国之久比箸母智神(くにのくひざもちのかみ)

2018年1月9日

国之久比箸母智神(くにのくひざもちのかみ)は、古事記に登場する日本の神。

伊邪那岐神と伊邪那美神が産んだ河口や港の神である「速秋津日子命」と「速秋津比売命」の間に生まれた、瓢箪を神格化した神。

天之久比箸母智神(あめのくひざもちのかみ)と対をなしており、おそらくは、天之・国之は、那芸(ナギ)・那美(ナミ)と同じく男女の区分と思われる。

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国之久比箸母智神(くにのくひざもちのかみ)の概略

神名

久比奢母智(くひざもち)の解釈としていくつか挙げられている。

  • 「くみ(汲)ひさご(瓠)もち(持)」の意
  • 「 くみ(汲)ひさご(瓠)もち(貴) 」の意

いずれにしても、水を汲み上げる瓢箪を神格化したものと考えられている。

国之については、天之との陰陽の関係であるという説が一般的だが、天之は川の水を汲み上げる瓢箪、国之は海の水を汲み上げる瓢箪と解する説もある。

神格

水を汲み上げる瓢箪を神格化した神であるからして、、、

  • 水を分配する神

水道工事の着工式の祭で祀られることもあるらしい。

さらに広い意味では、、、

  • 農業の神
  • 灌漑用水の神

海水を汲み上げる瓢箪と解した場合は、

  • 製塩の神

となろうか。

系譜

  • 祖父>>>伊邪那岐神
  • 祖母>>>伊邪那美神
  • 父>>>速秋津日子命
  • 母>>>速秋津日売命
  • 兄・夫??>>>天之久比箸母智神

次々と生まれた兄弟達。

「速秋津日子命」と「速秋津比売命」の間に、頬那芸神を含めて8柱の海や河に関わる神が生まれた。

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古事記の記述

古事記において、伊邪那岐神と伊邪那美神による神産みの段に登場する。

伊邪那岐命と伊邪那美命が国々を生み終って、さらに神々を生んだ。その生んだ神々の神名は、まず大事忍男神、次に、・・・・・(家宅六神の名が並ぶ)・・・

次に海の神の大綿津見神を生み、次に水戸神、その名も速秋津日子神を生み、次に妹の速秋津比売神を生んだ。

そして、この速秋津日子神と速秋津比売神の二柱の神が、河と海に分けて神々を生んだ。

まずは、沫那芸神と沫那美神が生まれた。次に頬那芸神と頬那美神が生まれた。次に天之水分神と国之水分神が生まれた。そして、天之久比奢母智神と国之久比奢母智神が生まれた。(合計8柱の水に関わる神が生まれた。)

同時に生まれた8神の連関はというと、

河と海に分けて、

  • その河と海の境目に発生する波の泡に沫那芸神・沫那美神が生まれ、
  • その水面に頬那芸神・頬那美神が生まれ、
  • 水が蒸発して上空に昇って雨となり大地に降って水が湧き出すところに天之水分神・国之水分神が生まれ、
  • 天之久比奢母智神・国之久比奢母智神がその水を汲んで分け与える。

という水の恵みの循環を表したものではないかという説がある。

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神様紹介

Posted by リョウ