天之狭霧神(あめのさぎりのかみ)・国之狭霧神(くにのさぎりのかみ)
「天之狭霧神」は、古事記にだけ登場する神で、霧に宿る神とされる。
山の神「大山津見神」と野の神「鹿屋野比売神」が生んだ8柱の神の一柱。対となる神に「国之狭霧神」がいる。
天之狭霧神・国之狭霧神の神名
天之狭霧神・国之狭霧神の神名
- 天之狭霧神(あめのさぎりのかみ)>>>古事記
- 国之狭霧神(くにのさぎりのかみ)>>>古事記
日本書紀には登場しない。「さ」は「神聖な」という意味で、「きり」は「霧」。
「山の神聖なる霧の神」「里の神聖なる霧の神」か。
天之狭霧神・国之狭霧神の神格
- 霧の神
天之狭霧神・国之狭霧神のご利益
これは難しい。
霧は視界を遮るものであり、古代人にとっては恐ろしいものであると言える。稲作においても、東北地方では冷害の年には霧が発生するという。
しかし、蕎麦や茶においては、水が多く寒暖の差が大きい土地で良いモノができるらしく、川が流れ寒暖の差が大きい地域には霧が発生するものだ。
日本において蕎麦は縄文時代から栽培されていたようだ。また奈良時代には米の不作に備えるために麦と蕎麦の栽培が推奨されていいたという。
そういう意味では、五穀豊穣のご利益があると言えるのではないだろうか。
天之狭霧神・国之狭霧神の系譜
同時に生まれた兄弟神が7柱。
- 天之狭土神(くにのさづちのかみ)
- 国之狭土神(あめのさぎりのかみ)
- 天之闇戸神(あめのくらどのかみ)
- 国之闇戸神(くにのくらどのかみ)
- 大戸惑子神(おほとまとひこのかみ)
- 大戸惑女神(おほとまとひめのかみ)
天之狭霧神・国之狭霧神が登場する神話
誕生時に登場するのみか。。。
古事記より
大山津見神と野椎神が山と野に分けて生んだ神の名は、
まずは天之狭土神、次に国之狭土神、次に天之狭霧神、次に国之狭霧神、次に天之闇戸神、次に国之闇戸神、次に大戸惑子神、次に大戸惑女神。
合わせて8柱の神である
大山津見神と野椎神が「山と野に分けて」の部分の原文は、「山野に因りて持ち別けて」 。
直訳すると、「山野に基づいて分担して」となるのだろうか。
そうなると、「山の神、野の神のそれぞれの役割に基づいて分担して生んだ」ということになり、この2柱の間に生まれた子(男女の結合を伴うという意味の)とするのは、少しく違和感が残る。
私のような素人には分からない。
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天之狭土神(くにのさづちのかみ)
国之狭土神(あめのさぎりのかみ)
逆では?