野宮神社|京都|嵐山にある神聖な場所で、悪縁を切り良縁を結ぶ。
京都の観光地として名高い嵐山嵯峨野。その竹林の中に隠れるように鎮座するのが、縁結びのお社としても人気が高い「野宮神社」。
ここはかつて、斎王が皇室の代表として伊勢で奉仕するべく精進潔斎をした地。よって、ことのほか神聖な場所といえる。そんな境内に祀られる他の社では、縁結び以外にも、子宝や学業向上などのご利益が頂けるのも人気の理由の一つだろう。
また源氏物語の舞台としても知られ、そのエピソードから縁切りのご利益もあるという。
いざ京都嵯峨野の野宮神社で、悪縁を切り良縁を結ぼうではないか。
野宮神社について
野宮神社の概要
- 所在地 京都府京都市右京区嵯峨野宮町1
- 電話番号 075-871-1972
- 主祭神 野宮大神(天照皇大神)
- 社格 村社
- 公式HP http://www.nonomiya.com/index.html
アクセス
最寄り駅
- JR嵯峨嵐山駅から徒歩約10分
車でのアクセス・駐車場
- 神社まで車で行くのは不可能。
- 駐車場なし。嵐山エリアのコインパーキングを利用。
野宮神社の創建
この地に「野宮」が造営された年代を創建年とする場合は、嵯峨天皇の御代、西暦810年に皇女「仁子内親王」が斎王として当地で潔斎したのが始まりとなろう。
もしくは、後醍醐天皇の皇女「祥子内親王」が斎王制度の最後の斎王であるからして、後醍醐天皇崩御以降の創建とも言えよう。
斎王とは、天皇の代理として伊勢の神宮へ赴き巫女として奉仕した皇女。天皇の代替わりの時に未婚の皇女・王女から占いで選出され、次の天皇に代わるまでその任にあたる。
伊勢へ赴く前の1年間は、嵯峨野の清らかな場所で身を清める決まりとなっていて、その場所を「野宮」と呼んだ。
野宮の場所は毎回異なる場所に造られたが、仁子内親王より以降は固定されるようになった。それが当鎮座地である。
野宮神社の祭神
祭神は「野宮大神」。その正体は、天照皇大神である。伊勢の神宮の巫女として赴任するための場所であったからして当然至極であろう。
古事記では天照大御神とよぶ。日本神話においては主神として登場。天を統治する主宰神であり、皇祖神であり、かつ、日本の総氏神とされる。太陽神・巫女・農耕神・機織神としての神格を持つ。
野宮神社のご利益
「良縁、子宝、学問の神様 野宮神社」これがキャッチフレーズとなっているのだが、これは境内に祀られている神々の御利益を集約したもの。
- 野宮大神・・・健康、知恵
- 愛宕神社・・・鎮火、勝運
- 白峰弁財天・・・芸能上達
- 白福稲荷大明神・・・子宝安産、商売繁盛
- 大山弁財天・・・交通安全、財運向上
- 野宮大黒天・・・良縁結婚
この他にも、厄払い・悪縁切りのご利益を持つとされる。
野宮神社参拝記録
京都嵐山。京都を代表する観光地である。大覚寺・常寂光寺・松尾大社といった社寺仏閣、トロッコ列車や保津川下りといったレジャー、また昨今ではオシャレなお店が続々とオープンして、あらゆる年代が楽しめるスポットとなっている。
中でも一番の人気スポットというと、やはり嵯峨野の竹林の道ではないだろうか。野宮神社は、嵯峨野の竹林の中に鎮座している。
嵐山駅前の通りから一歩中に入ると、タイムスリップしたかのような光景が広がっている。
遠くに晴れ着を着た若い女性が二人。やはり女性の和服姿はいい。露出ゼロだから、その人の内面の色気を感じることができる。いとよろし。
それに引き換え、男性の和服の着こなし方のヒドさには、筆舌に尽くしがたいものがある。
そうこうするうちに、社頭に到着。なかなかに、人が多い。
黒木鳥居
こちらが野宮神社の玄関となる鳥居。横棒(笠木)のちょっと歪んでいるなど、普通とは少し違う鳥居であることが感じられるだろう。
この鳥居は黒木鳥居という。丸太の樹皮を剥がさない、まるままのクヌギの木を使った鳥居で、最も原始的な鳥居である。(近くで見ると、透明な樹脂で固められていた。防腐加工が施されているようだ)
「くろもじ」の小柴垣で周りを囲んで、入り口に黒木鳥居を据える。これが、源氏物語に見える「野宮」の造りだそうだ。もしかしたら紫式部も、ここに立っていたのかもしれない。
野宮神社の本殿・拝殿
鳥居の正面に鎮座するのが野宮大神。天照皇大神である。ご利益は健康と知恵。日本人の総氏神様であるからして、国民の健康と民度の向上による国の発展に寄与頂いているのもと推察する。
二拝二拍手一拝。
正面からでは本殿が見えにくいので、境内の斜め後ろから見学した。
下部が覆われているから何とも言えないが、おそらくは伊勢の内宮と同じような、掘立柱・切妻造・平入で、直線的なフォルムが素朴で美しい「神明造」であろう。
白峰弁財天社
本殿に向かって左側に鎮座する白峰弁財天社は、江戸時代初期の都名所図会に記されていた弁財天で、平成元年にこの地に再び祭祀したものと記されている。
では平成元年まではどうだったのか。松尾大神を祀る神社があったという。松尾大社との力関係の問題だろうか。松尾大社の援助なしでも神社運営ができるようになったので、往古の姿に戻した、、、違うかな?
ご利益は財運と芸能。
愛宕社
本殿に向かって右側に鎮座するのは愛宕社。愛宕大神が祀られている。野宮神社の北西6kmに愛宕信仰発祥の地であるところの愛宕神社がある。ここからの勧請か。
愛宕大神は伊弉冉尊と火産霊尊であることから、鎮火・防火のご利益があり、神仏習合時代には伊弉冉尊の本地仏が勝軍地蔵尊とされていたことから、武神・軍神の神格も併せ持つ。
だというのに、看板にある「健康・知恵さずけ」とは、いかに?立て間違いか?
縁結びと縁切りはこちら!
本殿とその両脇の境内社以外にも、ご利益を期待したい社がある。その筆頭が大黒天社と神石(亀石)であろう。
大黒天社と神石(亀石)
小さな小さな祠ではあるが、これが縁結びの霊力が極めて強いと評判の野宮大黒天社である。
大黒天は七福神の一柱。食物・財福の神だ。神仏習合により大国主命と習合した。こちらのご利益である「縁結び」は、大黒天というよりは大国主命のご神徳によるのものであろう。
すぐそばに、撫でながら祈りを込めると1年以内に願いが叶うといわれている神石(亀石)がある。
古来より石には神霊が宿るという。この石もいわゆるパワーストーンといえよう。
であるからして、縁結び祈願の手順としては、
本殿で挨拶を申し上げ、野宮大黒天社で良縁を祈願し、神石(亀石)に成就を託す。
という具合に参拝するのがよかろうと思う。
もちろん、縁結びの祈願だけではない。神石は子宝・安産・合格祈願など全ての祈願に効果を発揮する。
禊祓清浄御祈願
さらには、「禊祓清浄御祈願」というアトラクションもある。
これは、自分に降りかかっている迷惑行為、あるいは祓い清めたい事柄がある時に、それを祓って頂くというもの。手順は以下の通り。
- 授与所で祈願書を授与いただく。300円也。
- 専用のペンで、別れたい人や取り除きたい内容を祈願所に書く
- 祈願所を桶の水に浮かべる
- その祈願所の上にコインを一つ置く
- 祈願所の文字が消えて、溶けて、コインととも沈む
- 願いが叶う
禊祓いとしてはいるが、縁切り祈願をする人が多い。
実際、私のパートナーが会社でいじめにあっていた時、その中心人物2人を排除するための祈願をした。
するとどうだろう。半年も経たないうちに、一人は退社、もう一人は休職。
休職した一人が復職した時、そのパワーはすでに無くなっていた。
- 絶対に、相手を呪うような言葉を記入しないこと。自分に跳ね返ってくるので。
- そのコミュニティーから、自分がいなくなる可能性もあるということを覚悟しておくべき。
じゅうたん苔
最後にじゅうたん苔をご紹介しようと思う。境内の北側に広がる苔の庭園だ。
上の画像で見るだけだと単なる芝生のように見えるかもしれないが、実際にご覧いただくと、苔が織りなすビロードのような滑らか感、フカフカ感、そして地面の小さな凹凸を拾ったウエーブ感がお分かりいただけるだろう。
とても美しく安らぐ空間である。一見の価値ありだ。
最後までお読み頂き、ありがとうございました!
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