では赤坂の日枝神社が有名である。

誉田別命

15代応神天皇である。八幡大神として、全国の八幡宮や八幡神社に祀られている。

天照皇大神に次ぐ皇室の守護神であり、国家鎮護の神である。

そして、神功皇后の三韓征伐の武勇伝もあいまって軍神としての側面も持つ。源氏や平氏など武家の信仰を集めた。特に清和源氏は八幡神を氏神と定めたと聞く。

戦勝、子宝、安産などの御利益を頂けるという。

根津神社の創建

創建年代は定かではない。

社伝によると、1900年前に日本武尊が、千駄木において東征の戦勝祈願の祭祀を行ったのが始まり。

その後、その場所に祠が建てられたのであろう。

戦国時代、太田道灌によって再興されたという史実があるというから、永らくは廃れていたのだろうか。

5代将軍「徳川綱吉」が跡継ぎを甲府藩の「綱豊」(のちの将軍「家宣」)に定めたとき、その甲府藩下屋敷のあった当地に荘厳な社殿を造営し、千駄木から遷座させたという。1706年のことである。

現在の社殿や楼門や透塀などの建築物一式は、なんと、1706年に建てられたもの。

明和の大火、関東大震災、東京大空襲、などをくぐり抜けてきた、奇跡の神社、強運の神社だ。

ほんとは、すこし燃えちゃったようだが。。。

根津神社の御利益

根津神社の本殿で頂ける御利益は、次の通りである。

主祭神

  • 須佐之男命・・・厄災消除、邪気祓い
  • 大山咋命・・・農耕の神、要(かなめ)の神
  • 誉田別命・・・勝運上昇

相殿神

  • 大国主命・・・縁結、経営
  • 菅原道真公・・・学業成就

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根津神社 参拝記録

代々木八幡で用事を済ませた私は、千代田線沿線の神社を探す。あった。根津神社だ。かねてより参拝したいと思っていた神社である。

千代田線で約30分。根津駅と千駄木駅のちょうど中間にあるようだから、根津駅で降りよう。

大通りから路地に入ると、閑静な住宅地だ。大通りに面したビルによって騒音が遮られ、非常に静かである。鳥のさえずりと私の靴音しか聞こえない。

そうこうしてるうちに、鳥居が見えた。

大鳥居

鳥居をくぐって神域に入ると、なにやら賑やかだ。

どうやらこの週末に例祭があるらしく、音響機材や足場などを搬入する業者さんの車が数台。荷物を運搬する若い衆がうろうろしている。

そのうちの一人が、どうやら関西の出身のようで、聞きなれた関西弁が聞こえてくる。

内の左側は、人工の川のような池のような水場になっている。錦鯉や亀が泳ぐ。

神社境内に設えられた人工池や人工川の水は、ややもすると澱みがちであるが、こちらは意外にも、水が澄んでいて綺麗だ。

この人工池の向こう岸に、千本鳥居が立ち並んだ「乙女稲荷神社」が鎮座し、そのさらに向こう側が「ツツジの園」らしい。

あとで参拝しよう。

まずは、楼門から。

楼門

こちら、1706年の建築だ。310年ほど前のもの。左右には随神像が安置されている。国の重要文化財に指定されている。

神楽殿

朱塗りの建築物が多い根津神社において、この神楽殿は少し趣が異なる。かなり古いもの?と思いきや明治以降の建築とのこと。

手水舎・水盤

この水盤は見事である。

真鶴で採石されたブランド石「本小松石」。300年前に造られたということであるから、こちらに遷座した際に設置されたものと思われる。

水盤の中をのぞくと、水が青く澄んで見える。美しい。

もうひとつ興味深いのは「卍」の神紋であろう。拝殿や灯篭など、至る所に「卍」があしらわれている。

神仏習合時代の名残であろう。そう根津権現だ。

神社の意思で残したのか、何か理由があってのことなのかは分からないが、残っていてうれしく思うのは私だけであろうか。。。

唐門

この唐門も、重要文化財に指定されている。

拝殿

この拝殿とその奥に続く弊殿・本殿が一棟で建てられている、いわゆる「権現造り」である。もちろんこちらも1706年の築で、国の重要文化財だ。

二礼二拍手一礼。

本殿裏に回ると拝所ではないが、扉が切ってある。

そうそう。本殿エリアを取り囲むこの「透塀」も重要文化財だ。

そして、この場所。ビンビンくるのである。パワーが。

境内社

乙女稲荷神社の鳥居

楼門の左手から朱色の鳥居のトンネルをくぐろう。

伏見稲荷大社の鳥居に比べると、かなり小ぶりな鳥居であるが、立ち並ぶ様は、やはり美しい。

この両側がツツジ園。春から初夏は、もっともっと美しいのだろう。

家宣公の胎衣塚

鳥居のトンネルの途中に、徳川家宣公の胎盤などを埋めたとする「胎衣塚」がある。

乙女稲荷神社

鳥居をくぐりぬけると、川に突き出た舞台前に、乙女稲荷神社が鎮座する。

中央の赤に格子の奥は「風穴」。この風穴が女性を象徴しているとのことで「乙女稲荷」と呼ぶと聞いた

祭神は「倉稲魂神」(うかのみたまのかみ)。五穀豊穣、食物の神である。

しかしここは、縁結びをはじめとする「女性の守護神」として信仰を集めているようだ。

駒込稲荷神社

乙女稲荷神社から一旦降りて、北側に鎮座する駒込稲荷神社に参拝しよう。

御祭神は伊弉諾命・伊弉冊命・倉稲魂命・級長津彦命(しなつひこ)・級長戸辺命(しなとべ)である。

級長津彦命・級長戸辺命は、風の神である。

奈良の龍田大社、内宮の風日祈宮、外宮の風宮に祀られる神だ。

「級長(しな)」は息が長いという意味で「命を司る神」ともいわれる。

伊弉諾命・伊弉冊命は、その風神二柱の両親だ。

根津神社。見どころの多い神社であった。さあ、最後にもう一度「乙女稲荷神社」の前を通って帰るとしよう。

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