愛宕神社|東京都港区|ご利益は立身出世、武運長久、火伏せの神。
愛宕神社は、東京都港区愛宕にある神社。
港区愛宕というよりも「東京の芝」と言った方がわかりやすいか。東京タワーあるいは増上寺の北に位置する。
江戸時代に、京都の愛宕神社から勧請し創建という比較的新しい神社で、出世の石段で有名な神社である。
江戸の町を火事から守る防火・防災の守護神を祀る神社であるとされるが。。。
愛宕神社について
愛宕神社 概略
- 所在地 東京都港区愛宕一丁目5番3号
- 主祭神 火産霊神
- 創建年 1603年
- 社格 村社
- 公式HP http://www.atago-jinja.com/
愛宕神社 アクセス
MAP
最寄り駅
- 日比谷線神谷駅から徒歩5分
駐車場
- あり
愛宕神社の祭神
主祭神として火産霊神を祀り、配神として罔象女命・大山祇命・日本武尊・将軍地蔵尊・普賢大菩薩を祀る。
火産霊神(ほむすびのかみ)
日本書紀では火産霊神、古事記では火之加具土神(ひのかぐつちのかみ)あるいは単に加具土(かぐつち)と記述される、文字通り「火」の神である。
古事記によると、伊邪那岐命と伊邪那美命の神生みにおいて、夫婦で産んだ最後の神として登場する。
伊邪那美命は最後に加具土を生んだ。
加具土は火の神だったので、伊邪那美命は陰部に深刻な火傷を負ってしまった。 それがもとで、伊邪那美命は悶え苦しみながら死んでしまった。
・・・このあと、怒った伊邪那岐命が加具土を斬り殺し、その剣や飛び散った血から様々な神が生まれる・・ ・
古代においても火は生活に欠かせない大切なものであったが、取り扱いを間違うと生命や財産を失ってしまう恐ろしいものでもある。という説話だろうか。
加具土神は、秋葉神社、愛宕神社などで、火除け・火伏せ・鎮火の神として祀られている。
罔象女命(みづはのめのみこと)
古事記では弥都波能売神。水の神である。陰部を火傷して苦しむ伊邪那美命の尿から生まれた。
この時、同時に生まれたのが和久産巣日神(わくむすびのかみ)。その後、外宮に祀られる豊受比売神を生む事になる神だ。
大山祇命(おおやまつみみこと)
大いなる山の神という意味の神名で、もちろん山の神。
しかし、別名を「和多志大神」といい、「ワタ」すなわち海の神をも意味する。というわけで、大山祇神は山と海を統括する、大きな大きな神である。
日本武尊
景行天皇の命を受けて、西から東まで日本を平定してまわった英雄。武の神である。
日本武尊の足跡を辿ることは、ここでは割愛させていただくが、最後は白鳥になって三重の亀山から大和国にむかって飛び立ち、最後に河内国に降り立ったのち、天に昇ったとされる。
大鳥神社・鷲神社・大鷲神社・白鳥神社などに祀られる。
将軍地蔵尊
将軍地蔵尊(勝軍地蔵尊)は、京都盆地の西部にそびえる愛宕山の山岳信仰と修験道が融合した「愛宕権現」の本地仏。そして、愛宕権現の垂迹神が伊邪那美命。
本地だの垂迹だのと、ややこしいのであるが、現在では、主祭神「火産霊神」の母神である伊邪那美命を祀っていると解釈してしまってもいいと思う。
とはいえ、そもそも勝軍地蔵尊は武勲や戦勝祈願の地蔵尊である。
明智光秀が本能寺の変の前に、愛宕権現に参拝したのはそのためだろう。徳川家康も、芝の愛宕神社に天下平定を祈願したはずだ。
普賢大菩薩
普賢菩薩は、女人成仏を説く法華経に登場する菩薩であるからして、女性からの信仰を集めてきた仏である。
また、青森県弘前市の愛宕山橋雲寺によると、前述の将軍地蔵尊は普賢菩薩の生まれ変わりとも。。。
愛宕神社の創建
創建は1603年。徳川家康に征夷大将軍に任命され、江戸に幕府を開いた年である。
関ケ原に勝利したとはいえ、大阪には豊臣家が依然として強大な勢力を有しており、天下の情勢は予断を許さない状況であった。
おそらくは、戦勝祈願のために愛宕権現を勧請してきたのだろうと思う。
江戸の町を火災から守るためという理由ではなかったのではないだろうか。
愛宕神社のご利益
公式HPより、、、
- 火に関するもの、防火、防災
- 印刷・コンピュータ関係
- 商売繁昌
- 恋愛、結婚、縁結び
れらは摂末社のご利益も含まれていると思う。。。
付け加えるとするなら、大山祇大神・日本武尊・勝軍地蔵尊とくれば、「戦勝の神」「武運の神」だろう。しかも、かなり強力な。。。
愛宕神社 参拝記録
神谷町の駅を降りて、東京タワーを右手に見ながら歩き彷徨うこと10分。ようやくたどり着いた。
都会の真ん中に突如現れる緑豊かな森。まさにオアシスと言えよう。
朱色が鮮やかな大鳥居。その先に、おそろしく急勾配配な石段が見える。
出世の石段
そう。これが「出世の石段」と呼ばれる86段の石段である。勾配は40度とも45度とも。
見上げると、神々しい気持ちになるから不思議だ。
さて、なにゆえ「出世の石段」なのか。
徳川家光公が増上寺へのお参りの際に愛宕山の石段下を通ったとき、梅が見事に咲いているのを見つけて、「誰か馬で石段を上がって梅の枝を取って来い」と命じた。
皆が尻込みする中、丸亀藩の曲垣平九郎が見事な手綱さばきで急な石段を上がって梅を手折り、降りてきた。
家光は「平穏な世であるにもかかわらず、よくぞ馬術の鍛錬を怠らなかった!あっ晴れじゃ!」と賞賛し、平九郎の名は全国に轟いた
出世したのかどうかは、わからないが、あやかりたいものである。
石段を登り切ったところにある鳥居が一の鳥居で、そこから下を見た。
高所恐怖症の人には気の毒だが。
三角点
標高26mの愛宕山の頂上ということになる。自然の地形で、かつ、山と呼ばれていたものの中では、23区内最高峰の山が愛宕山なのである。
この石柱は本当の三角点ではない。本物の三角点は、鉄の蓋を開けると見えるらしい。
拝殿
三つ葉葵の神紋があちらこちらにあしらわれた拝殿。徳川将軍家からの篤い信仰を物語っている。
二礼二拍手一礼。
今日は、会社関係の方々が祈祷を受けているようだ。さすがはオフィス街である。
招き石
拝殿前の内参道に招き石が置かれてある。実に奇妙な形状をした石である。
これを撫でると福が付くと言われている。
将軍梅
これが、平九郎が家光に献上したとされる梅の木らしい。そうすると樹齢は400年を超えていることになろうか。
幹や枝に包帯?が巻かれており、痛々しく見える。
境内社
末社3社
拝殿の左手に、3つの祠がある。左から、、、
太郎坊社
祭神は猿田彦神。
太郎坊とは、山城国の愛宕山に住まうという大天狗「愛宕山太郎坊天狗」のこと。愛宕修験道では、これを若宮に祀り「太郎坊大権現」とし、垂迹神を加具土とした。
こちら、芝の愛宕神社では、導きの神として有名で、天狗の原型とも言われている「猿田彦神」を垂迹神としたということになろうか。
導きの神、開拓、旅行の守護神。
福寿稲荷神社
宇迦之御魂神を祀る。
福寿開運十種の神、衣食住・農商工業の守護神。
恵比寿大黒天社
事代主命と大国主命を祀っている。上の画像では、どこにあるか見えないと思う。見えないほど小さな祠なのである。
縁結び、知恵の神。
弁財天社
市杵嶋比売神を祀っている。女性に人気の祠で、美容・芸能・財福の神である。こちらでは、金運向上の神として有名なようで、宝くじ高額当選をした人もいるとか。。。
しかし、これらのご利益は、仏教の弁財天・吉祥天と習合したためのもの。
本来の市杵嶋姫命は、宗像三女神の一柱。朝鮮半島ー対馬ー九州を結ぶ海路の安全を守護する海の神である。
いずれにしても、金運にはあやかりたいものだが、なかなか男の私としては参拝しにくかったりする。
児盤水の滝
かつて愛宕山の山頂に児盤水という湧水が湧いていたという。今は枯れてしまっているらしく、この池の水はどこから?と思うわけだが、
とはいえ、この池は気持ちがいい。となりの弁財天社と相まって。
愛宕神社境内では、ここが一番よいのではないだろうか。浄化のパワースポットだ。
最後に
最後に、あの急な石段を上ることができない方、ご安心頂きたい。エレベーターが設置されている。
愛宕トンネルの入り口付近にある。
私も帰りはエレベーターを利用した。だって、出世の階段を下りるのはマズいでしょ。
最後までお読み頂き、ありがとうございました!
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