熱田神宮③|愛知|大楠・内天神社・信長塀。生命の源を感じるパワースポットをご紹介!

2016年10月8日

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名古屋市熱田区にある「熱田神宮」は、式内社の名神大社にして、明治時代から戦後までは「官幣大社」であった、霊験あらたかで由緒ある神社である。「三種の神器」のひとつ「草薙剣」が祀られている。

それだけの大社であるがゆえに境内は広く、また見どころも多い。

今回は、境内を三分割した「中エリア」をご紹介しようと思う。

小さな社が建ち並ぶエリアであるが、実は熱田神宮境内で一番強いパワーを感じた場所がこの中エリアにあった。あくまでも私見であるが。。。

中エリアを参道を境にして西と東に分けてご紹介していこう。まずは西エリアだ。

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西エリア

学問の神様「菅原社」(外天神社)

まずは、熱田神宮西門のすぐ内側にある神社「菅原社」からスタートだ。

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熱田神宮敷地中央あたりにある「内天神社」に対して「外天神社」ともいわれる「菅原社」の祭神は、当然ながら学問の神様「菅原道真公」

ここまであまり見かけなかった「絵馬」が奉納されている。もちろん「合格祈願」である。やはり神社には絵馬が似合う。神社らしい光景にほっとするのである。

聞くところによると、熱田神宮境内北西角に鎮座する「下知我麻神社」(しもちかまじんじゃ)の石を頂き、願いがかなうと倍の大きさの石を「菅原社」へ奉納するという風習があるとのこと。

ここで境内外側にある「下知我麻神社」にまで足を延ばしておけばよかったのだが、後回しににしたがゆえに、参拝し損ねることになろうとは。。。

二の鳥居

西門から再び境内に入り、正参道まで戻る。二の鳥居をくぐる。

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熱田の「大楠」

鳥居をくぐった左手に「大楠」がそびえ立っている。今まで見た楠の中でも1・2を争う大きさだ。

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幹の太さよりも、枝の張り具合が見事で大きく感じるのかもしれない。そして幹の木肌の若々しさ。

樹齢は1000年を超えるというが、老木という印象はない。生命力のパワーを感じるのである。

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根元は苔におおわれているが。

信長塀(のぶながべい)

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永禄3年(1560)今川義元の上洛軍を迎え撃つべく織田信長が出陣する。

一人先駆けて熱田神宮で必勝祈願。続々と集まる家臣達を前に鼓舞してみせた。熱田大神のご加護を得てみごと桶狭間にて大勝。その御礼として奉納したのがこの築地塀(ついじべい)である。

土と石灰を油で練り固め瓦を厚く積み重ねたもので、兵庫西宮(にしのみや)神社の大練塀、京都三十三間堂の太閤塀とともに日本三大土塀の一つに数えられる。

西八百万社

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信長塀の脇にある西八百万社には、西国の神々:西国坐八百万神が祀られている。

江戸時代の絵図を見ると、本宮の周囲にそれはそれは多くの社や祠が立ち並んでたようだ。ありとあらゆる社名が名を連ねていた。現在の熱田神宮にそれらはない。この東西の八百万神社に合祀されたのだろうか。

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東エリア

東八百万社

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同じく、参道を挟んだ向かい側に鎮座する「東八百万社」には東国の神々:東国坐八百万神が祀られている。

正参道の一つ東側にある裏参道に入ろう。

大幸田神社

こちらの撮影は、すっ飛ばしてしまったようである。

祭神は「宇迦之御魂神」(うかのみたまのかみ)。五穀をはじめ食物を司る神であり、全国の稲荷神社に祀られる神の大半は「「宇迦之御魂神」もしくはその別名の神であろう。

「田に大きな幸福」をもたらすという社名がなんともわかりやすい。一説には「福の神」すなわち富貴栄達を祈る神様と言われているようだ。

内天神社

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さて、大幸田神社を曲がると、六末社の北隣に「内天神社」がある。祭神は少彦名命。医薬の神様として祀られている。

少彦名命
大国主命の参謀的存在。非常に頭のいい神であったのだろう。そういう意味では学問の神様にも通じるところはある。日本書紀では高皇産霊神の御子、古事記では神皇産霊神の御子とされている。医薬、酒造、温泉の神として祀られることが多い。いずれも、長寿・病気平癒のご神徳といえよう。

社殿は無い。賽銭箱もない。一見すると「祓い所」である。

扉の前で、二礼二拍手一礼。

左斜め上から風が吹く。瞼を閉じているのに明るい。いつもの脳みそが肥大する現象は起こらないが、もっと清らかな印象の気が前方から押し寄せてくる。

いつまでもここに居たいと思わせる空気である。

しかし、この内天神社は、よくわからない神社である。公式HPの境内案内に説明がない

説明が無い摂末社は「内天神社」と「一之御前神社」の2社のみ。「一之御前神社」が極めて重要な神社であるから、「内天神社」もそうなのではないか?などと余計に気になるのである。

いずれにしても、違和感を感じるところには何かが隠されているものである。

大変失礼なことではあるが、垣内を撮影させていただいた。

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2本の木の間をご覧いただきたい。神域の中央が光り輝いているではないか。たまたまかもしれないが、この光景を目の当たりにすると、神様が降臨する場所のように思えてならない。この光の柱の中に神様がいらっしゃるかも、などと想像してしまう。。。

思えば「天神社」。奈良の最強パワースポットと謳われる「石上神宮」にも「天神社」が存在する。

石上神宮内で私が感じた中でも一二を争う強烈なパワーを発していたのが、その「天神社」なのだ。で、その祭神はというと、菅原道真公でも少名彦名命でもない。

なんと「高皇産霊神」と「神皇産霊神」である。

熱田の「天神社」には、その御子とされる「少彦名命」が祀られているのだ。もしかすると創造の神々が降臨する場所なのかも。いや、天之御中主神が。。。さらに想像すると、この地中に草薙剣が隠されているのかも。。。妄想である。聞き流して頂きたい。

六末社

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日本武尊や尾張国造に関係する神々を祀っている。画像手前から(北側から)

乙子社(おとごしゃ)・・・祭神:弟彦連
先代旧事本紀の尾張氏系図では天香語山尊の14世孫にその名がある。その父は応神天皇の御代、大臣として仕えたようだ。なぜ、14世孫だけが祀られているのだろうか。この乙子社だけが、他の五社にくらべて高さも幅も大きい。きっと尾張国に大きな功績を残した神なのだろうと想像する。
姉子神社(あねごじんじゃ)・・・祭神:宮簀媛命
熱田神宮の創建者。本宮の相殿神として祀られている神。日本武尊の妃である。現代では「親分肌の女性」に対して使われる言葉「あねご」とは「未亡人」という意味らしい。
今彦神社(いまひこじんじゃ)・・・祭神:建稲種命
本宮の相殿神として祀られている神。宮簀媛命の兄で、蝦夷征伐に副将として従軍し、日本武尊を大いに支えた神である。先代旧事本紀の尾張氏系図の12世孫にその名を見ることができる。
水向神社(みかじんじゃ)・・・祭神:弟橘媛命
忍山宿禰(物部氏の正統:穂積氏の祖)の娘で、日本武尊の妃の一人である。日本武尊の東征に従軍。横須賀あたりで海が荒れ一行の船が立ち行かなくなったとき、自ら海に飛び込み荒れる海を鎮めたという。
古事記では「妃」なのだが、日本書紀では「妾」にされていた。穂積氏は抗議文を朝廷に送ったらしい。
素盞嗚神社(すさのおじんじゃ)・・・祭神:素盞嗚尊
天照大神の弟で、草薙神剣をヤマタノオロチの尾から取り出した神である
日長神社(ひながじんじゃ)・・・祭神:日長命
この、日長命がよくわからない。宮簀媛命の弟ということである

姉子神社の宮簀媛命と水向神社の弟橘媛命。いずれも、日本武尊の妃である。日本武尊は弟橘媛命を東征に随行させた。畿内からずっと共に旅をしてきたわけである。よっぽどのお気に入りだったのだろう。

尾張に立ち寄った日本武尊は宮簀媛命と婚約したが、それを見ていた弟橘媛命はどう思たのだろう。蝦夷征伐に弟橘媛命を連れて行った時、宮簀媛命はどう思っていたのだろうか。

そして今ここに、横並びで祀られることに対して、両神はどう思っているのだろう。

1900年以上前の出来事ではあるが、思うと切ないものがあるのだが。。。

さて、いよいよ、本宮前へと進もうではないか。

熱田神宮・・・熱田神宮の概要についてを「熱田神宮①」でご紹介

南エリア・・・南鳥居から休憩所あたりまでを「熱田神宮②」でご紹介

中エリア・・・大楠から三の鳥居までを「熱田神宮③」でご紹介

北エリア・・・本宮・一の御前社・ここの小径を「熱田神宮④」でご紹介

では、次回以降で熱田神宮の魅力についてご紹介していこう。

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熱田神宮 概要

  • 所在地   愛知県名古屋市熱田区神宮1-1-1
  • 電話番号  052-671-4151
  • 主祭神  草薙神剣
  • 創建年      192年(伝)、646年(伝)
  • 社格   名神大社・尾張三宮・勅祭社・官幣大社・別表神社
  • 公式HP  https://www.atsutajingu.or.jp/

熱田神宮 アクセス

MAP

最寄り駅

  • 名鉄名古屋本線「名鉄神宮前駅」徒歩3分

駐車場

  • あり(無料)

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